軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「足元がぐらつき始めたプーチン体制」

プーチンの独裁体制下にあるロシアは、内部分裂以外には、おいそれとは崩壊しないと言われている。それはロシア(P氏)に都合のいい情報しか国民に流さず、反対する者は厳しく拘束されてきたからである。しかし、ここにきて「一枚岩」と目されていたその体制に奇妙な現象が起き始めたようだ。

5月24日の産経新聞はこう伝えた。

すでにロシア軍(正規軍と言っても似たようなものだが)に代わって?暴虐の限りを尽くしていたロシアの傭兵部隊「ワグネル」が6月1日からウクライナの戦線から離れることになっている。創設者のプリゴジンウクライナ軍の反転攻勢を前にして部隊の壊滅を避けようとし、5月21日に離脱を明らかにしている。

ロシア政府が“弾薬を補充してくれない”という理由が報じられていたが、よほど「割に合わない“報酬”」だったようで、儲けがないからさっさと引き上げるのだろうが、もともとこの”会社”は「多国籍犯罪組織」であるから割に合わないお抱え主とはいつまでも取引しないということだろう。

働く場所はどこにでもある。次はアフリカの紛争地帯で稼ぐのだろう。それもプーチン氏から贈られてきた「武器弾薬」を使って。

しかし、報じられている「ロシア人義勇兵」という組織がいかなるものであるか、「プーチン政権を打倒し、略奪、性犯罪に嫌気がさした“有志”の集まり」だとしたら、選挙で政権を交代することが出来ない国であるから、なんとなく納得できる。国民の我慢も限界に達したということか。

勿論ウクライナ側は、彼らとの交流は否定しているが、これから反転攻勢に移るのだから、利用しない手はあるまい。

複雑になってきたが、P氏としては大いに気がかりではあろう。そこで『盟友』のベラルーシに核を配備させ、ウクライナはもとよりNATOをけん制し始めた。

 

教養のある紳士の集まりとは思えない国のやることだから、世界は恐れてウクライナ支援から手を引こうとするかもしれない。それがP氏の目論見なのだが、果たしてどうなるか?

 

それにしても「欧州情勢は複雑怪奇」と言って政権から降りた平沼騏一郎首相の気持ちが理解できようというもの。

しかし、今や「欧州情勢」のみならず、世界中の政治は混とんとしていて、特に米国政治の混乱は憂慮に絶えない

核の傘」を信頼して、世界の警察官・米国を信じ切ってきた日本国民は、自らの国は自ら守る、という当たり前の常識を再確認する必要があろう。

このような「主権国家として当たり前の声」に耳を傾ける人はまだまだ少ないことは「ウクライナ戦争」を目の当たりにしても、さほど増えたということもない。

その証拠に、改憲への情熱は一向に高まらないではないか。

しかし朗報?もある。今回突然起きた自民・公明の一部分裂騒ぎは、天からの啓示ではないか?と思わされる。

統一教会問題で、より悪質は創価学会との問題も当然公になり、自民党政治の足元がぐらつかないように改革されるのか?と期待されたものの、うやむやになり、「あれはテロだ!」とか、「犯人に同情する気が知れない」などとぼかされかかっていたところに降ってわいたこの問題は、長年にわたった「与党とは何か」という問題を突き付けた。

東京だけの問題、などと公明党選挙協力だとごまかしているが、あくまで政権にしがみついて旨い汁を吸いたいのだろう。今さら「野党に戻っても…」やれることはあるまいに。

他国の政界も問題だが、自国の政治上の“大問題”の方もこれを機に一気に解決してほしいと思う。本来「水と油」は溶け合うはずはないのだから。

その意味では、欧州情勢よりも、国内情勢改革の‟優先度”の方が高いのであり、これを機に政界の改革が急がれる。

 

 

届いた書籍のご紹介

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Hanada7月号

小川栄太郎氏の「『人間の正気』の欠如」は大いに読ませる。私は作家?の島田雅彦法政大教授を知らないが、厳しく断罪している。「へらへら笑う」とあるがこの程度の人間しか、法大教授になれないのだろう。とにかく政治家もそうだが、人間の質は落ちている。「もう我慢の限界だ!」と副題にあるが、常識ある国民はとっくに限界を超えているのだ。元防衛大臣が、LGBT問題で何か言っているが、暇なんだなあ~としか言いようがない。これも”限界だ”。

WⅰLL7月号

こちらはLGBT法案に対する反論。エマニュエルという米国大使は法大教授並みだ。これが「大使」かと思うと、昔の「小使い」さんの方が親しみやすい。我那覇真子女史の「反論」は面白い。

「どのツラ下げて大学教授」も面白い。Hanadaの小川栄太郎氏の一文と併せてご一読あれ。しかし、「カエルのツラに・・」だろうな~