軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

危険を回避する努力が不足している!

北海道の知床半島の沖合で遭難した観光船で犠牲になった方々は気の毒でならない。

ややもすると、事故・事件が起きるとメディアは、起きた事故の重大性を強調するあまり、その“現象”を強調するものだが、それでは「真因」は掴めない

航空安全管理隊司令時代、三沢基地から天候偵察に飛びあがったT4が襟裳岬沖に墜落、その事故調査を担当したが、墜落した「状況」から、パイロットの何らかのミス(つまり高度判定を誤った)として一件落着になりかけたことがあった。疑いを持っていた私は空幕長に機体の引き上げを上申したが、周辺は「現場は深海(800M以上)だから無理だろう。それに予算も限れらている」という意見が多かった。しかし、三沢基地から転出“させられた”ばかりの私にとって、二人はかっての部下であるから強力に願い出て、漸く「予算」が付くことになった。「骨を拾う」のは上司としての役目じゃないのか!薄情なものだ!と頭に来たものだ。

そして来日した海外の海底探査グループと調整したが、彼らは状況説明からほぼ真相に迫っていたと思われた。如何に思い込みが危険か!という証拠であり、事実引き上げた機体の状況から、製造メーカーによる「ピトー管(高度の誤指示)」の製作ミスが浮かび上がったのであった。

今回の遊覧船の場合も、人的ミスが噂されていたが、北海道放送が「2016年から5年間、船長だった51歳の男性が運航会社の“実態”」を報道した。

今の運航会社の社長は、船のことも、海のことも知らない」「お金にだらしない人。銀行で金を借りていたけど、去年、おととしくらいから経営が上手くいかずに、常に『お金がない』と話していた」「波があって出航をやめたときも、社長には『何で出さないんだ』と言われていた」「経営は厳しく『「銀行からお金が借りられない』と言っていた」「僕がいる間は、無事故の会社だった」などなど、その他、当該船長も資格上不適だったようで、これでこの会社の安全無視の実態が浮き彫りになった

人間が絡んでいる以上、事故はその関係者の人格、能力などを周知しておかねばならない。この場合は、そんなことを部下に強要していた会社幹部の責任は免れまい。責任が分かっても、死亡した(させられた)乗客は元に戻らないのだから、遺族にとっては怒り心頭だろう。

同じようなことが、1988年7月23日に海上自衛隊潜水艦と遊漁船が衝突した、いわゆる「なだしお事件」でも起きている。この時沈没した遊漁船「第一富士丸」の船舶所有者(北朝鮮がらみだったと言われた)の運航管理が十分でなかったことは、海難審判で証明されている。

しかし役所が審判したにもかかわらず、この手の事故が続くのはどうしてだろう。おそらく時間が過ぎて「過去のもの」となってしまったか、再発防止のための手厳しい処置がとられていないからだと思う。事故調査の目的は「同種事故の再発防止」にあるということが官民ともに忘れられているのだ。

なだしお事件では「指定海難関係人である第一富士丸船舶所有者」が、多数の乗客を乗せる第一富士丸を運航するにあたり「最大とう載人員を超えた釣客を募集し、運航管理規程に準ずるものを作成せず、乗客の安全についてこの種の船舶に不慣れな乗組員に任せるなど運航管理が十分でなかったのが本件発生の原因」だと断定されていたにもかかわらず、第一富士丸が廃船(証拠隠滅?)となり、その後清算会社となった」ため裁判所は会社に勧告してない。だから改善されるはずはなかったのだ。中にはこの船を愛用していたメディア関係者から横やりが入った?ともいわれていて、真相は闇の中だった。

大阪で多くの犠牲者が出たクリニックの火災も、消防法上「適切に指導」していれば、放火されても犠牲者は少なかったことと思われる。

今の「官」「業界」は、関係者は危機管理に無関心で、犠牲者に対する配慮など全くない「無責任者の集まり?」状態と言っても過言ではなかろう。

「君子危うきに近寄らず」という金言は今の日本ではまだ生きている言葉だと言える!

 

ところで、「軍事評論家」ならぬ「UFO評論家?」になりつつある私は、昨年夏にアメリカのケーブルTV「ヒストリーチャンネル」で取材を受けたが、やっと米国で放映された、と動画が送られてきた。元より「英語版」である!

https://youtu.be/DOI2NL-tLn0

 

ウクライナ戦争では、上空をかなりUFOが飛び交っている不思議な現象が報告されている、ともいう。

インターネットから

 

次はご紹介しておいたその当時あきる野市の古民家でサリバン氏が収録した動画である。

東京都から一番近いUFOスポットとは?カフェRISYA - YouTube

コロナ禍も弱まったし、暮れの大掃除中に右足首を骨折した店のマダムも、リハビリが終わり今週からお店を再開したという。UFO談議に花が咲くといいが。ご紹介まで。

 

届いた書籍のご紹介

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「WILL6月号」

ご時世がご時世だから、ウクライナとロシア「特集号」になった感がある。情報としてはTVの速さにはかなわないが、それぞれの”識者”の考え方がよくわかる。

「HANADA6月号」

これもほとんど同じ問題で飾られている。高市氏更迭?とは知らなかった!河合元法務大臣御懺悔録は面白いが、後悔先に立たないことが分かったようだ!

「丸・6月号」

これも「軍事誌」なので、当然ウクライナ問題が特集されている。総合誌とは一味異なっているかからよく吟味あれ。