軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

中国の気球撃墜、細菌戦の準備では?

中国が、スクールバス3台ほどの大きさの「気球」を作って米国領空に侵入させた。読売はこう伝えている。

【ワシントン=蒔田一彦】米国は、大西洋上で4日に撃墜した中国の偵察用気球について、中国軍の指揮下にある「気球部隊」の活動の一環だとみている。撃墜した気球の搭載機器などを回収・分析し、実態解明を図る考えだ。ただ、気球が米本土を横断するまで撃墜を見送ったバイデン政権の対応には、国内で批判が上がっている。

 「この偵察用気球は意図的に米国とカナダを横断した。軍事拠点を監視しようとしていたと確信している」。米国防総省高官は撃墜後、記者団に対し、こう説明した。中国側は、気球が気象観測などを目的とした民間のもので、偏西風によって航路を外れ、米国の上空に入ったと主張したが、高官は「ウソだ」と言い切った。

中国外務省は5日に声明を発表し、「気球は民間のもので、不可抗力で米国に入った」と改めて主張した。「中国は関連企業の正当な権益を断固守り、同時に必要な措置をさらに講じる権利がある」とも述べ、必要に応じて対抗措置も辞さない姿勢を示した。】というが、中国が反応したということは、自ら認めたことになるが、あの共産主義独裁国が「関連企業=民間産業」のものだ、とはちゃんちゃらおかしい。すべてが共産党独裁国だから、体裁上西側と同じような「企業体」と称していても、すべて一党独裁国家の“国営”企業体なのだ。人工衛星よりもはるかに安く、情報を取りやすい「気球」を製造させていたのだろうが、それが“誤って?”米国内に侵入したのだから、その“社長さん”は首だろう!アメリカに亡命するかもしれない(笑い)

これが日本上空だったら、どうしていただろうと興味がある。

松島基地司令時代に、これと同様な事案があったが、県警に協力して落下した風船もどきを捕獲させたものの、「多分北朝鮮製だろう」程度で終わったことがあった。

空中を飛行するパイロットはこの種の「白や黒」などの球体をよく目撃していて、追跡したもののほとんど逃げられた。講談社から上梓した「UFO」にも書いているが、この手の“不審物”にはほとんど関心がないのが我政府の姿勢だ。宣伝ビラ…程度の物体が搭載されていたから無難だったものの、これが「サリン」や「病原菌」だったとしたら「オウム事件」の再現である

もし今回米空軍が撃墜したバルーンに、その痕跡でもあったら、第2、第3の「コロナ事件」になり、米中紛争は必至になる。バルーンは「武漢研究所製」じゃないか?(笑い)

サウスカロライナ州沖の上空を漂う気球の残骸。戦闘機と飛行機雲も確認された=4日、AP© 読売新聞

今朝の産経抄氏はこう書いた。

風船爆弾」は偏西風を利用した攻撃手段だったが、素より成果はあまり上がらなかった。しかし、心理的には米国民に甚大な影響を与えたこの作戦がいつの間にか中止されたのは、時の大本営が「米側に細菌爆弾と誤解され」国際的に非難を浴びることをることを恐れたからだったという説がある。

勘ぐれば、今回米側がこの巨大風船を米本土上空で撃墜しなかったのは、細菌兵器を搭載している恐れがあるとして洋上に出るまで待ったのは「地上での被害軽減」を図ったからかもしれない。

友人の一人は【中共は現在も進行中の世界的なコロナウィルス大感染の原発地だ。米国民は中共の得体の知れない風船を細菌爆弾と短絡する可能性があるから今後の米中関係は冷え切るだろう】と予測している。

旧日本軍の「戦史」に学んで作戦行動をとりつつあるとされる中共軍としては、読みが浅かったとしか言えまい。

そんな中、我がメディアは詐欺と強盗殺人事件でフィリピンに潜伏していた”日本人悪党ら”の報道で大騒動、そのうえ“鬼の首を取ったかのように”岸田内閣の秘書官の「不規則発言」でてんやわんやである。

 

この事案は、いつものような「マッチポンプ」事案で、私の現役時代に良く体験したものだが、オフレコ前提の記者との懇談の場での発言を「特ダネ欲しさか、社長賞欲しさの記者」が掟を破って公表したものであり、記者の方がルール違反なのだが、それはどこのメディアも仲間らしく問題にしていない。

同性婚というマイナーな人たちに関する「意見、または感想」で、寄ってたかって自ら「言論の自由を破壊している」のが今のメディア関係者だろう。

この事案は、やがてブーメランのようにメディア自身に戻ってくると思われる。政府関係者は、今後記者を相手に誰も本音の話をしなくなるだろうからいつもの「フェイクニュースづくり」に戻るほかあるまい。

オフレコ懇談をリークするメディアにモラルはないというべきである。