軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

米台関係を案じるより、自国の安全確保を最優先せよ

ペロシ米下院議長(82)が、25年ぶりに台湾を訪問した。私と同世代のご高齢な女性だが、国際関係を左右しかねない活動をしているのだから驚く。

 

© 時事通信 提供 2日、台北松山空港に到着したペロシ米下院議長(中央)=台湾外交部(外務省)提供(EPA時事)

 

時事通信によると、【ペロシ氏は台北市にある松山空港到着後に声明を発表し、「今回の訪台は台湾の民主主義を支援するという米国の関与を示すものだ」と表明。「世界が専制主義と民主主義の選択に直面する中、米台の結束はかつてないほど重要だ」とも述べ、米国の台湾政策に変更はないと強調した】。

中国外務省はペロシ氏の台湾到着直後、【「断固反対で厳しく非難する。米側に厳正に申し入れ、強く抗議した」とする声明を発表。国防省も報道官談話を出し、「非常に危険な行為で必ず重大な結果を引き起こす中国軍は軍事行動を展開して抵抗する」と反発した。新華社通信によると、中国軍は4~7日に台湾を取り囲む6カ所の海空域で軍事演習や実弾射撃を行う】とあり、米中が対立することは必至だろう、とメディアは予測している。

時事通信は【ペロシ氏は米議員団を率いてインド太平洋地域を歴訪中。台湾総統府は「堅固で重要な国際的友人」とペロシ氏を歓迎した。蔡英文総統とペロシ氏は3日午前に会談し、米台の協力や共通の懸念事項について意見交換する】と言い、【台北松山空港付近で着陸態勢に入るペロシ米下院議長の搭乗機】と日本の通信社らしく、「軍用機」とは書かなかったが、国際関係は“軍事力”が支えていることを痛感する。日本人は国際関係までも「商用主義」で見ていることの表れだろう。

さて、「抑止(こけおどし?)」が利かなかった中国はどうするか?指をくわえて眺めているだけだろうか?まさか張子の虎じゃあるまいに。

バイデン大統領も80過ぎのご老人だが、強大な軍事力を背景に、アルカイダの首謀者を殺害したり、ウクライナに強力な武器支援を続行したりと、このところ忙しそうだ。

そんな中、アジアの大国である?日本は、NPT会議に出席して、空論を述べて満足?しているが、肝心かなめの「戦後政治の総決算」はどうなった。

安倍前総理殺害事件はメディアが騒いだことよりも、現代保守政権に潜んでいる「闇」を浮き彫りにしたが、特に政治家は逃げるのに懸命で、真剣に取り組もうとしていないようだ。叩けば限りなく‟埃”が出るからだろう

先月26日の会見で、「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)との関係を認めた岸信夫防衛相は、「付き合いもあり、選挙の際もお手伝いをいただいている。電話作戦など、ボランティアでお手伝いをいただいたケースはあると思う」などと説明したあと悪びれる様子もなく今後の教団との関わりについて「軽々に答えることはできない」と答えていた。あるジャーナリストは【実兄である安倍晋三元首相が凶弾に倒れた背景には、山上徹也容疑者が統一教会に深い恨みを抱き、その教会の広告塔を安倍氏が務めていたことがあったーーとされているのだから、少なくとも統一教会との関係の見直しに踏み込むのは当然ではないか。

しかも岸氏は今、防衛相という日本の国防を担う大臣だ。「電話作戦やボランティアで手伝ってもらっていた」という統一教会関係者から、米国や韓国などの他国に情報が漏れている可能性だって否定できない。「昔からの付き合いがあるから……」で済む話ではないだろう。】と書いているが、軍事ジャーナリストの世良光弘氏が言うように、「国会議員や大臣に清廉さが求められるのは言うまでもありませんが、とりわけ、国防や警察などを担う大臣は厳格であるべきでしょう。他国に国防などの機密情報がダダ漏れするかもしれないからです。岸防衛相の発言を聞くと、今回の事件の重大性について認識が甘い気がします。ロシアのウクライナ侵攻やアジア情勢が緊迫しつつある中、こういう“軽い”防衛相で大丈夫なのか】とOBである私さえも心配になる。

 

私のころにも、防衛政務次官創価学会を母体にする公明党の時もあった。首相の国防に関わる人物選定と「国家機密」に対する考えの欠如に驚いたものだ。自衛官には秘密厳守義務が厳しいのに…

 

TBS NEWS DIGによれば、「宗教団体の政治への関与」について公明党の山口代表は「民主主義の望ましい姿」であると語ったという。(2022/08/02)

【政治と宗教をめぐっては、霊感商法などで社会問題化した旧統一教会と政治の繋がりが問題視されていますが、山口代表は「政治と宗教一般のことにいたずらに広げるべきではない」と話した上で、「社会的に問題を抱えたりトラブルも多いような団体については政治家の側が選挙支援を求めたり、国民に誤解を招くような振る舞いは控えるべきだ」との考えを示しています。

一連の発言は公明党と支持母体である創価学会との関係が、旧統一教会をめぐる問題と同一視されることへの懸念と見られます」とTBSはいうが、果たしてそれだけか?創価学会にはトラブルはないのか?

統一教会への世間の関心が高まるのと同時に、政治との繋がりも徐々に明らかになってきた。

 

自民党細田博之衆議院議長(78)、岸信夫防衛大臣(63)、稲田朋美防衛大臣(63)も、2010年に統一教会の関連団体「世界平和女性連合」のイベントに参加していたことを認めた。「世界平和女性連合」は1992年に文鮮明氏と韓鶴子氏によって創設された団体だ。

創価学会もそれに似た組織ではないか?公明党なんぞ「政教分離を示した憲法」に違反した存在じゃないか。

細田衆議院議長統一教会の友好団体との関係について『コメントできない』と各メディアに返答。岸防衛大臣も『選挙だから支援者を多く集めることは必要なことだと思っている』と、統一教会との繋がりを見直す素振りは見せていませんでした」(前出・政治部記者)

稲田氏は本誌の取材に対し、参加の経緯について「12年ほど前のことなので経緯は不明」と回答。平井議員も「世界平和と日韓友好を目的とする自転車イベントだと認識しており、県や市町も後援しているので、地元の議員として名誉職的な意味合いで実行委員長を引き受けた」と回答していた。

二之湯国家公安相といい、国家の屋台骨を預かるポストにつく人物が、この程度の‟代物”だとは開いた口が塞がらない。

今「憲法改正議論」が増えてきているが、こんな人物らが防衛や治安に携わるのかと考えれば、ジャーナリストの世良光弘氏が言うように他国(それもほとんど特亜諸国)に国防などの機密情報がダダ漏れする。いや今まで“駄々洩れ”していたから、これらの国は全く日本政府の言うことを聞かなかったのだ。その結果、前線で戦う自衛官の命が失われることにつながるのだ。これじゃ「外交以前」の問題じゃないか。

命をかけた安倍前総理の遺志に報いるためにもこの際徹底的に政治と“似非”宗教集団とのかかわり問題を解決しなければならない自民党の運命もそれにかかっていることを知ってほしいと思うが・・・無理だろうな~