軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

‟欲しがりません、勝つまでは”の時代は近い!

 今、古着の再活用がはやっているという。私が属する老人クラブでも、御婦人方が積極的に古着を持ち寄り、仕立て替えする教室が盛況である。戦中戦後の苦しい時期を体験した方が多いからだと思ってみていたが、その“精神”とは別に、色々なアイデアを出して、活用することを楽しんでいるようだ。無資源国日本にふさわしい。

  ある時期、不要になったものはすぐ捨てることが“美徳”でもあるかの様に宣伝され、使える物まで捨てることがはやったが、これからはそうはいくまい。

 そんな、資源を無駄にしていた時期があったが、今やマンションでもリニューアル、というより自分の好みに合う形にリノベーションする人が多いという。今までは「売り手市場」であり、金持ちは苦労しないが、そこそこのサラリーマンは欲しいものに手が届かず、無理強いさせられていたというのが真相だったからだろう。中古マンションが売れているという。

 子供のころ両親から「廃物利用」と教えられて育ったからか、なかなか物が捨てられないこともあるが、コロナ禍やウクライナ戦争が報じられている現在、ロシア軍に無残に破壊された建物をみて、物の大切さや、物資不足を予測する向きが出てきたことは不幸中の幸いとでもいえる現象だろう。

 確実に油は不足し、食料も減る。その上わが国では「電力」さえも大きく減るだろうから、終戦直前の「灯火管制事態」が再現するかもしれない。

 戦後生まれの青年たちには初体験になるだろうが、事業主には堪ったものじゃなかろう・・・

 その事業でも、ウクライナ戦争を見ているとなんとも“無駄な!”と思わされることが多々ある。焼け焦げ破壊された乗用車の群れである。タンクや軍用車はいいとしても、“平和的活動向け”に作られた車であるからなんとも痛ましい。   人類の、と言っても一部の政治屋どもの行為が、地球資源の無駄遣いを推進しているのだ。彼らにとっては何ということはないだろうが、庶民にとっては「宝物」であったはずだ。  そんな「破壊」の現状をTVで延々と見せられると、気分が落ち込む。

 

 乗り物は、単なる「移動手段」に過ぎないが、一時期「ステータスシンボル化」して、金持ちが競って「外車」を購入した。常時高速道を利用するならいざ知らず、速度制限がある国内一般道を利用するのだったら、時速150㎞以上の馬力がある車は不要だ。緊急時に危険を回避できる余力があればいいだろう。

 そんな高性能の車を市場に‟放出”するものだから、愚かな若者たちが一般道でサーキットするし、高速道を自分勝手に走り回る。青年の“犯罪に手を貸している”様なものだ。お蔭で取り締まる警察官は大迷惑だろう。本来の任務と少しづれた仕事だろうから。

 私は、平成2年に発売された日産のSのGTSを愛用しているが、完成された車体だけあって、何の不都合も感じない。スタイルは家内が気に入ったものだから想い出も籠っているし殆ど故障しない。勿論古くなった部品は車検で交換する。既に使用33年以上になり「クラシック界入り?」寸前だが全く不都合を感じない。車も「リ・ユース」現象がはやるのじゃないか?

 マイナビニュースによると、「新車の機能・スペックに関する後悔調査」を実施した結果、「約6割が、新車への『乗り換え』ではなく愛車を「進化」させ長く乗り続けたい。理由は、「コストを抑えられそう」「愛車を⻑く大切に使う方がサステナブル」だからだ、という結果が出たという。

 高齢者にとっては、日進月歩で進化する新器材が搭載された車に感覚と動作がついていけないから、事故に遭うのかもしれない。おまけに「身体は劣化?」しているのだから。

 その辺を考えずに、ただ免許返納を要請するだけでは、根本的な交通安全は望めないだろうと思う。

 後悔調査で「乗り換え」より、長く乗り続けたいという願望の中には、高齢者予備軍が含まれているのではないか?

 新しい時代の「恩恵」にたっぷりと浸っている現代人は、これから少し「ダウンサイジング」を心がけたほうがいいと思う。

 

 ある経済人が【金融防衛に入れ】として次のようにダウングレードを推奨していた。

「(前略)普通の人は生活の質を上げることは考えるのだが、下げることは考えない。悪い時代がきても、苦境に落ちても、自分は何とかなると思い、金融防衛よりも今の生活を維持しようとしたり、もっと質を上げようともがく

 自分の生活の質を落とすというのは非常につらいことである。今までよりも金が使えなくなり、生活のあらゆる面で節約と我慢が必要になる。ダウングレードは精神的にも大きなストレスを発生させる。

 良いモノを買っていた人が安物にダウングレードすると、その安っぽさに気が滅入る。良い服が着られなくなり、良い品物が持てなくなり、豪華な食事も食べられなくなると、そのひとつひとつが自分を苦痛にさせる。

 だから、誰もがダウングレードしなくてもいいように、激しく金を追い求めてアップグレードに必死になる。しかし、金融防衛が必要な時代は、それが苦難の道となる。社会情勢が悪い時、すなわち環境が圧倒的に不利な時は、攻撃よりも防衛に回った方がいい。」そして「今年の課題は金融防衛ができるかできないか」であるという。

 これは金もうけの話だから、金融に関して素人の私は言うことはないが、原油高、物不足、流通網悪化という国際情勢の混乱と、国内情勢の「相次ぐ値上げ」という経済不況のダブルパンチを見ていると、一般国民にも、生活を切り詰めるいわゆるダウングレード、ダウンサイジングが必須になると思われる。ない袖は振れないのだから。

「欲しがりません」の時代はそこまで近づいている。ベンツをいきなり軽に乗り換えるのは困難だろうが、下手すると、「貧乏人は軽に乗れ!」という時代が来るのかもしれない?・・・

 

届いた書籍のご紹介

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祈りが護る国アラヒトガミの願いはひとつ:保江邦夫著・明窓出版¥1800+税

不思議なことだが、世界中に猛威を振るった「新型コロナ」の我が国における感染患者数の増加は緩やかだっただけでなく、死亡者数に至っては例年の冬に見られる現象よりも肺炎による死亡者数よりも少なかった」

京大の山中教授はその根底に潜む要因は「ファクターX」と呼んだ。その「ファクターX」とは何か?について保江先生はいろいろ思索している。

この際、祈りとは何か?日本人は謙虚に学ぶべき時だろうと思う。私は「古代の宇宙人」(ヒストリー・チャンネル)で日々考えさせられている。

 

WILL7月号別冊

ウクライナ戦争まるわかり」と副題にあるとおり、ウクライナ戦争特集号である。

わが国の安全保障について疑義を唱える論文が多く出てきたことは評価すべきだが、のど元過ぎればなんとやら、そうなって終わる様な気がする。今までがそうだったから…