軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

近況報告

1、多忙に紛れて4日もブログをサボってしまった。「アジアの危機」について講演を依頼され、昨日実施したのだが、絶好の好天、行楽日和なのに、多くの、それも年配の方々がお集まりになり恐縮した。いつも思うことだが、国民は≪防衛・安全保障≫の実態について知りたがっている。高位高官を極めた諸先輩方が、余り発言されないので、私のような「飛行機野郎」が引っ張り出されるのだが、真剣な質問が多く、予定時間を30分以上もオーバーしてしまった。
講演でも言ったのだが、「国家安全保障」つまり、国家防衛が確立して、国民が安心して仕事に励む事が出来る環境を作る事が、政治家の最大の勤めであり、それが「最大の福祉」ではないか?という発言がショックだったと言う。講演終了後、ビールを飲みながら、感想会と質問会が続いたが、沖縄の問題、油田の問題、中国の「反日活動」など、参加者の皆さんの関心は留まるところを知らなかった。機会を捉えて、OBの一人として、極力「防衛解説」をする必要があると痛感した。

2、今朝の産経新聞の12面に、論説委員の中静氏が良い事を書いている。

  • 日本が一昨年末に導入を決めたミサイル防衛の配備開始は平成18年度末(平成19年始め)だ。それまでの日本の平和と安全の”空白”を埋めているのは米軍の抑止力である。
  • (キャンプシュワブ移設問題、原子力空母配備問題についても)地元自治体は負担増に加え、これまでの経緯なども絡んで反発を強めているが、抑止力に関する論議に全く耳を傾けないという事なのだろうか。
  • 拉致事件などがあれだけ頻発したのは、自衛隊などが日本の領域を不法に侵害するものを撃退する力の行使が許されず、北朝鮮がその事を知悉していたからにほかならない。日本の抑止力は機能していなかったと言える。
  • 抑止力が機能しなければ、国民が結局辛酸をなめるのである。「力の世界」を日本が生きてゆかねばならない以上、抑止力を忌避しても問題は何も解決せず、危うさを増すだけである。

という論だが全く同感である。更に一つだけ付け加えるとすれば、これらわが国の抑止力強化に「反対する」地方自治体や政治家達は、単なる「防衛音痴」に留まらず、わが国を支配下に収め様と考えている「他国」の手先である可能性が高いという事である。

3、今朝のテレ朝を見て、皇室報道の「お粗末さ」を痛感したので一言付け加えておきたい。
いつもの事なのだが、皇室報道の「敬語の用法」があまりにもお粗末である。
昔ならば「極刑」に値するような表現を平然としている。今朝は、おとなしい家内がついに怒り出してしまった。紀宮様が御結婚の為両陛下に御挨拶された報道の中での出来事である。
解説したコメンテーターの非常識はさて置き、報道解説するアナウンサーの言葉が、実に≪異様≫である。本人は気づいていないように思えるから、単に無教養に過ぎないのだろうが、それを許している局全体の態度が問題である。昔はNHKアナウンサーの言葉が、もっとも正しい日本語だと教えられた。今はその面影もないが、これが単なる「無教養」のためなのか、それとも「何かの陰謀・・・つまり皇室を貶め日本人を解体する」だとしたら由々しき問題だ、というのが我々夫婦の関心事なのである。タレント達の離婚騒動や病気、葬式を報じる時には、気持ちが悪くなるような「敬語」を使って平気であるから、やはり担当者個人の≪無教養≫の証だろう、というのが私の結論なのだが、家内はそれ以上の心配をしている。
それに引き換え、皇室の「親子のちぎり、愛情の深さ」は、彼ら報道陣を含む我々国民に、忘れかけていた「人間としてのあり方」を無言の内に教えて下さっている様に考えるのだが、今の「天皇を戴く商人国家」に成り下がった日本人に、その事が伝わっているだろうか…

4、明日から中国各地(北京、蘇州、上海)を巡り、日中安保対話をしてくる。岡崎研究所は、歯に衣着せぬ討論を展開して(メンバーが元自衛官だから表現力に乏しい?からだが)いるのだが、上海国際問題研究所とは五年以上も交流が続いている。今回は五年ぶりに北京での会合が復活したので多いに楽しみである。そこで我々元自衛官だけではなく、経済専門家などに参加してもらった。15日から22日まで日本を離れるが、帰国したらご報告したいと思っている。実のある≪日中交流≫をしてくるつもりである。