軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

ついに本性をあらわした!

東シナ海におけるガス田開発をめぐる協議で、中国は「尖閣で共同開発」する案を提出したが、日本側はこれを断った。当然である。昨年の「日中安保対話」の概要はブログに掲載したが、中川大臣の強硬な反発に対しては、勿論中国側も猛反発した。そして日本側が独自開発する事が公表されると、今度はにわかに「共同開発」に姿勢を転じた。
会議に参加した経済専門家の吉崎氏が、埋蔵量が予想以上に少ない事を挙げて、中国側がそんな小さなガス田にこだわる姿勢が納得できないとし、何か裏に意図があるのではないか?と疑問を提示したが、我々は「必ず領土問題」に転じてくる。そしてその切っ掛けがガス田共同開発案であろう、と睨んでいた。
10日の産経新聞に拠れば、中国外務省の秦剛報道官が、9日の定例記者会見で「東シナ海のガス田共同開発問題に関し、「釣魚島(日本名・尖閣列島)は中国固有の領土であり、日本の領土であるとの前提で中国案を受け入れないとの言い分は成り立たない」と日本側を非難したという。とうとう本性を表した。
産経は「尖閣諸島を共同開発の対象海域に含めた中国側の新提案を正当化したもので、日本を揺さぶる狙いがうかがえる」と書いたが、「揺さぶる」程度の発言ではない。彼らの目標は、尖閣諸島の領有問題にあるのであって、既に決まっているのである。いや、尖閣諸島だけに止まらず、沖縄本島をも含むわが国領土の併合さえも視野に入れているに違いない。
東シナ海を巡る担当大臣も、親中派代表と思える行動を示している人物に交代“させた”し、次期総裁にも親中派を強力に推そうとしている。経済界は既に手中に収めた。韓国も、少なくとも現政権が続く間は、対日共同作戦を維持できる。竹島を領有されても、日本側は「全く手を出さない」事が判明した。中国としては、そろそろ対日「攻撃」の実力行使段階に入ったので、報道官がその「日本側の反応」を確かめるための第一弾を発した、と受け取るべきであろう。
1979年2月に「ベトナム『懲罰』侵略」を決定した訒小平の対米、対日外交を想起するが良い。ベトナムに侵攻しても日米はじめ、欧米諸国は「何も手を出さない」と踏んだ彼は、軍に侵攻作戦開始を命じた。最も、この作戦はとんだ見積もり違いで、日米の直接介入はなかったものの、小国・ベトナムの手痛い反撃を食らって、一ヶ月で『目的を達した』と負け惜しみ宣言して撤退したのだが、実に6万以上の損害を出した上、自国の軍事力が『張子の虎』であった事を世界に示す結果になってしまった。
ところで、これらの予想される事態に対する、わが国の備えはどうか!せめてベトナム並みの「頑強な抵抗」を示す事ができるのかどうか、国民自身が危機感を感じているように思われる。
勿論、第一線は「超法規?」で対応するであろうが、戦争とはそんなものである。盧溝橋事件を見るがいい。いくら現地で「国際法」にのっとった対応をしても、共産分子の意図的で執拗な攻撃が続き、ついに現場はその攻撃に応戦せざるを得なかった。

しかし、私はそのような危機が生じる前に「中国政府」自らが混乱に陥るような気がしてならない。経済問題は私の専門外だが、その他にも、少なくとも中国国民の政府に対する不満が上昇している兆候はある。韓国が、中国人を使って「反日」をけしかけているのではないか?という意見もコメントに寄せられていたが、あながち否定することは出来まい。半島の二国からの対日工作活動は、ある分野では中国以上に広がっており、その罠に嵌っていると思われる例が目に付く。先日、拉致被害救出シミュレーションを有志と共に実施したが、有難いことに、8日の参院予算委員会で、北朝鮮が内部崩壊した場合の邦人救出について、安倍官房長官は「北に居る拉致被害者、日本人妻をどうすればいいか大きな課題だ。問題意識を持って臨んでいく」と、力強い答弁をしたと報じられたが、これは我々が得た「結論」に対する意思表示でもあると理解している。
おそらく今後は、中国、韓国、北朝鮮からの政府要人はじめ、言論界、経済界に対する「攻撃」も強化されるであろうが、これらの「工作・威嚇攻撃」に対しては、今までおとなしく対応してきた日本人も、堪忍袋の緒が切れるときが来るのではなかろうか。
正体を現したこれらの国、及びシンパたちの動きに注意しておかねばならないと思う。