軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

戦後60年,国家再建始まる!

  1. 賽は投げられた!

『解散』を告げられた本会議場は,一種興奮状態に包まれたが,中には『解散できまい』と箍をくくっていた者もいたのではないか?
小泉首相の『言行録』を見るまでも無く,彼の大戦略は『自眠党内に巣食う抵抗勢力の除去』にあったことが判明した.抵抗勢力とは何か?首相によれば『自分の政策に異を唱える者』だと明言している.従って今回の郵政法案審議は,その『踏絵』でもあった.そして予想どうり,抵抗勢力は『地雷』を踏んでしまった.今までのような『馴れ合い,密室談合,金権支配,実力者?の顔色を伺う政治」とは着実に変化してきていたのだが,居心地が良い『まあまあ政治』『怨念政治』の世界にとっぷりと漬かりきっていた,古い体質の政治家集団には,世の中の変化が読みきれなかったのだろう.「小泉総裁」は”造反組”の彼らを『公認しない』と明言し、もう一度国民に信を問うと断言した.政界再編成の賽は投げられた! 政治評論家で無い私が予測するのは無理だが,選挙で戦う各党の情勢分析は次のようになる.
社民党…選挙戦略を立てられまい.「拉致事件など有り得ない!」と被害者家族をコケにしてきた,パチンコが趣味の元党首では、余程のシンパ以外は見向きもしまい.『ダメなものはダメ!嫌いなものは嫌い!』といい続ける気だろうか?
共産党…今までは,自民党に『不快感』を示す有権者の『票捨て場』であったが,今回はそうはいくまい.自眠党支持者は『真剣』に投票に臨むだろう.勿論除名グループもそうであろう.この党も世界が変化していることに気づいていない『シーラカンス』政党である.
民主党…もともとこの党は,自民党崩れの集団に,数合わせで極左集団が加わって構成されている党だといえる.本来ならば,小沢氏がリーダーたるべき存在だが,彼は表に出たがらない.隠然と黒子に徹している.しかし本質は『自民党』的である事は間違い無い.要は『恨み節』が強いと言うべきだろう.この党には,今の自眠党では嫌だ!と言う,ある意味で真っ当な自民党員?が多く『隠れて』いる.今回は党是として,野党として青票を投じたのだろうが,本心は不明である.
彼らが『真性自民党』に復帰する事は考えられないか?
公明党…うまく政権に食らいついてきたが,今回の解散は「想定外」ではなかったか?東京都議選で動かした「住民票」を元に戻してもどうしようもなかろう.創価学会の「内紛?」で,金銭的にも苦しいという説もある.しかし,なんとしてでも「政権」から離脱するまい.仮に小泉自民党が敗北しても,第一党と「国家国民の為に敢えて苦渋の選択をした」とか何とかこじつけてぶら下がるのだろう.
自民党抵抗勢力』…今回の造反分子だが,殆どが「落日の橋本派」だという.自民党から出て「戦う」と意気軒昂だが,今までの「談合政治」にとっぷりと漬かってきた体質から脱却できるだろうか?郵政省職員や特定郵便局長達が,お礼奉公で票集めするとしても、派閥の長は『歯科医師会?からの一億円収賄事件』で限りなく『灰色』であるから、郵便局関係者が派手に動き回れば,直ちに「利権構造」が浮き彫りになり,国民から軽蔑されよう.仮に当選しても,小集団で何が出来る?その内にうまい汁が吸えるところにぶら下がるのではないか?
⑥小泉自民党…敢えてこう呼ぶが,彼らの決意は固い.既に背水の陣である.負けたら総裁は辞職するという.絶対に負けられない.勝算があるとしたら,公明党との「連立」,民主党離脱者の糾合など、「自民党をぶっ壊した」ことによって生じる候補者達の心理的変化を活用する事だろう.

  1. 8月15日が運命の分かれ目

戦後60年を迎える今年の靖国神社は,小泉首相が最初に国民に公約した「参拝日」として最もふさわしい日になる.御遺族は勿論,中国や韓国からの『言われ無き非難』に耐え忍んできた,良識ある日本国民が,20万人以上も参拝しよう,と熱気溢れるキャンペーンを張っている.
今年の「御霊祭り」も盛会で,浴衣がけの娘さん達でにぎわっていた.国民は,自国の命運をかけた戦いで,花と散って靖国に戻っている(と信じられている)英霊達に,素直に感謝しようという気持ちになっている.これには皮肉な事に「近隣諸国の悪辣な非難」が大いに貢献している事も事実だが,同じ日本国民でありながら,『近隣諸国の宣伝を信じ』,その言いなりになっているように見える「政治家やマスコミ人達」を「異邦人では?」という疑いの心が目覚めてきたからだと私は思っている.
民主党党主の岡田氏は,絶対に参拝しないと公言している.理由は「近隣諸国との外交が困難になる」というのだが,民族の魂を伝える国内問題に「内政干渉」する異国の方を信じるというのだから「異邦人」だと思われても仕方があるまい.他の野党党首は絶対に参拝しないはずだから,結局小泉首相の参拝問題だけが焦点にならざるを得ない.
万一参拝しなかったらどうなるか?小泉首相も、「変人・奇人」どころか,『異邦人』だったということになる.これでは有権者が真面目に投票所にいくとは思われない.そうなれば小泉自民党の目算は大きく外れ,彼は人気半ばで消えていく事になろう.

  1. 2008年,2010年に備えよ

2008年にはブッシュ大統領も政界から引退する.日米同盟がどうなるか予断は許さない.仮に小泉自民党以外が政権を取った場合,ブッシュ政権はどう対応するだろうか?日米同盟は、米軍再編問題と含めて後退するだろう.喜ぶのはどこか?
中国であり,韓国であり,北朝鮮である.勿論北方領土問題を再び棚上げにできるロシアも同様であろう.台湾はどうか?日米の後ろ盾が弱まれば,大陸からの「圧力」を防ぎきれまい.中国は『堂々』と東シナ海に進出する.ガス田問題も一挙に後退し,沖縄周辺はきな臭くなる.
沖縄県では,反米行動が活発化し,尖閣問題も復活するだろう.自民党の「抵抗勢力」は,シナに色目を使う政権であった。尖閣問題でも,侵略しようとする方に気を使い,海保も自衛隊も行動に苦慮した.再びそうなれば,今度は中国は遠慮無く行動を拡大してくるであろう.
中国国内の不安定さから,2008年の北京オリンピック,2010年の上海万博が開かれるかどうかは分からないが,少なくとも前主席は2012年に台湾を攻略すると公言した.最近も,軍の高官が「異常な攻撃的言辞」を弄している.
将来を見渡せば,我国周辺は決して「平穏無事」だとは言いがたい.緊急に備えを固める時機なのである.しかし,「賽は投げられた」.
9・11,国民は真剣に「候補者」を選び,密室・談合政治家を排除しなければならない.
そして特に若者達は,自分達の今後の生活が,まやかしの「人権法案」や、「自虐教科書」「ジェンダーフリー」という名の国家滅亡政策が支配する暗黒国家に支配されないように、アルバイトを休んででも投票所に足を運ばなければならない.
今回の選挙は,まさに日本の将来を占う,戦後60年にして漸く「国家再建」の機運が高まった真剣勝負の場である事を自覚すべきである.