軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

急変する世界

中国漫遊記(といっても私個人の忘備録なのだが)をようやく終え、原稿も書き上げて提出し、元日からの新聞(といっても産経だが)を整理し、チャンネル桜で収録し…と、落ち着かない年末年始だったが、昨日はそれに身内の不幸が加わった.97歳で天寿を全うした伯母だから、お通夜で心から敬意を表してきたい.
そんな調子だったから、金正日の動きをつかんでいなかったのだが、10日の夜に友人からの電話で知った.語学堪能な彼は毎晩朝鮮放送や、タス通信を聞いているのだが、その日のタス通信が、「金正日が特別列車で国外に出て、ハルピンで止まっている.ロシア政府に亡命申請したが拒否された」と伝えたという.戦中の満州に詳しい彼の想像では、「タスの報道ブリから察すると北朝鮮で叛乱か何かが起きている」というのである.
北朝鮮では昨年春から夏にかけて、米空軍のステルス戦闘爆撃機が、ピョンヤン市内の≪目標≫に対して、模擬爆撃訓練をしており、パイロットに言わせれば≪後は実弾を投下するだけ≫の状態であったらしい.金さんは相当な恐怖を感じていたという情報もあった.アメリカの狙いは6者協議に出席させるための≪圧力≫だったのだが、やがて実現したから力が効いたのである.
その後胡錦涛氏が訪朝し、経済協力を約束したというが、このあたりの動きは些か急であった.
報道を見る限りでは、訪中しているという≪証拠≫はない.今朝のタス通信は≪金さんは国内に留まっている≫と報じている.
金さんが今ごろ急に、無計画に訪中する目的がわからない.まさか≪盲腸≫になったわけではあるまいに.そう言えば、中国政府の金さん関連説明も些か腑に落ちない「奥歯に物が挟まった」様である.何かを隠している.あれほど厳重警備で≪旅行≫をする慎重な金さんが、大陸の南にまで今出かける目的が不明である.前回は帰国途中で≪大爆発事件≫があった…
ひょっとすると、中国政府は金さんの「亡命申請」に慌てて緊急会議でも開いているのではないか?。その間は「金さんの行動に関するガセ情報を流している??」のか.
朝鮮半島ウォッチャーは懸命に動いているのだろうが、その前に我国は≪不測事態に対処する準備≫を忘れてはならない.
中近東もおかしくなってきた.シャロン首相の容態は変わらないというが、今死亡確認されると、イスラエル国内ばかりか世界が不安定になる.国内政治の安定を図る為、シャロン首相は「武田信玄の故事」のような事態なのかもしれない.
いよいよ天下大乱事態が始まった。国内の事件事故対処も大切だが、それにしては我国は何をしているのだろう…、当然関係機関は神経を尖らせていてくれている、と信じてはいるが、私は今、虚無感を覚えている.