軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「戦わずして“勝つ”国か、それとも武力で制圧しに来る国か?」

このブログの副タイトルには「軍事を語らずして日本を語る勿れ」と書いてある。

このところ、防衛費二倍増問題で、紙面に「防衛問題」が現れない日はない。

昨日の産経トップにも「同盟国攻撃に反撃能力」「存立危機認定で可能」というタイトルが躍っている。真っ当な保守派にとっては喜ばしいことだろうが、防衛大学校入校以来4年間、航空自衛隊に入隊して一年の幹部候補生課程など、徹底して軍事行動を基盤として叩きあげられてきた一老兵から見ると、やはり70年以上も軍事問題から遠ざかってきた“憲法違反ではない”日本人の方の慌て方の方が大きいように思える。

あまりにも長い間「軍事=悪」と教育されてきた成果?なのだろう。

かっての大戦で、どさくさにまぎれて、完全に“敗戦国”であったシナと、非交戦国であった“ロシア”が「戦勝国の仲間入り」して日本に悪態をつき始めてから、その傾向はどんどん強くなって、半島国さえもかっての“宗主国”に対して悪態をつくほど嫌がらせするので、“戦後の日本人”は徹底して「敗戦国民」だと自覚してしまった。

おそらくこの70年余に築かれた「敗戦意識」は拭い去ることはできまい。

多分、いい子で育った政府高官たちの間には、「戦争ごっこ」さえ知らない「優等生」ばかりだろうし、その結果、事あれば他人(部下)たちのせいにして生き延びようとする見苦しい「優等生」が多く育ってしまった。その根幹には「武士の魂」が抜け去ったからである。

何度も書いたが今や「士農工商」は死語で、「商農工(3っつ飛んで)士」と入れ替わったのである。

そんな中、今朝の産経抄氏は次のように、山県有朋元首相の「一回の武弁」という語を紹介し、同じ長州出身の井上馨外相の死に和歌で嘆いたことを紹介し、菅元首相が安倍元首相の葬儀で、この句を引用したことを挙げていたことを書いていたが、奥歯に挟まったかのように「武士の魂」にはことさら?触れなかった。

しかし私の友人は、安倍元首相と対立していた民主党の野田元首相の追悼演説に、「日本人の心に刻み込まれている武士道精神」を感じたという。

つまり武士道には「義~正しさ」「勇~勇敢さ」「仁~情け深さ」「礼~礼儀正しさ」「誠~誠実さ」「名誉~個人の誇り」「忠義~主君への忠誠」があり、新渡戸稲造は【・・・今や他の国では忠義が忘れ去られていたり、他のいかなる国も到達できなかった高さまで日本人が発達させたからである」と書いていることを例に挙げ、「日本人が日本人らしく生き死ぬためには、今一度【武士道精神】を呼び覚まし自身の人生を清々しい心で満たすことが出来れば、日本人として生まれた意味があったと言えるのではないか」と書いた。

ウクライナ戦争で判明したのは、共産主義専制主義国には「徳」が失われ、まるで悪魔のように謀略と殺戮が平然と行われているが、この【「徳」が失われた世界に見る危険な「超限戦」と「武力行使」による「覇権獲得行為」こそこれからの戦争の主流になるのではないのか?

 

先月、正論欄に小堀教授はこう書いている。

反撃能力の整備だの、海上保安庁自衛隊が“統制”するだの、会場警備隊創設時から検討されてきたものであるにもかかわらず、今頃改まって国民の目に提示することなどは、二番煎じも甚だしい。

武器をそろえ、装備を近代化することは必然だが、憲法に縛られて“身体不具合な組織”の改善こそ急務であろう。

 

古来から、「戦わずして勝つ!」がかの国のモットーである。彼らにとって一番やりたくないことが「戦争」なのだ。理由は簡単「稼いだ財産が失われる」からだ。

そしてすでに超限戦の前哨戦は「台湾の総選挙」で示されている。

 

シナの「超限戦」、ロシアの「こけおどし作戦」に一喜一憂するよりも、小堀教授が危惧する、領土欲に狂った両国が、【自国の利権が伏在するとの口実を以て「住民投票」で地権の帰属先を決めようと言ひ出す日がやがて来るのではないか】」という侵略作戦の恐れを十分検討すべきだろう。

その時かの国は、かって日清戦争でやったように「軍事力をひけらかす」から、それに対応できる装備は備えておく必要があるが、張子の虎ごときに、一喜一憂している場合じゃなかろう。

要は、今まで「太平の夢」をむさぼり、何ら備えをしてこなかった「アリとキリギリス」「ウサギと亀」のおとぎ話の解消を、今まで怠惰だった日本政府が反省して直ちに早めることだろう。

自衛隊は、半世紀以上のも間、「憲法違反」を叫ぶ左翼活動家、教育関係者らの罵詈雑言など、どんな逆境にも耐えてきた。しかし、耐えられないのは、五輪を餌に太った企業や、「追剥宗教?」に協力を依頼した「太った」政治家ら、の方だろう。

 

どこか彼らの視点は狂っている!しっかりせい!!武士の末裔?よ。