軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

しんぶん『赤旗』の不勉強

我が家のポストに『しんぶん赤旗』の6・7月号号外が入っていた.
始めはタイトルに『戦後60年』『首相の靖国神社参拝』『21世紀に,日本がアジアの一員として生きていけるかどうかの大問題です.』とあったので,常識派のパンフレットで,首相の参拝を促すものかと思っていた.ところが内容は,靖国神社の『遊就館』が『軍事博物館』で,二千万人ものアジアの人々の命を奪った侵略戦争を『アジア解放の戦争だった』『太平洋戦争を起こした責任はアメリカにあった』とする,「戦争賛美を国民に広める事が,靖国神社の『使命』です」という反日パンフであった.曰く「侵略戦争への反省は,戦後の世界と日本の原点で,靖国神社の立場は,この原点を根本からくつがえすものだ」.そして漸く4面で「首相は参拝中止を決断すべきです『日本共産党』」と書き最後に「保守派の人からも、マスメディアからも、参拝中止を求める声が広がっています」として、「河野衆院議長が元首相を集めて会談したこと、中曽根元首相も…やめるべき』と発言.新聞各社(朝日,毎日,東京)が社説で参拝中止を求めていると締めくくる.

中国政府の言葉を借りれば日本共産党にも『歴史認識をもっと改めてもらいたい』.
紙数に限りがあるのでくどくは書かないが,せめて文化大革命の頃の中共の出版物には,毛沢東自身が『日本軍閥の中国侵略に感謝を表明』している事実を学んで欲しい.例えば,
『日本軍国主義は,中国に極めて大きな利益をもたらし,中国人民に政権を奪取させた』
そして訪中した社会党幹部に『貴方たちの皇軍が中国を侵略しなかったら,中国共産党は政権を獲得する事は出来なかった』と感謝した.
国民党軍の最高司令官であった何応欽は,昭和49年に台湾で,経済問題について述べた際,
「…日中戦争は日本亜細亜大学石村暢五郎教授の指摘によれば『中国共産党の煽動と挑発によって起こされた』ものである.日本は戦後、中華民国蒋総統の寛大な温情のおかげで再建が急速に進み、経済が繁栄し、20数年後の今日ではすでに世界の経済大国となった.
日本の為政者は本来ならば,蒋総統の温情に感謝の念を捧げつつ,中共の離間,分化,挑発,転覆の陰謀を教訓として,中華民国と真心をもって提携協力し,共産主義の禍を防止し,日華両国が真に共存共栄の道を歩む事に努めるべきである.(中略) この中日戦争の勃発によって,日本は中華民国と奇しくも悲惨な運命をともにした.…」と語っている.
何応欽の発言,特に蒋介石の(温情)については異論があるが,少なくともあの戦争は日本の「侵略戦争」ではなく,共産党の「謀略」であり、蒋介石も日本も「うまく嵌められた」事は疑いない.毛沢東が当時の日本社会党の訪中団に語った前言は余りにも有名であるから勉強家集団の共産党幹部がご存知ないことはあるまい..
赤旗が冒頭に書いたように,中国政府から難癖をつけられている小泉首相靖国参拝は,日本がアジアの一員として生きていけるかどうかを占う大問題であり、ここに至っては一歩も引けない問題である.これに反対している人達こそ,敵のお先棒を担ぐ,いわば『国賊』であろう.
日本共産党が,日本国民から信頼され,選挙で勝とうと思うならば,この(中国共産党の謀略)によって引き起こされた戦争で,多くの(人民)が犠牲になった,その御霊を祭る靖国神社に,首相が参拝しない事の方がおかしく思わないか?
日本共産党は,『党名の(日本)をもっと自覚すべき』である.靖国神社を戦争を賛美する神社だと『誤解』しているようでは,(日本)の名が泣こう.「侵略戦争への反省が戦後の世界と日本の原点」だとは知らなかったが,同じことを共産主義国である中国政府にも伝えて欲しい.そして犠牲となった『人民』の名誉を守るために,『首相に対して8月15日に参拝せよ』と迫る事が出来ないようであれば,党名の(日本)を(中国)と改める事をお勧めする.