軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「金で解決できるなら安いもの」??

体育の秋、行楽の秋…だというのに、このところ連日の雨空にうんざりしている。体育や行楽などよりも、私にとっては庭の草刈りや清掃もままならない。

そこで、“老人ホーム”並みに、一日中テレビを見る羽目になるのだが、今日のニュースは面白かった。

まず、昨日発令された「J・アラート」にミスがあって、無関係な地域にも警報が出され、住民が戸惑ったそうだが、原因は役所のミスで、以前の演習?時の記録が消去されていなかったらしい。これじゃ「オオカミ少年」を国が育成しているようなものだ。

北朝鮮は、日本の役所はだらしないな~とほくそ笑んだことだろう。首領様が大笑いする姿が浮かんでくる。

わが国会議員らは、通報が遅すぎる、などと騒いだらしいが、「通報が間に合っていたら」どうする気だろう?

岸田総理のように「厳重に抗議する」のだろうか? で、抗議された北朝鮮はどうするのだろう?「了解しました!次はもっと迅速に発射します」とでもいう気だろうか?

 

あほらしくなってその後はユウチュウブで、ジャズや「コーリングユウ」などに聞き入ったが、午後コーヒーをたしなんだ後再びテレビをつけたら、何とか「代行業」の話をしていたのでこれまた驚いた。

「代行」と言えば、我々がなじみなのは「運転代行」で、車で飲みに出かけた後、飲酒して帰宅はできないから、車の運転を業者に「代行」してもらう、というものだった。

しかし、話を聞いてみると今わが国には何の「代行業」でもあると言い、便利しているという。その一つに「PTA代行業」というものがあるそうで、文字通り「PTA」の役員?などの仕事を代行するのだというから驚いた。

PTAとは、戦後占領軍から押しつけられて誕生した活動で、各学校で組織された保護者と教職員(児童を含まない)による社会教育関係団体である。

それがその学校や保護者とは無関係な‟企業”によって「代行される」というのだから理解不能である。

学校や保護者が、それぞれ関係する大人たちの行動をそこまで束縛していて、当事者たちが「金で解決できることならば」と「業者」に委託していて、それで本当に成果が上がるのだろうか?これはここまで「放置してきた」文科省、もちろん政府の怠慢ではないのか

憲法同様、戦後占領軍からあたえられた仕事であるはずだ。時代はめまぐるしく動いている。再検討して規模を縮小するか、あるいは廃止できないものか?

こんなことだから、子供たちの教育にも“隙間”ができて指導がおろそかになるような気がしてならない

 

私が子育て中であった頃のPTAは、先生と父兄が‟親密になる”お茶の会が主で、家内が辟易していたことを思い出す。私もそうだったが、父親が会合に顔を出すことはまれで、ほとんど母親に任せっきりだったから、奇妙な関係も生じることがあったらしく、都心部で問題になったこともあった。

「金で解決できるなら安いもの」となり、PTAだけではなく、警察も、防衛業務も「代行業」に依存することになりはしないか?

事実、自衛隊では、人手不足で、給食、警備など、「軍事に無関係?」な部署が、どんどん「民営化され」たことがあったが、「警備」などは、自衛隊の重要な任務だと反対してみたものの、背に腹は代えられず、どんどん「代行業務業者」に進出されたが、そのうちに「警察」も「防衛」も”民間”防衛業者にとって代わられるのじゃないか?と思う。

 

北朝鮮のミサイル発射ごときで、「天下の大臣様方が」右往左往する様は、あまり格好がいいものじゃないと言っておきたい。ご本人らは「仕事をしていると勘違いしているようだが、まるで北朝鮮ミサイルテストの「測定代行業」ででもあるかのように、丁寧な図表付きでわが大臣様が「ご報告」して差し上げるのはいかがかと思うのだが。

かの国は、当然測定しているはずだから、彼らに任せておけばいいじゃないか!。それこそ‟茶番”のように思えるのだが。

 

ところでウクライナ戦争の行方はがぜん面白く?なってきた。攻め込んだプーチンさんが、予定になかった反撃をウクライナ軍から受けて、ロシア国民を「動員」してみたものの、なんと!忠実なはずのロシア国民がどんどん国外に逃げ出している。焦ったプーチン氏は、指揮が悪い、と言いがかりをつけて指揮官たちをどんどん「更迭」しているから、ロシア軍の指揮統制組織は、今どうなっているのか不明である。相当弱体化していることだろう。元気なのはお一人だけか?

1905年6~7月にロシア黒海艦隊の戦艦「ポチョムキン号」で起きた、水兵達の反乱を思い出す。やはりこの国の反乱の歴史は何度も繰り返すのだな~と改めて考えさせられる。

しかしP氏も人の親、最終兵器に手をかけることはあるまい…と世界は思っているだろうが、彼自身の“健康状態”(精神面を含めて)が不明なのだから、何の手立ても持たないわが日本国民は、北朝鮮のミサイルの飛翔距離測定よりも、その方の危険に十分気を付けておく必要があるだろう。

この戦争が始まって以降、情報が混乱していて、何一つ正確なものはなかった。

振り返ってみれば武漢肺炎もそうだった。軍事学の基本から離れた対応ばかりしていると、「金で解決できるなら安いもの」だという考えがのさばり、誰かがやってくれるだろう、という依頼心ばかりがはびこる国になることを恐れる