十二日午後、水交会で行われた市来会に出席して、会長である海兵六十七期の市来俊男氏の体験談を聞いてきた。
終戦直後、海防艦長となり、壱岐水道、対馬海峡東水道に日本海軍が敷設した係維機雷の掃海に従事した体験談と、関連して日本海軍の防備計画全般についての話であったが、華々しい海軍作戦は語り継がれていても、掃海作戦のような地道な縁の下の話はあまり語り継がれていない。
会場には、ペルシャ湾掃海部隊指揮官だった同期の落合君も来ていて、久しぶりに歓談できたが、何よりもすごいのは、九十六歳になられた市来会長の記憶力抜群な話であった。
先日ニューギニアの話を伺った陸軍の堀江先輩は100歳で、あけぼの会を主宰する元奉天特務機関員・門脇先輩も100歳を超えてなお台湾を訪問するなど、元気に活動しておられる。
どうもその秘訣は「若いうちに徹底的に鍛え上げられた身体」にあるようだ。
≪二時間講演された市来会長…脱帽!≫
さて、STAP細胞の話題は、小保方氏が理研に追加資料を提出して、継続審議?されることで一応落着したようだ。
しっかり結論を導く前に、誰かが走り出してしまい、走りながら考えた結果、組織の醜態をさらすことになったようだが、軍隊で言えば、独断専行、指揮統率不十分、朝日新聞的に言えば「関東軍の独走」だったのか?
STAP細胞の論文問題で、「理化学研究所が再調査が必要かどうか審査を始めた」ので、小保方晴子研究ユニットリーダー側が追加資料を提出、「代理人の三木秀夫弁護士によると、小保方氏が不服申し立てした内容について、補足があれば追加で資料を提出するよう理研から要請があった(産経)」そうだが、これは問題発生前に処置しておくべきことだった。
この問題については【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】(458)「あざとかわいい」小保方さんが演出した「対立構造」が面白いので、掲載しておこう。
≪2時間半にわたる小保方晴子さんの会見。ぼくの周囲の男性たちは概して小保方さんに同情的だが、女性たちはキビシイ。
「男はね、ああいう女にすぐ騙(だま)されるのよ」
プライバシーにも大胆に踏み込んで小保方さんにいちばん厳しいのは『週刊文春』だが今週(4月17日号)も「禁断の細胞 小保方晴子さんと理研上司の『失楽園』」。周辺取材のみ。
発売日が変則になっているので週刊誌で最も早く会見の模様を報じたのが『週刊現代』(4・26)。「独占 愛は憎しみに変わった 小保方晴子が大反論! 理研のドロドロ内幕を、すべてバラす」と8ページ。
「独占」「大反論」とあるから、『現代』が独自にインタビューしたのかと思ったら「バラ」された「ドロドロ内幕」はすべて会見と周辺取材による記事。
羊頭狗肉(くにく)というか、こりゃ詐欺だ。
〈「彼女は『あざとさ』と『かわいらしさ』を併せ持った、『あざとかわいい』女性です。(中略)『やる気は十分。でも未熟な女性科学者』VS『マスコミ』『権力を持った理研の上司』という対立構造を見事に演出していました」〉
小保方さんにそこまで計算する余裕があったとは思えない。
それにしても、もしたった今、世界のどこかの研究所でSTAP細胞が再現できたらマスコミはどんな大騒ぎになるのか。想像するだけで楽しい(以下省略)(『WiLL』編集長)≫
後は結果を待つことにしたい。
そこで話題になった「科学的根拠」についてだが、2日前に届いたUFOの映像(DVD)をみて、これは非科学的というより、科学的にとらえているのじゃないか?と感じた。
「UFO」といえば、科学的に証明できない≪非科学的存在≫の代表だが、私が講談社から上梓した「UFO目撃談」の読者から、今でも体験談が届く。
これはその中でも最も信頼できる一研究者からの情報である。
≪2014年1月12日午前2時30分から約20分間に亘り、島根県浜田市より西北西仰角20度の海上方面にビデオ撮影された、静止状態で明滅的変化を見せる未確認のオレンジ色矩形発光体に関する報告」という表題の報告書だが、長年営業用3管式ビデオカメラによる撮影を行ってきた島根県の電気商経営の男性(71)が、昨年暮れと1月6日に見た水平飛行する火球に関心を持ち、1月11日午後8時から12日午前3時30分まで、三脚に固定したビデオカメラによる長時間無人撮影を試みたその結果である。
DVDには、12日午前2時30分の時間帯に、約20分間、見かけ上、月の大きさに匹敵する光源の出没が映っていて、月ならば1時間に15度、又は約2分間に0・5度日周運動で移動するが、その光源は不動であったし、当夜は雲で月は見られなかったという。
DVDには、その光源は、何も存在しない暗い空間に点状で発生し、徐々に面積が広がり、一定の形状を保って安定する。しかしやがて面積が縮小し一時消滅し、再び現れる。
≪送られてきた資料から≫
書面には、撮影地点と方位、この日の気象状況(衛星写真図)、松江気象台の目測観測による気象状況、など細かい資料が添付されている。
この日のこの時間帯に、日本海上空を観察していた人は、漁業関係者か≪不審船乗組員か工作員≫くらいしかいないだろうから、他に見た方は少ないだろう。
見ていないから証明できないとは言えないのであって、私の本に書いたようにUFO目撃者は結構多く、特に空に生きる空自の操縦者にはかなり目撃者も多い。
例えば、友人のジャーナリスト・武田頼政氏の名著「ブルーインパルス=大空を駆けるサムライたち(文芸春秋)」の、第4章「大観衆の前で起きた墜落事故」の項に、「パイロットたちの神秘体験」という一項がある。
そこには、ブルーのリーダーであった岡本俊基君が若いころ、三沢基地の飛行場当直勤務中であったある日の夕方、
≪ふと気づくと基地の東方海上何マイルもの彼方に、巨大なヘッドライトのようなものがぽっかり浮かび、強烈な光芒を飛行場に向けて照射していた。ただ眩いばかりで形状などさっぱりわからないが、目を細めてみるとその物体は風に揺らぐこともなく、一点にとどまって身じろぎもしない。驚いた岡本は、各部署に連絡した。屋外に飛び出た隊員たちは、それを指しながら「UFOではないか」とささやきあった。しかも不思議なことに飛行場のレーダーには何も映っておらず、下北半島にある大湊レーダーサイトにも問い合わせても返答は同じだった。わけもわからず皆が注視する中、三十分ほどするとそれはスーッと東の空へと消えて行った≫
目撃談であって、証拠写真も記録もないから、科学者からは≪非科学的妄想だ≫といわれるだろうが、今回送られてきた資料は証拠がそろっている。
これだけでもまだ「科学的」だと納得されないのだろうが、UFOはさておき、STAP細胞の方は多くの患者さんに希望をもたらすものだから、リケンもリーダーも共に協力して実現してほしいものだ。
ところで、国際情勢は緊迫してきた。ウクライナ問題は、遅疑逡巡する“世界の警察官”の虚を突いた形で進行していて、下手をすれば「米ロ冷戦」ならぬ「熱戦」に発展しかねない危険性がある。
戦争とはこうして始まるのだ!ということを臆病になった日本人の眼前に例示しているようなものだ。
にもかかわらず、わが政界では、集団的自衛権問題一つ解決できず、今朝の産経新聞には「小型護衛艦33年度導入」などと気の抜けた記事が出ている。
駆逐艦とは言わず『護衛艦』と表現するのは放っておくにしても、「離島奪還想定」という表題には苦笑した。
≪奪還≫という以上、わが国の領土を一旦占領させて初めて作戦を開始するということだろう。今その焦点になっているのは尖閣だが、やはりシナに上陸させてから“奪還”する計画なのだろうか?
南鳥島など、6000以上もある無人島のなかのどこかが占領されているのを見つけて奪還するのは当然だが、敵が狙っている島を防備もしないで放置しておいて、上陸されてから改めて奪還するという思考はどこかおかしくはないか?
勿論、海自が小型艦艇を増強するのはいいことだが、
≪新型艦は機雷戦の際に水中情報を効率的に取得するためのUSVやUUVを搭載、離島奪還作戦もにらみ、小規模な陸上戦力の輸送や揚陸作業にも活用する計画…≫とあるが、事前に機雷を敷設しておいたらどうだ?
機雷戦だったら、市来先輩や落合君によく相談されることをお勧めする。
小回りが利く小型艦艇を離島奪還作戦に投入するのもいいだろうが、一旦上陸されたら、奪還には相当な出血を覚悟する必要があるのは、戦史が示すところだ。そうさせないようにわが方の態勢を整えて初めて[抑止効果]につながるのだが、戦争が嫌いだと公言する割には、我が政府は、敵を誘発しかねないような不用心な発言を平気でする。
むしろ、仮に尖閣にシナ兵が上陸しても、ニミッツがとった≪飛び石作戦≫に習って海空から封じ込めることの方が効率的だろう。
その意味では小型艦艇の増強は有効だろうが、同時に制空権を強固にし、対地攻撃を継続できる航空戦力の整備も必要だ。
兎に角、先手先手ではなく、後手後手に回る作戦計画は、敵に攻撃心を引き起こさせ、結果として味方の出血を増大するだけだということを理解してほしいと思う。攻撃に勝る防御はないのだ。
やがてウクライナ方面で、それを目撃させられてあわてふためくことがないようにしてほしいと思っている。
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