軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

ウクライナ戦争の先は見えている!

「軍事評論家」と名乗っている以上、軍事関連の記事を期待しておられる方が多いのは当然だろう。しかし私としては、ウクライナ戦争に意見を言う立場にはないから、「静観」しているだけである。

だがこの戦争が、ロシアのプーチンの誤った判断で始まったことは事実であり、しかも「予想以上に」ロシア軍が弱体だったことを世界中に公表してしまったのだから、今更プーチンが何とか“弁解”しようとしても、情勢は変わるまい。

 

私は幹部学校卒業直後の3空佐時代に外務省国連局軍縮室(当時)に出向させられ、途方にくれたことがあった。戦闘機部隊の隊長こそがパイロットの“華”であり、外交などに興味はなかったからである。しかし、外務省に出てみて驚いた。

ここは全く「軍事無視?」の組織で、関心はあるものの実体験ができぬまま、あたら優秀な頭脳を損耗?させられている外交官が多かったからである。

「外交と軍事は車輪の両輪」だと固く信じてきていた私としては、車輪の一つは右に回り、方やもう一方は左に回るばかりで、全く前進しようとしない「国家組織」の有様に驚いたのである。もちろん「防衛庁」もそれに類した組織であることがよく分かった。

しかし“派遣?”された以上、己の信念を貫く以外にはない。礼を失しない範囲で、上司には直言した。その後国連局長からは機会あるごとに部屋に呼ばれて「進言」することがあったが、彼らは旧軍時代の「幹部候補生」であったり、旧陸士の未卒業生であった。

時には事務次官から呼ばれたこともあったが、こんなことは「役所」では珍しいものだったようだが、外務省はその点で「さばけて」いたように思う。

防衛庁でも「区別することなく」進言した。ファントム問題で行き詰っている国会担当の「防衛課長」に呼ばれてファンとム機の特性について深夜まで解説したこともあった。しかしこんなことは当時の防衛庁としては例外だったろう。

一般的に「制服組」は“従順”であり、口答えするはずはなかったからである。その点では「栗栖弘臣」統幕議長は例外だと言えた。バ◎の一つ覚えのようにメディアが「シビリアン・コントロール違反だ!」叫び、同調する野党(夜盗)が制服を国会で個人攻撃させて「首を取る」のが実態だったから、「モノ言えば唇寒し…」の状態が続いていたからである。

しかし、栗栖陸将は物怖じすることなく、堂々と新聞に対しても意見を述べたから尊敬していた。

これでなけりゃ部下はついてこない。部下は「上司を見抜く」ことは得意であり、すぐ人柄まで見抜く。つまり「この上司についていっても大丈夫だろうか?」という「生き残り」本能に近いものである。

まだ“自衛隊”は本格的戦闘場面に遭遇していないが、それでも災害派遣や3・11などの実行動で、素早く見抜いているのである。「馬鹿な将軍敵より怖い」というのは旧軍時代からの“実話”である。

この体験から今のロシア軍の内部事情を推察してみると、プーチン「お山の大将」であり、「裸の大様」に過ぎないことがよく分かる。世界は意図的な報道?に騙されているのである。

 

外務省時代、私は旧軍人で構成された「調査部」で、中佐クラスで”転換”して勤務しておられた方々から、当時のソ連の実態についてよく講義を受けたものだ。それは私がSALT(米ソ間の戦略兵器制限交渉)を担当していたからでもあった。(その一部は「国際軍事関係論(かや書房)」に書いておいた)

そしてやがてソ連は解体し、今のロシアに編成替え?されたが、中でも優秀で近代的だったウクライナなどがソ連から脱退したことからもわかるように、独立国家共同体(CIS)という多国間組織では、本来のバルト3国や旧ワルシャワ条約機構のほとんどがUSSRから脱落、脱出?してNATOに加盟したから「骨粗しょう症」が起きていた。ウクライナもこれらの国と同調する決意を示していたのであるから、ウクライナ戦争は起こるべくして起きたのだといえる。

当時の旧軍人たちで構成された「調査部」は旧満州時代からの延々たる情報を蓄積していたから、3佐の私には宝の山だった。しかも幹部学校出たてだったから知識欲旺盛であった。

その後、ソ連同様、わが‟お役所”も世代交代が進んでいて、ほとんどが「軍事抜き判断」にさらされるようになった。

今の「政府」が弱体なのはそんな経緯もあると思っている。何のことはない、プーチンも同じ‟悩み”を抱えているのであろう。

 

おそらくウクライナから反撃されて“焦っている”であろうプーチンは、第二のチュルノブイリ事故を演出して、世界に“恐怖を与えよう”とするだろうが、自らもその被害に遭うことは“想定外”なのだろう。

とにかく、今の戦況を見ていると、ウクライナに供給されいている「欧米諸国」からの小型最新兵器の威力を無視してはなるまい。

大陸国家は陸軍=「戦車戦」にこだわり続け、改革は非常に遅れやすい。それは指揮者の頭が古いからだ。この戦場では、欧米側は、相当な戦訓を得ているに違いない。もちろん我が国も同じ大陸国家である中共軍の装備と戦法に注目しておく必要がある。

 

今日は「ハプニングの旅」以降、多く寄せられている読者からのコメントを読んでいて、少しそれにお答えしようかと思ったが、またの機会にしておこう。

ただし、私は平成24年4月に、「不思議な現象」を取りまとめた本を出版しているのでご紹介しておきたい。哲学的ではないが、現役時代に「体験した」「超科学現象」の集大成である。(続編は今のところ考えていない(笑い)

 

(帯の内容)