軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「虚しい」ことに気が付かない“指導者たち”

ナポレオン没後の1814年、戦後処理を決めるためのウィーン会議で、各国は自己を有利にしようと裏工作に明け暮れ、舞踏会などに時間を費やし、肝心の会議は進まず、結果として王や権力者が復活することとなったため、フランス革命によって一度自由を味わった民衆は反乱を引き起こすこととなった。指導者が不適切だと、世界は市民が苦しむことになるのだ。これは当時の風刺画である。

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ロシアのウクライナ侵攻はほぼ1カ月になろうとしているが、停戦協定は少しも進捗しない。

21世紀の現在は、19世紀とは違って「舞踏会」などにうつつを抜かしている余裕はなかろうが、ウクライナやロシアからさえも自由を求める市民はどんどん国外脱出を図っているという。

そんな中、プーチン氏は支持者集会を開いて、気勢を上げているそうだが、ウクライナ侵攻の目的はほぼ失われ、世界中から締め付けられる事態を招いているが「想定外」だったのだろう。

このような、選挙集会もどきのえせ集会を開く精神が理解できないが、周りには「ヒラメ」が泳ぎ回っていて、彼を持ちあげているのだろう。もっとも彼が失脚すれば、自分らもともに失脚しかねない仲間たちだろうからその心情は理解できないこともない。

攻め込まれたゼレンスキー大統領にとっては、祖国防衛という「大義名分」は明らかだが、攻め込んだプーチン氏には「大義名分」も何もない。あるのは「メンツ」だけだろう。しかし、こんな狂人?にも「メンツ」があるのだから信じられない。いったい彼はこの世に何を求めて生まれてきたのだろうか?

多くの同胞たちを欺き、隣国の国民を抹殺し、領土を確保することだけが生きがい?なのだったのだろうか?それじゃあまりにも虚しくはないか?ロシアに「虚しい」という言葉があるとすればだが。

戦後処理に大きく影響するのはバイデン大統領の「プーチン氏は戦争犯罪人だ」と言った一言だろう。戦後の評価はほとんどこれにつながるだろうから、今や米国大統領を「ぼけ老人で何もできまい」と高をくくった自分が「虚しく」思われているのじゃないか?常人だったらそうだろうが・・・

 

ところでわが国にも、実に「虚しい言葉」がある。産経抄に書かれていたからご紹介しよう。それは前回も言った「新・憲法」の前文である。

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平和を愛する諸国民」の中に、日本人は入らない、という時の角田礼次郎法制局長官の答弁であり、連合国に対する「わび証文」を変えなかった安倍総理の言葉である。

彼は「総理の靖国参拝」についても持論を展開していたが、実行することなく病で「急遽総理の座を投げ出した」前歴があった。口先だけのこれが我が国の政治の現状なのであって、私の現役時代はなんとも「虚しかった」。

台湾攻撃を計画していると言われるシナの主席も、ロシアの侵攻状況を見て二の足を踏んでいるだろうが、もしやるとすれば、‟狂人”の仲間入りをすることになるだろう。

 

とまれ、奇妙な「憲法前文」を掲げて世界の経済大国だ!と威張ってきたわが国も、外から見れば立派な?「狂人」の一人だったといえるのじゃないか?

 

世界情勢を見てみると、世界は徐々に「第3次世界大戦」に近づいているような気がする。