軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

”放置国家”極まれり!!

ポーランド領域内に、ミサイル?が落下した問題で、NATOは緊張しているが、ウクライナのゼレンスキー大統領は、「ウクライナが発射した対空防衛用のミサイルが落下したのであれば謝罪する」と発言した。まだ”良識”が残っている。

戦場では「誤爆」や「友軍の同士討ち」はつきものであり、沖縄戦特攻機に攻撃された米海軍が、恐怖に駆られて全方位に発射し、友軍を誤射し甚大な被害を出したことは有名である。

 

今回のウクライナ戦争は、ロシアが引き起こしたものであり、ロシアが先に否定したということはロシアのミサイルに対してウクライナ軍が相当な反撃をしているという証拠でもあろう。いずれにせよ、戦争を引き起こし、ミサイルをぶっぱなし、ウクライナを一方的に攻撃している”良識がない”側の弁解することではない。

NATOの正式な加盟国ではないウクライナが、現地調査に参加することは困難だろうが、ゼレンスキー大統領の発言は、好感をもって受け取られたに違いない。

戦争には「過誤が付き物」であり、「過誤の少ない方が勝つ」ともいわれているが、いずれにせよ犠牲になる国民は堪ったものではない。どんな理由だったからにせよ、拳を振り上げて侵攻した側の「指揮官」はそろそろ身を引くべき時期に来ているのではないか?

しかし国内政治の方は、国際政治に周回遅れの有様で、よくこんな国が国際的お付き合いをいただいているものだ!と感心する。

総理が指名した閣僚たちの行いは、あまりにも情けなく、有権者もそろそろさじを投げかけている様に見える。それほど政府内に「有資格者」がいないのか、それとも総理自身に「聞く耳はついている」ものの、「人を見る目」が付いていないのか、のどちらかだろう。

更迭までに大いにてこづった山際氏初め、更迭された葉梨大臣、それにのらりくらりと逃げ回る寺田大臣初め、なんともこの程度の人物しか与党内には存在しないのか!と落胆を禁じ得ない。

そのうえ、そんな「亡骸?」的人物に寄ってたかって‟取材する”報道陣のみっともなさ、仕事だからとはいえいい大人たちがやるものじゃない。…見苦しい。

自民党くっついて離れない与党も「前に進もう!」などという“ずれた標語”を市内各所に掲げて恥じない。

尖閣、台湾を狙っている中共は、「○○の一つ覚えのように」「核心的利益」という語を持ち出して、台湾は自分のものだと力説する。

確かにこう見てくると、国内政治も、国際政治も大した差異はないが、やはり血の流れる(多分?)人間だからだろう。

こうして「歴史」は作られていくのだ、ということがよくわかる。

 

しかしながら、日本国民としては「おめおめと」敵の不都合な進出を許し、国家としての体をなしていない様には苦言を呈しておきたい。

 

中共の滲出については、「週刊誌ウォッチング」を見るがよい。ミサイルよりも「効果的」に散布されている様がよくわかる。

 

何度も書いたが、私が国防講座で講演をしていた頃は「お人好し日本人よ、早く目を覚ませ!!」と叱咤してきたものだが、効果はなかったようだ。

12日の産経抄氏は「迷夢から覚めていない」と次のように書いている。

 

拉致被害者の御家族と同様、防空作戦に体を張って飛び続けてきた‟老兵”も、老い先は短くなってきた。

やはりこの国は法治国家」ならぬ「放置国家」だったのか! 実に嘆かわしい!!