このところ、雑誌などから取材攻勢?を受けた。いずれも安保法案の国会審議についてだが、あまりにばかばかしいので、熱が入らなかった。
例えばこうだ。「自衛隊に対するリスク」を野党が持ち出しているが、OBとしてどう思うか?
野党議員らは攻める?材料に事欠くと、国民のセンチメンタリズムを刺激する。これは昔のPKO審議以来変わらない。
政府もこれにつられて『危険な場所にはいかないから』などと自衛隊にはリスクはないことを強調する。
だから現役自衛官は野党に対しては「普段、自衛隊を蔑ろにしているのに何だ。馬鹿にするな!」と言いたくなるだろうし、政府に対しては「いつまで寝惚けた言い訳を繰り返しているのだ!」と詰め寄りたくなるだろう。そこで私は記者にこう答えた。
今私が自衛隊に入隊しようとしていると仮定しての話である。
例の「事に臨んでは危険を顧みず」という宣誓書にサインしようとして、「ちょっと待ってください。『自衛隊は危険な場所にはいかせない』と最高指揮官たる首相が国会で答弁しています。危険じゃないのに『危険を顧みず』と宣誓させられるのは理解できません。説明してください」と言ったら、係官は何と答えるだろうか?と。
野党の“攻撃”ばかり意識して“専守防衛”に徹していると、問題の本質を見失ってどんどん深みに入っていく。ウソとは言わぬが、どれが本音でどれが建前かわからなくなり、国民は混乱し理解は得られなくなるだろう。
「危険だからこそ自衛隊が行くべきなのであり、安全が確保されているなら民間航空会社に頼め!ば良いでしょうと私なら言うが…どう思う?」というと記者は同意した。
そもそも「国民の生命」を守るべき安保法案審議で、「国民のリスク」抜きで「自衛官のリスク」を考慮すること自体が異常じゃないか?
それよりも何よりも、我が国の防衛や国際平和協力活動等に従事した今までの自衛隊もリスクを抱えていた。しかし政治は自衛隊や自衛官をその後も適切に処遇してきただろうか。馬鹿も休み休み言え!と言いたい。
ロバート・ゲーツ元国防長官は離任の辞で「国防に力を入れる気力も能力もない同盟国を支援するために貴重な資源を割く意欲や忍耐は次第に減退していく」と述べ、トーケル・パターソン元米国国家安全保障会議部長も「集団的自衛権を行使できないとして、平和維持の危険な作業を自国領土外ではすべて多国に押しつけるという日本のあり方では、日米同盟はやがて壊滅の危機に瀕する」と言明した。
これをアメリカの傲慢だというのであれば、仮に日韓同盟を結んでいたとして、韓国がこのような主張をしたら、日本国民は何と反応するか、明白だろう。
現状のわが国のような一国平和主義では、日米同盟どころか世界から軽蔑されるのが落ちだろう。尤もシナと朝鮮は喜ぶだろうが…。未だに「安保ただ乗り論」は米国民に生きているのである!
≪湾岸戦争頃の米紙:今も昔も変わらない!≫
10日の産経抄子は、≪▼集団的自衛権の行使容認を含む新たな安全保障関連法案について、野党側は廃案に追い込もうと攻勢を強めている。世論調査でも、反対が賛成を上回る。自衛隊が同盟国や友好国の軍と共同行動を取り、国際社会に貢献することで、日本の安全も担保される。自明の理のはずなのに。
▼そういえば、チェンバレンの平和主義も、当時の英国民に支持されていた≫と書いたが、安倍首相は歴史に学んでチェンバレンになってはいけないのだ。
それよりも、国会で“暴力”をふるって恥じない民主党という全学連崩れの集まりこそ、国会議員としてふさわしくなく、国会から排除すべき対象だろう。バッジをつけていれば、国民監視の中で“堂々”と暴力をふるうことが出来るとでもいうのか?
衛視は何をしている? ァそうか、次の選挙で有権者が排除するのだった!
さて昨日午後の取材は「スター・ピープル」誌であった。講談社プラスα新書の影響で、UFOから話題に入ったのだが、当初私はこの本をオカルティックな雑誌だと勘違いしていた。
社長と編集長の人相・人柄から「少し違う…」と感じたのだが、事前準備が悪く申し訳なかった。本を提示されてから非常にまじめな取り組みをしている本だと気が付いたのである。
編集方針は●意識の目覚めと新しい世界の創造に役立つ情報を提供すること●高次のスピリチュアリティを追求し、「惑星地球」という視点に立った新しい価値観、新時代のエネルギー、新時代の共同体、トータルな人間性の開花、進化などを話題として取り上げること●スピリチュアルな運動を活性化するために、目覚めた人々が集い発表しあう場とすること、とある。
今号の特集である「客観的芸術とは何か」を見ても「客観的芸術とは揺らぎのない永遠性の知識、哲学を体現した芸術」であり「黄金比は、自然界の中にある秩序」「客観芸術は、時代の変化に対して風化しない」などとある。
また「マインドを超えた客観芸術、マインドと同化した主観芸術」「数学に裏打ちされた≪数楽アート≫とは」などなど、戦闘機のりとは無関係?なタイトルが並んでいて興味をそそられる。いや実は私も宇宙物理学者の本を読んで、著者は「宇宙物理学者」ではなく、「宇宙仏理学者」と呼ぶべきだと感じたことがある。
私のインタビューは、上記の「惑星地球(UFOを通じて)という視点に立った発想」を求められたのだろうが、とてもとても役不足。
しかし地上波TVなどで紹介されるいわゆる“オチャラカ番組”とは異なり、興味本位で追及してはいないので、やがて何らかの悟り?が得られるのかもしれない! 今後が楽しみになってきた。カビが生えた「軍事評論」よりもやりがいがありそうだ。
ところで今朝の曽野綾子女史のコラム「少年Aの手記]は興味深かった。
≪平成9年に神戸で起きた連続児童殺傷事件の犯人は、自ら「酒鬼薔薇聖斗」の名前で犯行声明を出し、その結果逮捕された。当時14歳だった当人は、現在32歳になっている。彼がこの度『絶歌』という題で手記を出版した。これが遺族の心を傷つけ、直ちに出版停止、本の回収を要求しているという。それに対して、産経新聞の「主張」筆者は賛成のようだが、私は致し方ないと思う。筆者は「加害者に発言の場を与えるな、と言っているのではない。その中身や節度の問題である」と書いているが、もともと節度のある性格なら、こんな罪を犯すわけがない。むしろ著者の履歴や現状によって、表現が制限されるということは、やはり危険だ。
もちろんこの場合、出版社の意図の方が批判にさらされるだろう。猟奇的な内容だから売れるだろう、というあさましい魂胆が見え見えのようにも思われるのは、この「本が売れない時期」に初版10万部を刷る、ということが、それを表している。
私はまだこの本を読んでいないし買う予定もないが、いつも気になるのは、幼時から世間の耳目をそばだてるような事件を起こした若者たちを、社会は将来どう扱うのだろうか、ということだ。
最近、同級生を殺して「人を殺してみたかった。内臓がどうなっているのか見たかった」という意味の自白をした少女もいたが、この手の不思議な遺伝子を持っているとしか思えない人間を、社会は一生役立たずの、再度罪を犯すかもしれない危険分子として、ただ隔離して生かすのだろうか。
こういう若者は、一つことを続けてやる気力や、それに向いた性格がないのかもしれないが、私は彼女を生涯、解剖助手として使うべきだ、と考えている。ハッカーや泥棒などは、その得意の業で世間に償いをすることだ。
大昔、わが家に泥棒に入った人は、翌日私に電話をかけてきて、私か穏やかに相手をしたものだから、細々とわが家の防犯がなっていないことを教えてくれた。
「表庭に1匹、裏庭に1匹、犬を飼うことだね」と彼は言った。
「そうですか。でもうちでは高校生を1匹飼っているもので、これ以上は動物を飼えないんですよ」と私は答えた。
もちろん専門家になるということは、そんなに甘いものではないのだが、それでも人は興味があって得意なことなら、その才能を認められ、その道で世間の役に立ちたいという思いもあるだろう。うまくいけば、変人だが、その道に関してはいっぱしの専門家として、その世界で大切な人になれるかもしれない。
小説家などという人種も、他の社会ではやっかい者という場合も多い。しかしその分野で働かせてもらえたからこそ、生きる道を見つけた。昔、小説家などという職業は、堕落した賎業だと思われていた。私はその時代にあえてその道を選んだ。人間の使い方、生かし方というものは、実にさまざまあっていいのだ≫
たまたま先ほどまでケーブルTVでトルーマン・カポーティ原作の「冷血」(リチャード・ブルックス監督)という1967年制作の映画を見ていて思ったのだが、次々に極悪犯の死刑囚が処刑されている場面で立会人の一人が「これで何が変わるのだろう…」とつぶやく。すると脇で一人が「こんな冷酷な事件が起きなくなるのでは」とつぶやくのだが、彼は「そんなことはない。永遠になくならないだろう」という。
その通り、地上に人間がいる限り石川五右衛門じゃないが、極悪冷血犯は絶滅できまい。
それにしても今のわが国は異常だと思う。ところが異常なのはその“異常さ”に日本人は気が付いていないことの方だ。あまりにも犯罪が多いので慣れてしまい、不感症になっているのだ。
曽野女史はこの冷酷犯の手記出版は「致し方ないと思う」とする。その理由は犯人Aが「もともと節度のある性格なら、こんな罪を犯すわけがない」というのだが、私にはだからと言って致し方ないでは済ませられないと思う。
映画「冷血」じゃないが、死刑にしても続くからと言って、冷血犯を生かしておけば、次々と殺人を犯すだろうから。
こんな異常事件が多発するのは、日本の刑法が甘いのだ、と私は思っている。これを許しておけば、いずれAのような非道な“生き物”が繁殖して、次々に冷酷な犯罪を犯し、その体験を出版して印税で食っていくだろうからである。
曽野女史も「猟奇的な内容だから売れるだろう、という出版社の意図の方が批判にさらされるだろう」ことを期待しているが、「あさましい魂胆が見え見え」であっても商売人は出版をやめないだろうし、読者も出版を期待して減る事なんぞあるまいと思う。出版関係者がそんな常識的な「人間性」の持主であれば、出版しようとはしないだろうからである。
曽野女史も「この『本が売れない時期』に初版10万部を刷る、ということが、それを表している」と書いたが、インターネット犯罪を見るがよい。
そこには信じられないような恐ろしい犯罪が蔓延しつつある。
言い方は悪いが、五右衛門が言ったように犯罪者は浜の真砂のように永遠に続くのだから根絶やしは困難だとしても、事件ごとその都度確実に根絶やしにする対策を取らねば、被害者が抱く「殺され損」の恨みも永遠に消えることはなかろう。
こんな極悪犯を映画「冷血」のように絞首刑にすることなく“人道的に生かした”裁判官の責任こそ問われるべきじゃなかろうか?
ところでお口直しに今日は心温まるお話を少し…
人間界は、殺伐としていて少年Aだけではなく、親が子を、子が親を殺して恥じない修羅界の様相を呈している。
しかし田舎の山すその我が家周辺では、心温まる自然の教えがふんだんに得られて毎日学ばされている。
先日キジバト一家が、子育てを終わって飛び立ったことは書いたが、先日朝、家内がなんとなく我が家の駐車場で子猫の声がすると言ったのが事の始まりである。
家内の“調査”によると、ご近所の庭で出産した親猫が、いつの間にか車道を超えて安全な我が家の駐車場の隅にある物置の陰で子育てをしていて、かわいい子猫が4匹もいるというのだ。
以前、近所で餌づけをする老人がいて、野良猫やタヌキが家の前に行列していたものだったが、尾長ドリや烏までもがその時刻になると集まってくるので近所迷惑だとして禁止になったことがあった。しかし人家がある以上餌はどこかにある。
狸とカラスの行列がなくなったそんなさなか、突如我が家に4匹の子猫が集合したのである。
以前から花壇や植木鉢をいたずらされるので、家内はそのたびに野良ゾウを追い払っていたのだが、2階の窓から4匹の子猫を育てている母親を見つけて以降、感動してとうとう観察を続ける毎日となった!
たしかに子猫の兄弟は天真爛漫でかわいいが、警戒心が強い親猫の責任感には私も感動した。そこで餌はやらないが、子育てが終わるまで保護?観察しようということになった。
そう考えたわれわれの意思が親猫にも伝わったのか、じっと我々を見るが逃げ出さない。勿論用心して子猫らを監視してはいるが。
そして1日に数回子猫を置き去りにした母親はどこかに出かけていき餌を食べてくるのであろう。戻ると子供らを≪ク〜ク〜≫と鳴いて呼び寄せ、乳を与える。こうして1日に数回、授乳している姿が、同じ母親を体験した家内には神々しく映るらしい!
子猫らも安心して母親にまつわりつき、4匹で遊び体を寄せ合って昼寝して時を過ごしている。その一連の写真がこれである。
≪一家はぶどう棚の下に移動し、母親が授乳しながらカメラを構える私を見た!≫
≪ぶどう棚下は“安全”と見た母親は、さらに崖下の家のガレージに移動し、下から子供らを監視する≫
≪ぶどう棚の下の子猫は、無邪気に兄妹で遊び続ける。どうも危害を加えられない!と確信したようだ≫
母親の責任感の強さ、偉大さは人間が学ぶべきである。ここしばらく、仲の良い子供ら4匹がそれぞれ独立していく将来が楽しみである!
薔薇が終わって手入れ中の家内の関心も、今や花から野良猫一家に移っていて、楽しみも増えたようだから目出度し目出度し!!
近代日本人の心は荒んでいるようだが、野良猫一家の愛情は実に深い。スター・ピープルならぬ、スター・キャットというべきなのかも…
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