軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

浮き足立つ既得権益亡者

トランプ次期大統領が組閣に動き出した。予想に反して?実務に明るいメンバーの名が挙がっていて興味深い。
そんな最中、安倍首相がヒットエンドランを放ったが、出遅れた他の首脳陣、とりわけシナの反応が面白い。大国らしくない“嫉妬”が伺えるからだ。
マ、ここも韓国もその程度だと思えば納得できる。

≪安倍首相、トランプ次期大統領を表敬=インターネットから≫


米国内では、ごく少数派の金の亡者たちが右往左往し始めているという。面白かったのは次のニュースだ。

≪中国高官子弟を不正雇用 米JPモルガン・チェース銀行に288億円罰金(大紀元日本)
 米大手のJPモルガン・チェース銀行が、現地政府高官の親族などを中国支社が違法に雇用した問題で、米当局に総額2億6400万ドル(288億円)の罰金を支払うことで和解することが、わかった。

 連邦海外腐敗行為防止法に違反したとして、JPモルガン・チェース銀行は米証券取引委員会(SEC )に1億3000万ドル、連邦準備制度理事会FRB)に6190万ドル、傘下のモルガン・スタンレー証券アジア支社が米司法省に7200万ドルを、それぞれ納めることになる。

 数年間にわたり中国高官たちの要求に応じてその親族や友人など100人あまりを不正に雇用したとして、SECと司法省は2013年からJPモルガン・チェース銀行を調査しはじめていた。今回の和解により同銀行が刑事訴訟を免れる模様≫

≪米大手のJPモルガン・チェース銀行が、現地政府高官の親族などを中国支社が違法に雇用した問題で、米当局に総額2億6400万ドル(288億円)の罰金を支払うことで和解 (Photo by Spencer Platt/Getty Images)=大紀元日本から≫

さて、この会社の息がかかった米中の政治家は誰だろう?


韓国はもっと出鱈目だ。
≪「陰の実力者』の娘、韓国馬術競技でやりたい放題 そして、不正入学疑惑の名門女子大に退学届(産経)。
ハンギョレ新聞など韓国メディアによると、韓国検察は11月8日、韓国GDP(国内総生産)の約2割を占めるといわれるサムスンへ家宅捜索に入った。同社は崔順実容疑者を最も積極的に支援したとされている。チョン・ユラ女史が実質所有したドイツ法人に280ユーロ(約3億2400万円)を支援した疑惑を捜査するのが目的と報じられた。
表向きは崔容疑者のコンサルティング契約料とされるが、一方で、17億〜18億ウォン(約1億5000万〜1億6000万円)とされる名馬を購入し、チョン・ユラ女史の海外トレーニング費用などに充てられていたという疑惑が伝えられている≫

≪朴氏辞任求め、ソウルに18万人 4週連続の大規模集会=朝日デジタルから≫


このような、一部の“虚業”に励む特権階級の傲慢で傍若無人な行動が、ひたすら黙々と“実業”に励んでいる中産階級の労働者たちの怒りを買った結果が、今回の米大統領選だと言えるが、この動きは世界中に拡散しつつある。誰も止めることが出来ないだろう。


その一端が11月19日の産経新聞「目線―読者から」欄の「声なき声」の声によく表れていて面白い。
「米国民の現状への不満が大きかったのだ…。」「日本にとって好機ととらえるべきだ…。」「自前の憲法をつくる最大のチャンス…。」「イギリスのEU離脱にフィリピンでのドゥテルテ大統領誕生…。経済格差と社会の閉塞感が世界共通の問題であることを米メディアは見逃していた」「日本のメディアも引きずられてクリントンが確実との報道をしていた。こういう状態を正さないと世界を見誤る」「…ずっと世論調査で数%の差しかなかった現実を、産経新聞も考察すべきでした」などという意見が寄せられているが、至極まっとうだろう。
何しろ日本の外交を一手に受け持つ外務省が、トランプ候補をハナから軽視していたのだから、大東亜戦争開戦時と同様、“世界情勢を見誤”ったといっても過言ではない。
そこで今回は安倍首相は外務省の判断に頼らず、トランプ家の門をたたいたのだろう。

今回の事象で分かったのは、いかに国民がメディアの“誤情報”に惑わされているかという実態の一部である。マ、情報を一方的に握っているのがメディアだからやむを得ないが。

しかしこれからは、清濁併せた情報がインターネット上に溢れるだろうから、メディアもウカウカしてはいられまい。


私などは現役時代から「自衛隊関連記事」がいかにメディアによって偏向され、操作されているかを思い知らされてきたので、ニュースを見ても「はたして然るか?」と疑ってかかる癖がついているから、今回も惑うことはなかった。

いずれにせよ、トランプ現象は、これらのメディアと、前記のように利益第一主義で既得権を思うがまま利用していた政治と絡んだ企業とは名ばかりの虚業の一部に、恐慌が走ったことは間違いあるまい。

これで少しは正義が表に出て、世の中に公平性が戻ってくればいいのだが…。


ところで先日、久しぶりに福岡の同級生から電話が来た。
「博多に来ることはナカトヤ?」と言うから、「駅前に落とし穴があるような博多にゃイケンバイ。しかし穴埋めはさすが早かったな〜」と答えると、「博多は東京と違って、仕事は早かと。東京は有識者とか専門家バ集めて会議ばかりシヨロウガ。博多はソゲンことはセン、穴を埋めるのが先タイ」と言った。
任侠道の中心といわれる北九州では、口で罵り合ってけんかするのは関西人、ものも言わずぶん殴るのが九州人、と言われていた。シナ大陸でも、またも負けたか8連隊…と言われ、その穴埋めをさせられたのが九州の部隊であり、東北の部隊であった…。
だから穴埋めはお手の物…と思っていた矢先にこんな記事が出た。


≪【博多駅前陥没】休業で数十万円の損害も… 賠償金受け取り辞退の経営者「被害は小さい、もっと他の必要なことに使って」
陥没事故で支払われる賠償金について、辞退を申し出た経営者がいる。東日本大震災熊本地震の被災地で支援活動に従事した経験から、「私たちの被害は小さかった。もっと他の必要なことに使ってほしい」と語った。

 はかた駅前通りに面する「タカラ薬局」には、事故が起きた8日、避難勧告が出た。9日には再開でき、休業は1日だけだったが、数十万円の損害が見込まれる。

 それでも岡村由紀子社長は市職員に「賠償金はいりません。市で他に役立つことがあれば、そのことに使ってほしい」と申し出た。

 岡村氏は東日本大震災熊本地震の被災地で、薬剤師として支援活動をした。甚大な被害を目の当たりにした。だからこそ、今回の陥没事故で犠牲者が出なかったことに、心からほっとした。

 「一人の命も奪われなかったのは、現場のみなさんの素早い対応があったから。迅速な復旧にもありがたいと思っている」

 事故発生まで、現場では地下鉄七隈線の延伸工事が進んでいた。岡村氏は「夜間、仕事をする作業員をよく見かけた。これからも頑張って、工事を進めてほしい」とエールを送った。

 現場そばにある「九州総合診療クリニック」(岡田享子院長)も、賠償金の受け取りを辞退する。避難勧告が出た8日は休診を余儀なくされた。9日に再開したが、数日間は来院者が普段より少なかった。それでもクリニック側は「東日本大震災熊本地震と比べて被害が小さかった。自分たちがもらうより、別のことで街に役立ててほしい」とした。(高瀬真由子)≫

さすがわが郷里、久々に心が洗われる気がして大いに嬉しくなった。これが人間たい!

東京では、豊洲移転問題が大詰めに差し掛かりつつあるが、「補償問題」で揺れている。
当事者の“独り”である元都知事は、文芸雑誌に得意の評論を掲載して、ますます晩節を汚しつつある。

いっその事、首都を博多に移転したら?? その方が日本中に人間らしさが戻ってくるのじゃないか??


さて、シナの情報を一つ。
産経が「中国戦闘機の女性パイロット、『金のクジャク』が事故死 『殲10』墜落相次ぐ 『女性の理想像』称賛も、過度な訓練強化が要因か」と報じているが、もともと殲10は事故率が高いことで有名である。
今回はたまたま女性美人パイロットが事故死したに過ぎない。

こんな記事もある。軍事ニュース紙に「日本自衛隊軍官は広東省珠海の航空展覧会に出席」と写真入りで出ている。日本を気にしているんのである…。

≪PSを真似たAG600・主翼に問題がありそうだが…≫

≪AG600を見る自衛隊軍官・表情が怪しいとある≫

中共新華社は「自力で研究設計した大型水上飛行機と自賛」USに対抗心を燃やしている。
2枚目の写真には「腕を組んだ表情が怪しい?軍人がいるが、調査したところ、日本自衛隊の開発実験集団司令官・荒木文博で、彼の周辺にはもう2名の自衛官もいた」と解説してあった。本人は知っているかな〜〜


次は国防講座のご案内
日 時:平成28年11月26日(土)13:00開演(15:30終了予定)
場 所:靖国会館 2階 偕行の間
講 師:佐藤守(軍事評論家、日本兵法研究会顧問、元南西航空混成団司令・空将)
演 題:日本はなぜ大東亜戦争に突入したのか?=日本外交を見直す= 
参加費:1,000円(会員は500円、高校生以下無料)
お申込:MAIL info@heiho-ken.sakura.ne.jp
 FAX 03-3389-6278(件名「国防講座」にてご連絡ください。事前申込みがなくても当日受付けます)

届いた本のPR
==================

鈴木貫太郎小堀桂一郎著・ミネルヴァ書房¥4200+税≫
海軍兵学校第14期卒。日清日露戦役に従軍して勇猛な水雷戦隊指揮官を務めたが、軍政面でも異彩を発揮し、のちに侍従長として昭和天皇の厚い御信頼を得る。
大東亜戦争の土壇場になって総理大臣として見事に大戦を収集し、救国の難偉業を達成する。
本書は小堀教授が長年まとめ上げてきた多くの資料を整理され、鈴木貫太郎という「一人の男」の実像に迫る。
副題の「用うるに玄黙より大なるはなし」は、「決して肚の裡を口外せず、一切の弁明をしないのが大事を為す者の確率であるの意」だが、人材不足の現代の日本人には求めることが不可能であろう。特に政治家には…


≪軍事研究誌12月号・¥1230≫

今月の巻頭言で、志方俊之氏は「メディアが創りだす虚像とあぶり出す本音」そして「図らずも日本の役割が大きくなる時代が来た」と書いているが、全く同感である!

アメリカはいかにして日本を追い詰めたか: 「米国陸軍戦略研究所レポート」から読み解く日米開戦

アメリカはいかにして日本を追い詰めたか: 「米国陸軍戦略研究所レポート」から読み解く日米開戦

強制退去アメリカ人研究者の中国はこれほど戦争を好む

強制退去アメリカ人研究者の中国はこれほど戦争を好む

リベラルたちの背信―アメリカを誤らせた民主党の60年

リベラルたちの背信―アメリカを誤らせた民主党の60年

なぜ外務省はダメになったか―甦れ、日本外交

なぜ外務省はダメになったか―甦れ、日本外交

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した