軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

今春の国家的難題について

令和2年の正月も無事に過ぎて、仕事始めも終わり、ようやく平常状態に戻りつつあるようだが、10連休を楽しんだ我が国とは異なり、世界では紛争の危険が次第に高まりつつある。とりわけイラン情勢は予断を許さない。米国の強硬手段を見た北朝鮮の“首領様”は、首がすくんだことだろう。“米軍の斬首作戦”は依然として有効なのだと!

 

それにしても我が国政治家のだらしなさには、愛想が尽きた。任命権者たる総理には、もう少し人を見る目が欲しいものだ。

 

恐らく更に多くの“自民党議員”らに、チャイナマネーの黒い手が回っているのではないか?国家崩壊の序曲だといえる。

とりわけ前防衛大臣の名が挙がったのには驚いたが、もともと彼には“灰色の噂”が付きまとっていたのだから、そんな男を防衛担当大臣にしたのが間違いだろう。それとも他にいなかっただけかもしれないが…

政治家の人材不足にはあきれたものだが、これでは国民は枕を高くして眠れない。

 マア、ハニートラップに引っかかった総理大臣よりもましかもしれないが…

それはそうと報道によれば、自衛隊幹部の人事は、今後AIが担当するのだという。新しもの好きの役所らしいが、まっとうな人事が行えるよう、正確なデータを挿入してほしいものだ。政治家の顔色を気にする幕僚長…が誕生したのでは国民に相済まない。おまけに「航空自衛隊」改め「航空宇宙自衛隊」になるという。

 

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少し早かったかな?ご参考まで!  

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航空自衛隊任務は、平時においては日本領空への領空侵犯、その恐れのある空からの脅威の排除が使命で、これがため領空の外側に防空識別圏ADIZ)を設定し、日本各所に28ヶ所のレーダーサイトを設置して常時警戒監視行動を継続してきた。しかし、直上(宇宙)には穴が開いていた…

すでに自衛隊法第三条第1項から「直接侵略及び間接侵略に対し」という文言が削除され、「存立危機事態」という概念が取り入れられているが、いよいよ宇宙からも「我が国の存立危機」が迫っているというのだろうか?

国内に確保されていた“犯罪人”がいともやすやすと国外逃亡するようでは自衛隊の存立も何となく不安だが、すでに時代は宇宙時代、「何らかの存在」が接近してきていることはほぼ疑いないところまで来ているのだから、我が国も世界情勢と宇宙情勢の進化に遅れないようにしてほしいものだ。

ところで6日の産経新聞「正論」欄に、尊敬する小堀桂一郎東大名誉教授が、「今春の国家的大問題について」と警告を発している。中国共産党政府のトップである習近平主席を「国賓」として招くという自民党政府への警告である。これについては私も既に反対を表明してきたが、安倍政権は反省していないようだから、もう一度小堀教授の警告を掲載しておこう。

国際情勢は混とんとし始めた。そのうえ今年はオリンピック開催の年でもある。一部週刊誌には、測量学の権威が、「東日本大震災の直前と同じ兆候が、関東南部で出現している」と警告している。

判断を誤ると、取り返しがつかない事態を招き、最長政権を誇ったとしても晩節を汚すことになりかねない。熟読玩味していただきたい。

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令和2年の年頭に当たり新年のご挨拶

令和2年元旦、新春のお喜びを申し上げます。

国旗掲揚後、早速近在の八幡様に初もうでに出かけましたが、子供たちを連れた家族連れが参拝していたので八幡様も喜んでいましたが、近在の家々には松飾も見かけず、日の丸もほとんど見当たらないので、“外国”風景のようでした。

そういえば、毎年聞こえていた除夜の鐘も聞こえませんでしたから、日本文化は急激に“衰退?”しつつあるのかもしれません。

私は75歳の後期高齢者入りを機会にお年賀を終了させて頂きましたが、有難いことにまだまだ多くの年賀状が届くので、いつまでも“青年将校?”の気分です。しかし、足腰の衰えは顕著ですから、スクランブルは無理でしょう(笑)国防は後輩たちにお任せします。

さて、今年は我が国周辺では難問山積の予感がしますが、政府がうまく切り抜けてくれるでしょうか?

今朝の産経一面に、乾正人論説委員長の年頭所感が出ていましたが、全く同感です。特に、先の大戦で散華された英霊を靖国神社で参拝しようとしない姿勢には怒りを覚えます。

乾氏の全文を紹介しておきますので国民の生命財産を預かる為政者として、「執務の参考」にしてください!

災害が少なく、国民に明るい笑顔が戻ることを皆様とともに期待したい一年です。

 

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令和元年も終わり来年は?

ヒストリーチャネルは「古代の宇宙人」特集を放映しているが、先日は「アメリカ建国史」にかかわる話で、示唆に富むものだった。

首都建設にあたり、建国にあたった賢人たちが壮大な計画を持っていたことは知っていたが、古代ギリシャの模倣だけではなく、宇宙との交信によって知恵を授けられていた、というのである。

そして江戸城建設時に風水と結界が張られたように、首都の安泰を祈願して建物は建築されたというのだが、その裏には宇宙人との交信があったという。

確かに建国時の独立宣言には「明白なる使命(Manifest Destiny、マニフェスト・デスティニー)」が書かれていて、それこそが新生米国の“根幹”なのである。その後200年余の間、選出された大統領には“不都合な人物”も誕生したので本来のあるべき姿を見失ってきたが、「アメリカを再び偉大にしよう(Make America Great Again)」という、レーガン大統領の選挙スローガンを掲げたトランプ大統領が出現し、今までの“中身のない政治的スローガン”と一線を画して本来あるべきアメリカの「明白なる天命」を実践するスローガンに立ち戻った。

それは“お人よし?”アメリカ人の弱点に付け込んだ、共産主義思想が「建国憲章」に相反した人類滅亡思想であることに米国人自身が気が付いたからだと思われる。

自由主義国家の代表として“誕生”したはずの米国政府が、邪悪な共産主義思想の悪影響を受け、本来の活動を封じられてきたことに気が付いたのだ。第2次大戦に勝利し、唯一の超大国となったはずが、原水爆を盗作されたためにスターリンに悪用され恐怖の冷戦時代を戦わざるを得なかった。

ソ連が崩壊し安心したとたん、ひそかにソ連の手法を学び取った中華人民共和国から、実に巧みな“侵略”を受けたが、当時は圧倒的な軍事力と経済力を維持していたから“お人よし”アメリカは“後進国”として中共を遇した。

ところが相手はスターリン以上に“狡猾”で、善意を悪意で返されていることにトランプは気が付いたのである。それが「米中経済戦争」の起源というものではないか?

2019年はその点では大きな歴史の転換点になったといえる。

つまり、トランプ政権は、独立宣言の「明白なる天命」を認識したといえ、つまり「神に対する信仰に回帰」して、邪悪な共産主義者の浸透を防ぎ、神の意に反したこの思想を地上から抹消しようとしているのではないのか? ヒストリーチャネルを見ながら私はそう気が付いた。

それに比べて米国同様“お人よしな神の国”日本の現状はあまりにも醜い。

御代替わりを終えた令和時代の最初の年にあたる来年4月、米国が抹殺しようとしている共産主義代表を“国賓”として招こうというのである。

それはTV朝日の「ぽつんと一軒家」に登場する“先祖代々の墓守”に任じているご高齢な方々の高貴な人相とは比較にならない“薄汚い政治屋ども”の人相に表れている。

来年は、国際情勢の荒波に翻弄され、国際運動会どころではないような気がするのだが、指導者たちよりも“庶民”のほうが冷静にとらえている気がしてならない。指導者たちよ、どうかかじ取りを間違えないでほしい。

読者の皆様に、「どうぞよいお年を!」ではなく「冷静に令和を!」としか言う気がしないのが心残りである。

 

届いた書籍のご紹介

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雑誌「丸」とその付録

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「航空情報2月号」

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『Will2月号別冊』

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「家庭でつくる自分に合う健康の水・早川英雄著:現代書林¥1200+税」

善意が報われるとは限らない

前回、アフガンに貢献した中村医師が同じアフガン人?に殺害されたことを書いた。このような無私の精神で他国民に献身した偉大な医師がなぜ無法にも殺害されたのか、についてその後のメディアには追跡記事が見当たらない。

処がたまたま届いたWILL2月号に政治評論家の宇田川敬介氏が鋭い分析をしていた。

アフガニスタンの悲劇・中村医師はなぜ狙われたのか】がそれである。

副題には「善意と思ってとった行動が、善意と受け取らない人たちもいる」とある。

そう、個人的には「いいことだと思って」献身していても、中には”迷惑だ”と受け取る者もいるという事である。

其の昔、アフリカの”大飢饉”に際して、メディアに煽られた”善意ある日本人の多く”が、物資を送ったり毛布を大量に送ったことがあったが、送った当事者は”いいことをした”と「自己満足?」していたものの、現地を取材したレポーターが、それとは全く反対の現地人の言葉を伝えていたことに驚いたことがあった。

送られてきた毛布などの大半は、地元の”指導者たち”に横流しされ、苦しんでいる庶民にはいきわたらないというのである。

紛争地帯にも善意の物資が届けられたが、虐げられている民族の中には「食糧ではなく武器を送ってほしい」とまで訴えたものがいてレポーターは絶句したという。

強欲な為政者に対抗するには、食料ではなく武器が必要だというのである。今回の香港の若者たちもきっとそう思ったに違いない。

宇田川氏は言う。

【「報道を見ていると、今回の事件は、無差別テロや物取りの襲撃に巻き込まれたのではなく、中村医師の活動を妨害するために故意に狙った犯行であることが窺える」

「別な言い方をすれば、今回の襲撃犯は中村医師の何らかの行動を恨むか、または阻止するために襲撃したことになる。アフガニスタンの人々の命を助け、灌漑を行い不毛の地を農地としてつれるようにした中村医師。食と職ができるのだから、徐々に紛争が少なくなり、アフガニスタンは平和になるはずだ――日本人ならば誰もがそう思うし、中村医師が恨まれるはずがないと思うのも自然な感情だ。しかし、日本人の感覚とは異なる感覚が存在することがある】

そしてアフリカで政府援助で完成した道路を取材した宇田川氏は、【現地の自動車の修理工場は「この道路ができたおかげで、自動車の故障が少なくなり、商売が悪くなった」と言い、また、道路から離れている村の人は「道路が繋がったところの土地だけが栄えて、道路を造ってくれなかった我々の土地は、人かいなくなり物資も来なくなった。日本の道路のおかげで我々は貧しくなった」と、意外な評価か多かった・・・日本と一緒に仕事をしたところや、日本の道路に接している土地を持っている人だけが栄えることになり、そこに貧富の差が生まれる。当然、工事業者も入札で選び現地の業者と絡むことになるので、公平に選んでいるだろうが、しかし、現地の人々にとってみれば、日本人が来たことによって貧富の差が広がったという感覚になるのである。このような格差は恨みを買う・・・本来、日本の外務省や現地大使館は、そのような声を拾って日本政府に伝えるべきで、現地の格差が広がらないようにし、開発援助をしながら恨まれるような理不尽な怒りを買わないように対策を行わなければならない。

 しかし、相手国政府の上層部としか付き合うことがなく、また、開発援助を行った場合の周辺の生活の違いなどをしっかりと取材していない現地大使館がそのような声を伝えることはない。大使館や大都市から出ることが少ない大使館員は、現地の情報を得られず、その大使館や外務省の情報を鵜呑みにした現地企業の人々が、格差の被害者たちの不満のはけ口となり、悲劇に見舞われることが少なくない。現地大使館は、それらは事故、または現地のカントリーリスクとして認識するだけであり、自らの情報不足や取材不足という感覚がなく、またそのことが明らかになっても外務省や政府に正直に伝えることはない。

開発援助の良いところだけを伝え、現地の声としては、それで潤った人々だけを紹介するのである。・・・今回の中村医師の件がこれらのアフリカの開発援助と同じであると断言できないし、またそのようなことから襲撃されたと断定することもできない。しかし、一方で灌漑用水の整備と人道支援していたことにおいて、そのような逆恨みを受けていた可能性を排除できないのではないか。

中村医帥のような事件が発生した以上、国をあげて人道援助の在り方や世界各国の情報をどうするかを考える機会を持つべきではないのか】と書く。

そして【日本国憲法前文には「平和を愛する諸国民」と書かれている。しかし、世界は平和を愛する諸国民ばかりではない。自らの欲望や格差などの恨みを持った場合には、平和よりも争いを優先させる価値観を持つ人が出てくる場合が少なくないのである。

 外国でそのようなことに巻き込まれた場合の対処法は、日本国憲法には書かれていない。日本人の命が奪われるかもしれないという非常事態に対処できる憲法を日本は持っていないのだ。そのような場合にどのようにするのか、事件が起きてからでは遅すぎる。中村医師が亡くなった今日も同じような事件が再び起きないよう、日本人の人道援助という善意が相手国のすべての国民に通じるようにするため、どのように考えるべきか。

こういった議論がなされていないことは、日本の政治の劣化といっても過言ではない。

 世界各国で活躍する日本人がより安心して仕事かでき、そして日本に貢献するためにはどうしたらよいのか。日本にいながらできることは何か。考え、行動すべきではないか】と結んでいるが、全く同感である。

 その“劣化現象”は今に始まったことではないが、この半年を見ているだけでも急激に劣化しているように見える。

「花見の会」の“論争”は論外だとしても、外国企業への便宜供与などあきれてものも言えない。これが“副大臣”のやる事か!

委細は本紙をご一読願いたいと思うが、メディアもまた“事なかれ主義”に徹して、本音を書かない。こんな政治家の元で働かされる公務員もまた“劣化”を免れまい。つまり、国全体が“劣化”している兆しが透けて見える。

 

届いた書籍(WILL2月号)のご紹介

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宇田川氏の文は、表紙には紹介されていないが、307ページに掲載されている!。

中村医師の“戦死”に想う

七日、アフガニスタンで長年支援活動に携わってきた日本人医師、中村哲さん(73)が銃撃され死亡した事件で、AFPは首都カブールの空港で行われた追悼式典の模様を、写真入りで伝えたが、特に目を引いたのが、中村哲さんのひつぎを運ぶアシュラフ・ガニ大統領の姿であった

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遺体はその後成田に帰国したが、遺体が到着した成田空港のロビーには、在日アフガン人約60人が「感謝と謝罪の気持ちを伝えたい」と花束や中村さんの写真を手に集まり、死を悼んだ。毎日新聞によると、【在日アフガン人たちは直接、中村さんを見送れなかったものの、空港の駐機場でひつぎに黙とうをささげたバシール・モハバット駐日大使から状況を聞いた。日本に住んで約20年になる茨城県坂東市の自動車関連業、メンザイ・サレ・ムハマドさん(48)は「私たちは中村先生の命を守れなかった。遺族と日本人に申し訳ない。ごめんなさい」と語り、「先生のおかげで多くのアフガン人が助けられた。先生みたいな人はいない」と感謝の思いを繰り返した。

モハバット大使は取材に「守れなくて、こういう結果になって残念で、お悔やみ申し上げます。アフガン人はみんな中村先生のことを愛していたのでみんな泣いている。アフガン人それぞれの心に英雄として永遠に残るでしょう」と話した】と言う。

空港では空港職員が深く一礼したと言うが、所轄官庁の外務省が先頭に立って出迎えるべきだろう。副大臣が出迎えていたというが、それにしてもこれが“大国日本政府”の取るべき姿か?と残念に思う。仮にPKOで自衛官が“戦死した”場合だったらどうか?勿論手厚く出迎えてくれるだろうが、“民間人”だと大々的に出迎えない規定でもあるのだろうか?それとも中村医師の、過去における憲法発言か?納得がいかない。

他方九日午前、福岡空港に戻った時も、空港の展望デッキでは、九州在住のアフガニスタン人が数十人集まり「あなたは私たちのヒーローです!」「守れなくて申し訳ない」などと書かれた横断幕を掲げ、飛行機が到着すると、日本とアフガニスタンの国旗を掲げたりして多くのアフガン人らが中村さんを出迎えた。報道によると【佐賀県多久市のアフガン人ハジール・ジハンさん(46)は「中村さんが亡くなってアフガンの人も苦しいことを家族に伝えたくて、みんなを集めた」と話した】と言う。

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 福岡空港ではペシャワール会の関係者らが出迎え、村上優会長(70)は、遺体の帰国に「安堵した」と話し、時折涙で声を詰まらせながら、「本当に言葉がない。悲しいの一言に尽きる」と中村さんの死を悼んだ。

 成田でも、福岡でも、在日アフガン人らが集まって、心から中村医師の死を惜しんだ。中には「守れ無くで申し訳ない」と言う慙愧の念が書かれていた。その上、アフガン民間機は、尾翼に中村さんの肖像を書き込み「愛し尊敬してた」ことを表現したと言う。(朝日)

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【同国のカーム航空が哀悼の意を込め、旅客機に中村さんの顔を描いて国際線で飛ばしている。同航空によると、中村さんの絵が描かれたのは、エアバスA340型機1機の尾翼部分。6日のフライトから使われており、予定も含めた運航路線はインドやサウジアラビア、トルコ行きだ。さらにもう1機にも中村さんを描く予定だという。

 中村さんを描いた理由について、同航空のスライマン・オマル営業部長は朝日新聞の取材に「中村医師はアフガニスタンの成長と発展に多大な影響を及ぼした。私たちは彼を愛し、尊敬していたからだ」とコメントした。

 同航空は2003年に首都カブールを拠点に設立された、同国初の民間航空会社。通常、機体の尾翼には同航空のシンボルである鳥の絵が描かれている】

 これが素直なアフガン人の心を表したものであろう。そこには人間として共通した心の波動が感じられる。

 ところで日本は神の国であり、精神性を重んじる国柄の筈であった。昔は台湾の八田与一氏のような方が大勢いたが、現代日本人の中で「無私の精神」を国外で発揮したのは中村医師だけだったと言うことになる…

 まあ、国家に命を捧げた多くの英霊に対して、首相がポケットマネーで榊を送って済ませる国に成り下がっているのだから、ある意味、今回の私の目からすれば心のこもらない?出迎え風景は、当然の成り行きだったのかもしれない。

  

12月八日の日米開戦時に、当時の在ワシントン日本大使館では、暗号電報の翻訳などが遅れて、ルーズベルトの“罠”にまんまとはまる大失態を演じたが、その後、戦中戦後のどさくさに紛れて失態を演じた関係者は処罰されず、逆に大出世した前例がある。

 その時、東郷外相の事情聴取(昭和17年7月)に対して、井口参事官は「あれは自分の管掌事務ではないため承知しません…」と平然と責任回避しているが、その後東郷辞任でうやむや、戦後も吉田首相の時に当事者の一人であった森島守人総領事の具申により事情聴取が行われたが、政権交代でうやむやにされた。

そして、1994年までのこれに関する外務省の見解は、「戦争は軍部によって引き起こされたもの、通告の遅延は【現地大使館の怠慢】によって生じたもので、本省にはいささかの落ち度もない」と逃げていたが、翌年、外交文書が公開されるようになると、世論に押されたか「本省の体制上の不備も一因」と一部修正して逃げた。

 国家に貢献した国民をたたえるのは、公人も民間人も無関係であろう。アフガニスタンでは大統領自らが棺を抱えて中村医師の貢献に感謝し、哀悼の意を表したのに比べて、何とも血が通っていない気がするのは、伝統的な役所の仕来たりのせいか?

 中村医師は福岡高校の出身だと言う。すこしだけ先輩に当たるライバル高校出身者の私としては、遥か東京の地から偉大な”ライバル”仲間のご冥福をお祈りしたいと思う。アフガンの地で、エアバス機の尾翼から、自らが手がけた緑の大地をいつまでも見下ろしてほしい。合掌

 

届いた書籍のご紹介

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今月号の『巻頭言』に、「政治的公正に疲れ技術的特異点に向かう世界」と題して、「既存システムへの不満表明はデモから暴動へ」突き進んでいると、志方先輩は警告している。私に言わせれば、技術だけが先走りし過ぎて、肝心の「人間性」が置き去りにされているという事だろう。その意味からも現代社会は危険が迫っていると言えよう。香港は、トランプ大統領の素早い動きに救われたが…

総理よ、過ちては則ち改むるに憚ること勿れ

雑誌「正論」1月号は、「習近平の『国賓』に反対」と言う特集を組み、多くの“保守派論客”が「国賓」にふさわしくないと大合唱している。近来稀に見る出来事である。

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論者の一人である文化人類学者・静岡大学教授・楊海英氏は11月に、「今の自民党政権のガバナンス能力の衰えが見え出したのはほかでもない中国の国家主席習近平氏を来春に国賓として招待すると発表してからではないか、との見方が出ている。この状況を如何に理解すべきだろうか」として、「国賓」習氏は政権の首を絞める、と早くから日本人に警告を発していた。

 その要旨は「世界最大の独裁政権の独裁者を国賓として呼ぶのには、国民の合意と理解を得なければならない。これは民主主義制度下では当然の手続きである。その国民の意思を軽視するのは、長期政権の驕りにみえ」「民主主義の日本と相容れず」と言うにあった。

 産経の【主張】欄も12月1日に「中国の人権問題 弾圧者が国賓でいいのか 日本は欧米と足並み揃えよ」と題して【中国政府によるウイグル弾圧の様子を記した内部文書が明らかになり、世界に衝撃を与えた。強制収容所とハイテク監視装置を用いた極めて深刻な人権侵害だ。米国や英、仏、独などは中国を非難し、拘束された人々の解放と国連監視団の受け入れを要求した】こと。【香港問題をめぐっては、米上下両院のほぼ全会一致とトランプ米大統領の署名によって、民主派を後押しする「香港人権民主法」が成立した】ことを挙げ、“強固であるべき米国との同盟関係”を危うくするものとして、『国賓』としての招聘に疑問を呈した。【隣国で過酷な弾圧が行われているにもかかわらず、日本政府や国会の反応は鈍すぎる。安倍晋三首相や茂木敏充外相は何をしているのか。もっと抗議の声を上げ、弾圧に苦しむ人々に救いの手を差し伸べなければならない。

 とりわけ懸念されるのが、習近平中国国家主席国賓としての来日だ。日中両政府は来春の実施で合意している。だが、極めて深刻な人権弾圧の最高責任者を国賓として招いていいのか。

 米紙や国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した中国政府の内部文書は、すさまじい内容である】と言うのである。

 そして“支持派”である「正論」までも反対に回ったのである。総理はこれをどう捉えるか?

更に今朝の産経には、古森義久特派員の『対中融和唱える日本の異端』と題するレポートが出ている。

これでも総理は“無視して”強行する気か?

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 新進気鋭の国際関係学者・北野幸伯氏は、習近平国賓訪日を中止すべき4つの理由を挙げ、要するに習近平の魂胆は「天皇の政治利用」にあると断じているが、【問題は日本政府の動きだ。安倍首相は2015年4月、米国における議会演説で、『米国国民を代表する皆様。私たちの同盟を、「希望の同盟」と呼びましょう。

米国と日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか。 希望の同盟――。一緒でなら、きっとできます。』と演説して米国民の共感を得た。

 非常に感動的なスピーチで、結果、日米関係は劇的に改善された。しかし、今となっては、「口だけ」と批判されても仕方ない状況になっている。というのも、米国が中国に「宣戦布告」した直後から、日中関係は「劇的」といっていいほど改善されている。

 戦争の最中に、同盟国が敵国に接近する行為を一般的に何というだろう?そう、「裏切り」である。日本は中国に急接近することで、同盟国米国を「裏切って」いるのだ。

 それで、米国の日本への態度も変わり始めた。トランプは、大統領就任後封印していた「日米同盟破棄論」や「同盟不平等論」を、再び主張し始めている】と警告、要するに【人権侵害国家のトップと天皇陛下の談笑シーンは悪夢だ】と言うのである。恐らく世界中の民主主義諸国はヒトラーと握手する日本国天皇だと受け取り批判するだろう。

 安倍政権に抵抗する“野盗の群れ”は相も変わらず、首相主催の「桜を見る会」を巡る政府対応に反発し、国会審議を欠席すると言う体たらくだが、彼らの立場からすれば、安倍政権が崩壊することが望みなのだから、”独裁者”の国賓招聘にクレームをつけるまい。

繰り返し申し上げる。我が国にとって、百害あって一利なき共産主義専制国からの『国賓招聘』を反古にしなさい。孔子は言った。

「過ちて改めざる、之を過ちと謂う」、「己に如かざる者を友とするなかれ、過ちては則ち改むるに憚るなかれ」と。今からでも遅くはない。「 間違っていたと思ったら、躊躇しないですぐさま改める」のも指導者の務めであることを忘れないで欲しい。

 

届いた書籍のご紹介

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ジャパニズム52:青林堂¥926+税」

矢作直樹氏と並木良和氏の対談「神様の視点でみた現実世界」は癒やされる。とげとげしくなってきた世界情勢から、離れてみるのも健康上良いことだろう!

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世界の傑作機スペシャル・エディション:8;文林堂¥2000+税」

航空ファン誌で有名な文林堂の世界の傑作機シリーズである。今回は陸軍の「飛行第47戦隊」の写真集であるが、よくこんな貴重な写真が今まで残っていたものだと感心する。

何よりも国難に立ち向かう、当時の若者たちの健全な笑顔と真剣さに感動する。その昔、第6航空団司令だった黒江将補のシンガポール時代の若かりし姿を拝見して懐かしい限りだった。この時代の若者たちの青春記録として貴重なものだと思う。

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島嶼研究ジャーナル」

当初資料センターが出す、専門書である。思いがけない貴重な論評が出ている専門書でもある。

棺を覆いて事定まる

中曽根元首相が、101歳で死去された。氏は「戦後政治の総決算」を掲げて数々の行財政改革を推進したが、とりわけ外交において、日米同盟を当時のレーガン米大統領と「ロン・ヤス」と呼びあうほどの強固な関係を築いた。

 世界各国の首脳たちから哀悼の言葉が届いていると言うがさもありなん。

 今朝の産経抄子はこう書いた。

【海が荒れたとき、船をどう操るか。旧海軍に伝わる操舵の心得がある。「荒天のときは風に向かえ」。

 ▼先の大戦に海軍士官として出征した中曽根康弘氏にはその教えが刻まれていた。首相として初めて臨む組閣を前に「風に向かって立つという心境だ」と述べている。昭和57年晩秋の就任時、日米関係は安保をめぐり戦後最悪といわれた。訪米時の「不沈空母」発言は世論騒然の強風を招きながらも、日米の距離を縮めている。

 ▼時のレーガン大統領を東京・日の出町の山荘に招き、親密の度を加えた「ロン・ヤス」関係は日本を冷戦終結や核軍縮のキープレーヤーに押し上げもした。何が国益かを見極めた、慧眼ゆえの立ち回りだろう。その流れはいまの日米関係に引き継がれている。<なにもかも人生劇場秋陽没(い)る>。俳句の名手でもある中曽根氏が101歳で亡くなった。

 ▼毎年の手帳には「結縁、尊縁、随縁」と記した。縁は天からの贈り物(結縁)、生あるかぎり互いに縁を慈しみ(尊縁)、身勝手に切らない(随縁)-と。週末にはケネディの選挙戦略を描いた『大統領になる方法』を教材に読書会を開いた。招いた財界人、文化人が後の権力闘争の強い援軍となったのは言うまでもない。人も書も機縁に恵まれた。

 ▼世評にいう「風見鶏」の揶揄(やゆ)も柳に風だった。時流の変転を先読みし、機を見るに敏の行動力は、「戦後政治の総決算」として断行した国鉄民営化や行政改革の事績が物語る。「政治家は歴史法廷に立つ被告」との達観は、覚悟を示してすがすがしい。死してなお続くであろう中曽根政治への「歴史法廷」の裁きも本望に違いない。

 ▼ここ数日の東京は晩秋の澄んだ青空が続いた。風のない旅立ちに氏はどんな句をひねったろう】

 世に、「棺を覆いて事定まる」と言う言葉がある。国会議員現役時代は、変わり身が早いと言われ、「風見鶏」とか君子豹変すなどと揶揄されたが、「不沈空母」論を唱えるなど、一貫して日米同盟を重視してきた功績は大きい。

 

 私が防大に入校した年来校されて講演を聞いたことがあったが、海軍時代の思い出として「ガンルーム(士官室)内での士官たちは本を読まない」と批判したことが印象に強く残っている。「彼は内務省から海軍入りした主計中尉だったから実戦経験が少ないのだろう。艦上では本など読んでいる暇はないはずだから・・・」と”誤解しているのだろう”と解釈していた。

 浜松で戦闘機操縦教官をしていた1尉の頃、防衛庁長官として視察に来基された時、時の団司令に呼びつけられ、メインテーブルで長官に紹介されたことがあった。

その時団司令は「佐藤1尉は戦闘機教官だが絵画が趣味で自衛隊美術展にも入賞している」と言った。私は”ガンルーム・・・”の話を思い出し、団司令が意図的に言いだしたのか?」と一瞬思ったが、長官は「油絵か?どんな作品を出したのか?」と聞かれた。「”嫁ぐ日”と言う油の50号です」と答えると、「ああ、花嫁を描いた作品だな?。覚えているよ」とわざわざ握手された。長官が油絵同好者の「チャーチル会」メンバーであることは知っていて尊敬していたが、その時「若いのに老けている(髪が薄い)な!」と私を笑ったので、 “カツン!”と来た私は「長官も苦労されているようですね!てっぺんが結構薄くなってます!」とやり返すと、「ナニッ!」と手を離されたので、本気で気にされているな!(弱点か?)と直感したことを覚えている。

                   

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(右端で笑顔を見せている”ヘアスタイルが目立つ?”のが当時の私!)

その後首相になり、レーガン米大統領と親密な関係を築いたことは書いたが、退官後、近在にある「日の出山荘」を見学し、数々の展示品を見た時、首相時代受けた印象とは一味異なった氏の人間性を垣間見た気がした。

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日の出山荘

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日の出山荘の内部(一部)

 

しかし、氏の大きな負の負債は、靖国神社公式参拝問題が中国及びそれに加担する日本メディアなどの妨害に遭って、とん挫したことであったろう。だが、それを解決するのは後継者たる現在の首相はじめ現役国会議員の責務である。(少しは骨のある男がいることを信じたい…)

敗戦で曲げられた戦後時代の負の遺産の解決は完全解決とはならなかったが、それを解決するのは後継者の使命である。

しかしこれで「有事」を体験した首相は”絶滅した”。

“定年制”を持ち出して、“引導を渡したのはあの小泉元首相だったが、ぼけを自覚できない老人が増える現在、惜しい人物を追い出したものだ。"引導”を渡す時期”が早すぎたと悔やまれてならない…。

これでわが政界は、戦争=有事を実体験した世代が終焉し、“口だけ番町”がのさばる時代に凋落する「区切りの時期」を迎えたのである。

 混乱しつつある世界にどう対処できるか、非常に心もとなくなってきた。

 産経抄子は【「政治家は歴史法廷に立つ被告」との達観は、覚悟を示してすがすがしい。死してなお続くであろう中曽根政治への「歴史法廷」の裁きも本望に違いない】と弔辞を書いた。もって瞑すべし、だろう。

何をさておき101歳の天寿を全うされたことを寿ぎ、今後は天空から「日本民族が道を誤らぬよう」見守ってほしいと思う。   合掌