軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

中国艦艇の不法な調査活動を阻止せよ

東シナ海のみならず,今や沖ノ鳥島周辺でも中国艦艇の『軍事活動事前調査活動』が頻繁に行われるようになった.これは,①将来の対米対決に備えた情報活動.②資源探査などが主な目的である事は自明だが,他に対日『プロパガンダ』が考えられる.
つまり,沖ノ鳥島については,東京都の石原知事が,堂々と『対中阻止活動』を実施したから、彼らとてこれで黙れば石原知事の主張を受け入れた事になるから,意地でも当分の間は『意思表示』をしなければならないからである.ここで我国が,手をこまねいていると,彼らは再び傍若無人な行動に出る恐れがある.今や剣が峰である.
ところがこう言うと,「だから石原知事は余計な事をしてくれた.刺激するからいけないのだ」という,親中派と『事勿れ派』が台頭して石原知事の足を引っ張り,身内いじめが始まる.
我国は、石原知事が行動するまでは,この周辺では中国の違法活動にさえ全く手出ししなかったのだから,これからは『厳正に対処する』事を実地で示す必要がある.
東シナ海問題も同様であり,中川大臣になってはじめてわが国は重い腰を上げた.
いかに現状報告しても,現地に『視察』に訪れた『…委員会』などの国会議員に真剣に説明しても『なしのつぶて』,せいぜい…委員会に同行した役人が書いた『旅日記』が,「国会で報告された議事録」だと称して送ってくるだけであった.これを見て,私は『国会議員になれば良かった.戦闘機乗りなんか?になったばかりに,椎間板ヘルニアで苦しみ,真面目な教え子を失う悲しみを味わった。議員だったら,口さえ達者ならいくらでも生き延びられたのではないか?』等と慨嘆したものである.勿論,西村議員みたいに,制服を着せた方が似合ったのではないか?と思われる熱血漢もいたが,大半は表札代わりの党派など無関係な『談合議員』が多いように感じたものである.
さて、先日,思いもよらず.我が『友邦』の台湾から,よりによって『フリゲート艦』が沖縄近海に『出撃』,国会議員が先頭に立って尖閣列島周辺での漁業権を主張する事態が生じた.
今までは,この近海には中国の『国営』調査船が活動してはいたが,中国側も『戦闘艦艇』を出す事は控えている、という認識があった。しかし,これからはそうはいくまい.中国にとっては絶好の「前例」が出来たからである.そこで次回,中国艦艇が出動してきたら,我国はどう対処する?
わずか12300人しかいない海上保安庁では太刀打ち出来まい.いや,現場は真剣に行動するだろうが,国際法上それで本当に太刀打ち出来るのか?
政府は完全武装の軍艦に,水鉄砲と手錠しか持たない海上保安官を立ち向かわせるというのか.国際的に物笑いになることは必定である.
政府は当然検討していると思うが,この場合には恐れることなく直ちに海上自衛隊の艦艇を差し向け,主権を維持しなければならない.勿論上空には,万一に備えて那覇からファントム戦闘機を警戒に上げ,自衛艦を掩護しなければならない.河野議長始め,親中派は『それ見たことか,だから軍国主義者?は怖い!戦争が始まる!』と震え上がるかもしれないが,彼らとて,何ら解決策を持っているはずがない.軍艦には軍艦を!これが現代政治の原点である.それが嫌だ,戦争になるから怖い!,と怖気づいた方が『負け犬』になるのだ.
先日,テレビでも『有名な』ある中国の教授と会話した時,『先生,私達は日中中間線を尊重しているから,自分達の方に5キロ入ったところを掘っているのです.それにこの事業は今始まったものではない.10年以上も前からやってきた事なのです。それが今ごろになって急にお国は大騒ぎするようになりましたが,どうしてですか?今まで何も言わなかったのに,どうして今ごろ問題にするのですか?小泉さんになってからどうしてですか?』と真剣に私に聞いた.
中国の活動を放任してきた親中派政府の罪は重大だが,今からでも遅くはない.
教授の言葉から分かるように,最初の「第一発」が肝心である.後手に回れば不利になるだけである.沖ノ鳥島周辺に我国の『対応振りが本物かどうか』探りに来ていると思われる『調査活動』に対して,日本は本気だ、という事を示す必要がある.
私はその時「今までの政府は『自眠党』といって,眠っていて気がつかなかっただけである.小泉さんはその『自眠党』をぶっ壊している最中だ.そして今や我々は目が覚めたのだ.眼にした以上放任できない』と答えたが,私にも『面子』がある.彼に対して「空手形」にしたくはない.
小泉首相の毅然たる行動を期待している.