軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

2007-01-01から1年間の記事一覧

よいお年を!

このところ、かなり多忙ですっかりブログ更新が遅れてしまった。今年最後の研究会や、新しい会の設立などなど、都心に出かけることが多く、時間が取れなかった。その上、1月7日までの原稿が4本も飛び込んできて、資料整理でも時間が取られた。その上10…

上海会議・その3

(承前)続いて李日本研究室長が「日本防衛戦略の転換と中日間戦略互恵関係について」と題して意見を述べた。彼女は早稲田大学に留学して文学博士号をもらった「知日派」だが、論文作成の資料の中心は「朝日」や「日経」などが主体になっているようだ。 司会…

師走とはよく言ったもの!

いよいよ師走、この時期になると何かと落ち着かなくなるから不思議である。 退官後10年、肩書きがいつの間にか20を超えて、どうにも身が持たなくなったから、転居を機に徐々に整理を進めて5つくらいにすることにした。これだと何とか都心の会合にも出かけら…

映画「南京の真実」

14日金曜日、午後から九段会館で、「南京の真実」第一部「七人の『死刑囚』」撮影完了報告大会が開かれ参加した。 約10分間の特別予告編に続いて、南京戦に参加した元兵士のインタビュー、映画のキャストからのメッセージなどが上映され、その後約1時間半『…

弁解!

ここのところ何かと忙しく、ブログを書けない日が続いた。今日は今、史料調査会の研究会から帰ったところ。海兵70〜75期の大先輩方が、月に一度講師を招いて勉強し、その後田尻会長が丁寧にまとめた国際軍事情勢のブリーフィングを続けているのだが、研究会…

上海会議・その2

(承前) 宿舎は由緒ある立派なホテルで、会議はその14階で行われるから、何かと便利だったが、風呂の水が臭うのには弱った。むしろ、北京のホテルの方が匂いは少なかったほどである。 おそらく、水質が悪いので相当量の消毒薬を使っているのだろう。風呂の…

上海会議・その1

1030、上海へ向かうため空港へ出発する。視程は悪く3kmも無いと思われるいわゆるIMC(計器飛行状態)である。高速道は意外に渋滞は少なく1115に空港に到着した。 しかし、ロビーは大混雑、カウンター前には長い行列が出来ていて、1人の白人客が荷…

北京会議こぼれ話・その7

歳末に入って、殺人事件などのニュースで気が重くなるが、とにかくロシアも、イランも、6者協議も、水面下の動きが気になるところである。そんなさなか、我が国の政情だけは「笑い話」にもならない。やはり、額賀大臣は、別会合でタカラジェンヌと会っていた…

“星野ジャパン”と“小沢民主”の差

日中安保対話のこぼれ話はお休みして、今日は産経新聞の「産経抄」に誘発されて、表記の所感を書いておく。 産経抄によると、星野ジャパンの主将・宮本慎也選手が産経スポーツに手記を寄せ「国と国との勝負。『戦争』のつもりで戦った」と星野ジャパンの強さ…

北京会議こぼれ話・その6

続いて司会者である蒋所長自ら次のようにコメントした。 「この問題については中国政府は慎重に対応しなければ、中国の危急存亡にかかわる問題である。胡錦濤主席の第17回党大会における発言は『危機管理』を呼びかけている。 トウ小平時代から、最大の危…

北京会議・その5

11月20日(火)、0715に起床して地下の食堂でお粥の朝食、次々に客が入ってきて40人ほどになったが、まだまだ余席はあるというのに、私の卓に集まってくる感じ。 0840、徒歩で社会科学院に向かう。 ひとしきり挨拶が済んだ0907から蒋所長…

早12月!ちょっと一息

早いもので今日から12月。今日の産経新聞には面白い記事が多かったので、北京会議はお休みして、思いつくまま感想を書いておきたい。1、「アーミテージ氏側にコンサル料」(1面) 例の貿易専門商社「山田洋行」の米国邦人が、アーミテージ元国務副長官を…

北京会議こぼれ話・その4

気がついたら102万件ヒット!友人から「対中関係に如何に関心が高いかブログを読んでいると良く分かる」と電話が入って気がついた。 米海軍司令官の「空母、持つべきだ」発言は勿論ジョークだと思う。三沢でも沖縄でも、彼らは陽気なジョークを飛ばすのが得…

北京会議こぼれ話・その3

守屋前防衛次官夫妻逮捕でマスコミははしゃいで?いる。香川の孫娘ら殺人事件並みの取り扱い。世界は米国のリードで中東和平に向けて動き始めたり、ロシアのプーチン院政などなど、大きく動き出しているというのに我が国の政治・社会情勢はこの体たらく。 勿…

北京会議こぼれ話・その2

第一日目、午前中の第1セッションは「中日経済問題」で、司会の金副所長が「中日関係はうまくいっている。この関係をより高いレベルに進めるべく、今回の会議も“建設的な喧嘩”にしたい。前2回の対話で土台が出来上がったので、まず経済問題から入りたい」…

北京会議こぼれ話・その1

昨日は福岡から中学時代の同級生が上京したので東京駅で再会、久々に懐かしいひと時を過ごしたが、チャンネル桜から急な出演依頼が来て、そのまま夜の収録に向かったから、中国出張の整理ができなかった。 今朝ブログを開けたら、16名もの読者から熱心なコ…

中国はバブルを恐れている!

一週間、中国に行っていた。北京で中国社会科学院・軍事科学院と、上海では国際問題研究所との間で「日中安保対話」をしてきた。それぞれ一日半、つめきりの会議で、現役の陸海軍少将らも参加したホットな議論だったが、彼らが大きな関心を寄せていたのは、…

守屋“天皇”と海原“天皇”

草思社発行の「戦場の名言・・・指揮官たちの決断」を読んでいる。著者は防大の後輩達4名だが、カバーに「人間をつき動かすものは、結局のところ、人間の言葉しかない。国家存亡の危機に直面し、最後の関頭に立ったとき、指揮官達は如何なる言葉を発して、将兵…

守屋“事件”が教えるもの

昨日は午前午後とも国会中継に見入った。国の防衛をあずかる重要な役所内の乱れが浮き彫りになってきて、OBの1人としていたたまれない気持ちである。民主党はこれでテロ特措法を「阻止」出来ると息巻いているが、山田洋行という小さな商社が、これほどま…

防衛の務め

新テロ法案が衆院を通過したが、参院での審議を控え混乱は避けられないという。15日に福田首相は訪米するが「何しに来たの?」と言われかねない。日米同盟の鼎の軽重が問われることになりそうだが、足を引っ張ったのが防衛省自身であり、それも「事務次官…

憲法に身体をぶっつけて死ぬ奴はゐないのか!

昭和45年11月25日に、作家・三島由紀夫が壮烈な死を遂げてから37年、今年も各方面で偲ぶ会が予定されている。 私は当時浜松でF-86Fによる戦闘機操縦教官を務めていた1等空尉であった。学生訓練を終えて着陸して、ヘルメットを整備員に渡したとき「三島由紀夫…

東京特派員の告白

コメント欄に、感情的発言が散見するようになって聊か見苦しい。“暗い”御時勢、欲求不満は分からないでもないが、匿名のコメント欄で顔が見えないのをいいことに、無責任な誹謗中傷をすることは慎むべきであろう。以前も長文のコメントにご注意申し上げたが…

周りは確実に動いている

今朝の産経には、国内の動きは例の話ばかりだが、我が国周辺の気になる動きが報じられている。1、6面「対中関係が最重要」「米専門家、超党派で提言」 「アーミテージ元国務副長官やナイ元国防次官補ら超党派の米外交・安全保障専門家は6日、今後の米国の…

世界の流れに取り残されていいのか

昨夜は、拓殖大学日本文化研究所主催の公開講座「新日本学」で講師を務めてきた。 参加者は社会人(といってもその“卒業生”が大多数だったが)で約70名、女性も目立ったが実に熱心でこちらの方がついつい引き込まれるような雰囲気があった。 私の受け持ち…

家族や国を思う気概

昨夜のチャンネル桜「防人の道・今日の自衛隊」は、「防衛漫談」ならぬ「政治放談」に終始した。TV各社も、競って小沢氏の去就について取り上げているが、政治評論家ならぬ私としては今後は“高みの見物”を楽しむ?ことにした。 ところで今朝の産経新聞「や…

だから言わないことじゃない!

小沢代表が辞意を表明したことで、我政界・マスコミ界は大揺れである。この前兆は、安倍総理誕生の頃から水面下で動いていた。つまり、若い安倍前首相は、戦後レジームからの脱却を掲げて、急進的に動き始めた。その結果、教育基本法の改正はじめ、3〜4個の…

このままでは日本が危ない!?

福田首相と小沢代表の会談以後、政界・マスコミ界は「大連立」で大慌て、議員諸侯も落ち着かない様子だが、TVなどで見る限り、物事の本質を見失っているように見える。特に今朝の「日曜討論」を見る限り、浮き足立った民主党内の矛盾は一掃深まっている様…

いやはや・・・・・・

今朝の産経トップ記事を見て、いやはや・・・。 「田村元議員空将時に十数回」「テニス旅行丸抱え」「山田洋行元専務」とある。こちらも守屋前次官同様、現役時代に山田洋行の元専務に丸抱えでいい思いをしていたらしい。「テニスコートつきの箱根のホテル」だ…

日米関係影響なし?

昨日は“政界裏話”の長電話を受けていたところ、何度も「キャッチ」がはいる。相手の話は佳境に入っていたところだし、大変面白い内容だったので、無視し続けたのだが、それにしても多い。 話が一時間以上にもなったので、申し訳ないが「キャッチ‥」といって…

戦を忘れた軍事組織の末路

守屋前防衛次官の証人喚問は、NHKの独壇場であったが相当な視聴率だったことだろう。国民の生命財産を守るべき「国家防衛事業」はどこへやら、それを利用して個人的な快楽におぼれていた実態の一部が、見事に?証言されていた。私はゴルフ・マージャンを嗜…