軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

動き出した拉致問題

女工作員に逮捕状」と各社が競って報じた。曽我さんを拉致した女工作員、キム・ミョンスク(当時40〜50歳代)に対して、新潟県警がようやく逮捕状を取ったというのである。女が仮に生きていれば現在70〜80歳だから今更・・・という気がしないでもないが、警察庁の漆間長官が記者会見で言ったように、「6カ国協議に復帰する北朝鮮に対して、拉致問題を忘れてもらっては困る」というシグナルだとしたら、それなりに評価できる。
 しかし、私は日本国民に対して、今まで「手を拱いてきたのではない」という警察庁のシグナルでもあるような気がする。つまり、あの当時、日本国内に張り巡らされていた北朝鮮のスパイ網を監視していた警察庁は、同時に奇妙な「行方不明事件」が多発するので、その捜査も行っていた。富山、新潟などの海岸から行方不明になったものがいることや、昭和53年に北陸の日本海側海岸から4組のアベックが蒸発したり、襲われて拉致されかかり、かろうじて逃げた事件など、その手口から北朝鮮のスパイ事件と関連があるとして、かなり厳密な捜査を行っていたのである。
 しかし、それが「何故」急に音沙汰なくなってしまったのか?ということが大問題なのであって、我々日本人はその事実関係を政府に説明させる必要がある。
 情報によると、上(政治家)から強烈な圧力がかかって、北朝鮮のこの問題については、捜査を断念せざるを得なかったからだという説が根強い。
 以前このブログでも紹介したが、野党、社会党親北朝鮮派代議士はもとより、与党の中からも「実力者」といわれた金丸氏に代表される多くの代議士たちが、北朝鮮に有利に働くような介入をしたことは、既に知られたことである。そのおぞましいほどの「犯罪行為」に対して、明確な証拠を突きつけたのが訪朝した小泉前首相で、その「事実」を認め、「謝罪?」したのが金正日であった。
 あの時彼は「部下の下部組織が勝手にやった事だ」と弁明したが、それが真っ赤なうそであることは、あの国の組織を見れば一目瞭然であった。
 あれ以来、日本国民の意識が変わったのは当然である。「拉致被害者を救え!」という「手弁当」の集会が全国に広がり、今や政治を動かす存在になっている。
しかし、“いまいち”で奥歯に物が挟まったような感がぬぐえなかった。では何故今までこの問題が「真剣に取り上げられなかったのか?」という素朴な疑問に、誰も答えようとしなかったからである。警察の捜査に介入したといわれる政治家たちは、口をぬぐって知らぬ振りであったし、マスコミも、徐々に「転向」し始めたが、それはあくまでも「上」の態度と国民の動きを勘定しつつ動いて来た過ぎない。
 それがこの問題に非常な意欲を持って臨んできた安倍総理が誕生したことによって、警察庁もやりやすくなったのであろう。ようやく「くびき」が取れたらしく、本来の任務にまい進し始めたかのように見える。ようやくこの国に「正義」が息を吹き返したのである。
 だから私は漆間長官が言った「北朝鮮に送ったシグナル」というよりも、警察庁自身が、今まで政治家たちからの圧力で動きが取れなかった恨み?をこの際国民に対してアピールしているように感じたのである。
 警察庁にはかなりの情報が集約されていることは確かであろう。熱心な担当者も多いときく。「くびき」が取れた以上、この際、一気呵成に北朝鮮を追い詰め、過去の不作為の罪滅ぼしをしてもらいたいと思う。同時に、あの時まじめな担当者の捜査に「圧力」をかけてこの問題を隠蔽させた「代議士たち」に対しても、それ相応な罪滅ぼしを要求したい。国民はこの問題から絶対に目を逸らせてはならない。
 佐賀県知事の記者会見で「傲慢な質問」をした、半島人の新聞記者の行為は、未だに「脅かせば日本人は引っ込む」と錯覚した、半島人らしい傲慢さの表れである。
 この国に潜伏し、この調子で政治家や関係者に「圧力」をかけ続けてきた彼ら工作員達から凄まれて、すねに傷持つご当人たちは正義を無視し続けてきたのであろう。
 しかし、悪は長くは続かない。国内では、岐阜県福島県、そして和歌山県と、長年県民をだまし続けてきた現職知事の不祥事が表面化してきている。国民を苦しめ、だまし続けてきた裏切り者政治家達の悪行は、やがて白日の下に晒されるであろう。
 教育界の「いじめ問題」も、実は半島に絡む問題だ、と指摘するコメントも目立つ。「敵」はいよいよ本性を現し始めた。拉致問題にしても、過去の歴史問題にしても、彼ら“外国人たち”と組んで、自国に反旗を翻した、日本人政治家たち(半島出身?の政治家は別として)に対して、国民は厳重な監視を怠るべきではないし、悪徳県知事のように卑怯にも「辞職」すれば済むという単純な問題ではない。
 100人以上もの同胞たちが、30年間にわたって言われなき地獄を味わったのであり今でも味わっているのである。国民はようやく動き出した警察庁始め、政府の行動を、真剣に監視し、これら「裏切り者たち」に対して鉄槌を下すべきである。
 安倍首相に期待するところ大である。