軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

国賓から”国貧”にならないで!

 十日の新聞一面トップに、「芸大でアカハラか…」という見出しが躍っていた。

 新聞を新聞受けからとって「花粉の中で」最初に見た記事だったから、アカハラ」が「アカハタ」に見え、「芸術の本家まで、思想的に侵されたか!」と勘違いしたが、「アカデミックハラスメント」のことだそうで思わず失笑した。

 最近は何でも「言葉の省略」がはやっていて、特に「外国語系統」のカタカナになると老兵にはわからなくなる。「セクハラ」「パワハラ」など、いい加減にしてほしいものだが、これも時代の趨勢なのかもしれない。

 今朝の紙面は、「国賓待遇で訪米中岸田文雄首相」の記事が多かった(産経以外は知らない)が、あれほど国内では「パーティ券問題」で味噌をつけた首相なのに、「ホワイトハウスで行われた公式晩餐会でスピーチし、ジョークを連発して会場の笑いを誘った」などと、「比較的お誉め言葉」が並んでいて、なんとなく“違和感?”があった。  

 しかしながら、「国賓待遇で訪米」した方が、「国待遇と揶揄されなくてよかった」と思う。

 

 何しろ今の我が国では、国外の“敵”よりも、国内の方に陰湿で根強い“敵”が多く存在するのだから、首相にとっても外国の方がやりやすいのではなかろうか?

 しかし、国内の“敵”は強硬だから、油断なるまい。帰国したくなくなるのではないか?と同情を禁じ得ない。

 

 ところで、私は以前から、同盟国・アメリカの衰退について、「リベラルたちの背信」(アン・コールター著(栗原百代訳)草思社刊)を取り上げてその分析を高く評価しているのだが、本書は「アメリカを誤らせた民主党の60年」と副題にあるように、少なくとも今の米国の“混乱と衰退”が予言されていたしまたよく当たっている。

 

 これとほぼ同時期に、友人である伊藤寛教授からの手紙に、同様な警告があったからよく覚えているのだが、当時私は伊藤教授に「しかし、米国の軍隊が健在の間は大丈夫だ」と返信したはずだった。

 ところが今や米軍内部は非常に規律が緩んでいて、危険水域に達しつつあるというのだ。例えば女性兵士や移民兵の増加や、男女共同時の乱れなど、人民解放軍ほどではないにしても、本来あるべき米軍の水準からは相当に落ちているらしい。(予想はされていたものだが、)

 コールター女史は、アメリカのリベラルの原動力は文明への憎悪である」「リベラル派は、自分たちが神だと思っている」からだと2004年時点で米国の社会を喝破していた。(日本語版はこの年9月30日に初版発行)

 我国内でどれほど売れたか知らないが、当時「草思社」と言えばスピリチュアルな本が多く、政治ではマイナーだったから想像がつく。

 昨今、インターネット上に「日本ではまったく報道されていないが、今アメリカは内戦に向かいつつあるようだ。ポリティカル・コレクトネス」という嫌悪(ヘイト)の哲学により、アメリカは完全に左派に乗っ取られ、革命のような状態がつくりだされている。バイデン政権の3年間でアメリカは完全に衰退してしまった。国境から1200万人以上の不法移民が大量になだれ込み、アメリカの多くの都市部で治安が乱れ、犯罪が急増した。

 

 この無秩序な略奪の結果、アメリカのかなりの小売業が破壊されている」と投稿している読者がいるが、これこそコールター女史が予言したものだろう。

 ことはそれほどまでに進行しているようだが、‟国賓として訪米した首相”は、何かその兆候を感知して帰国するのかな~

 

 もう一方の“大国”である人民共和国は、「暴かれた中国の極秘戦略(2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?)袁紅冰著(黄生訳)まどか出版」2010年8月20日印刷」に詳しいから、産経の「オピニオン」欄の石兵のチャイナ・ウォッチャー「伝統に基づく中国の腐敗事情」という記事もよく理解できる。

 

 これらの書籍はいづれも2004年、2010年と今では遠い昔の作で、古いものだが、内容は真実をついている。逆に近年、ますます重みを帯びてきていると私は感じている。

 

 それにしても、パー券問題の“当事者?”から、一気に「国賓」に格上げされた首相は「いいお土産」を貰ってくるのかなあ~少し心配である。

  日米間では、”詐欺師の水原問題が‟話題になっている折だけに、借金を抱えてこないでほしいと思うのだが・・・