軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

この世の終わりか?

 今朝の産経抄に、良いことが書いてあった。

 特に秋田県で被害が大きい「クマと人間」の関係についてであるが、面白いのは20年ほど前の川柳で「熊が出た、熊からみれば、人が出た」だろう。

 当然のことながら万事「人間社会」が物事の前提にたって考えられている社会なのだから、全て人間が中心になるのはやむを得ないだろうが、他の動物から見ればこの通りだろう。「天下を取った人間」にはそう考える余裕さえあるまい。

 里山の荒廃を招いておいて「よく言うよ!」と熊は言いたいだろうが、この地球は、いつからか「人間中心」になっているのだから仕方あるまい。

 

 そう思ってTVを見ていたら、「京都の三年坂でサクラの木倒れる、下敷きの男性搬送」と報じられていた。今度は「クマ」ではなく、「桜の木」だ。 

 人間が住む街を「美化しよう」として、勝手気ままに造成した「祟り?」だろうか、   それで観光客は大いに喜んできたのは良いにしても、植えられた樹木にとっては「息苦しい毎日」だったのだろう。そしてついに力尽きたのである。

 誰でも知っていること?だが、枝ぶりのいい大きな樹木には、それにふさわしい「根」が必要なのだ。しかし人間の都合で土地が狭いから樹木に無理を強制して「不自由な生き方」にしてきた。

 

 私には地上派TVにはさしたるものがないので、よく外国系のものを見ているのだが、ナショナルジオグラフィック(通常ナショジオ)で動物ドクターの活躍がよく伝えられていて、感心している。

 例えば「ポール博士」や「女医・ミシェル」の活躍であり、各種の動物達と人間たちとのつながりである。もちろん「猛獣と人間」という関係ではなく、「家畜たちと酪農家たち」のかかわりなのだが、非常に考えさせられる。

 若いドクターたちと動物達との愛情がそこには感じられるからである。そして人間なのに「偉い!」と思わず声を出すこともある。

 産経抄にあるように、何時からこの世は「人間だけのもの」になったのだろうか?

 その上人間たちは「作っては壊し、壊しては金をかけて再び作る」を繰り返す。今のウクライナイスラエルの状況を見るがよい。

 これは「猛獣や動物たち」のせいではない。人間たちの行為なのだ。

 先日から、中国や中東で、豪雨が続いて大水害が起きているという。広西チワン地区では「この世の終わりか!」と住民たちが叫んでいたが、さもありなん、現場は地獄の様相だ。

 人間の人間たる存在について、機会をとらえて学習すべき時が来ているような気がしてならない。平和を掲げる?国際協力機関はどうしている?

 本当の「この世の終わり」になる前に、一度立ち止まって考えてみる必要があろう。