軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

のんびりしている場合じゃない!

 今週は講演会を2つ抱えているので中々落ち着いた時間が取れない.気がついた事だけメモしておこうと思う.
1、インドネシアで新しい油田が発見され、既にアメリカが採掘権を取って活動している.勿論中国も黙ってはいない.ユドヨノ大統領は、自国の≪汚職退治≫に命をかけているから、華僑の圧力にも屈しない.そこで中国は、油田で働く≪作業員≫を、得意とする「人海戦術」で送り込んでいるという.マラッカ海峡周辺の海賊の「スポンサー」も、中国だと噂されていて、それは正しいようだから、今後この海域での緊張が高まるのは明らかである.そこへ、日本とインドネシアの友好協力会の会長に“親中派”の福田氏がなっているという.さて、我国外務省は、中東からのシーレーンの中間地点であるこの海域に、どのような戦略を持っているのか?
2、米本国内の情勢が俄かに緊張しているという.不法滞在者一掃のための、新移民法案に、二百万人ものデモが行われたそうだが、問題は、それを煽っているのがヒラリー・クリントン女史だというから、民主党共和党の大統領選を控えた戦いが始まっていると見て良かろう.移民法の内容は知らないが、人種差別が抜けきらない米国においては、日米移民摩擦が起きて大東亞戦争の遠因になったいきさつもある.もともとこの国は「移民」の集合体である.先に来た者が特権をひけらかして、後から来る者を差別するのでは、民主主義が泣こうというものである.「人の上に人を作らない」この国の伝統が、どう活かされるか見物である.
3、ところで我国でも、外国人犯罪がすさまじい.先日貯金を下ろそうとディスペンサーを作動したのだが、「限度額をお確かめの上、もう一度最初からやり直して下さい」と表示が出た.知らなかった私が悪いのだが、最高50万円までだといわれ、窓口にまわる様指示された.月末の午後、ただでさえも時間がないのに、これじゃ自動化がちっとも便利だとは言えまい.万一時間切れで、他所に回る用事が出来なくなったとしたら、銀行はどう責任を取ってくれるのだろうか?理由は「オレオレ詐欺」と、「外国人犯罪」が増加したからだという.
4、先日も韓国人の集団スリグループが、催涙ガスを噴射すると言う事件があった.大げさに言えば、これは韓国人による「化学兵器テロ」だともいえる.ブラジル人のゴミ不法投棄や日本人の車を破壊する行為で、中部地方の団地は大揺れだとも言う.一概に外国人を受け入れる事が≪悪≫だとは言えないのは自明である.しかし、他国に≪世話になっている≫外国人達は、他国に滞在している以上、仲間達が≪犯罪を犯す≫事を止めさせる義務もあるのではないか?米国内の新移民法案反対を叫ぶ若者達の映像を見て、彼等自身にも、仲間たちの≪不法行為≫を摘発する官憲に協力する姿勢が是非とも必要だと思った。日本に滞在する外人たちにも、日本に住む以上「郷に入れば」その国の規則と風習に従ってもらいたいのだが、「民度が違う、言葉が通じない」から出来ないというのでは、「排斥運動」が起きるのもやむを得ないという事になる.これじゃ「友好」なんぞ夢のまた夢に過ぎない。
5、アンボン終戦秘話を御紹介した所、色々な参考になるご意見を戴いた.確かに≪秘話≫になっていると思う.以前ご紹介した「中国空軍創設秘話」も、多くの方々からコメントを戴き、桜林さんの「独り語りの会」で話す事になったのだが、そこでも感動された.第1、中国の専門家達でさえ知らなかったのだから…
今朝の産経新聞の29面に「戦時中の文通相手と対面」「60年越し…実った恋心」という話題が掲載された.「戦時中に文通を続けていた男女が61年の歳月を経て初対面を果たした」というのである.ぎすぎすしたニュースばかり多いこのごろ、心が和むエピソードであったが、実は私が三沢基地司令時代に、38年と32年ぶりに、二人の米軍人と、当時メイドさんであった二人の日本人女性をを対面させる事に成功した事があった.これも≪戦後の秘話≫だと思うので、いつかご紹介したいと思う.
6、民主党代表に小沢氏が決まり、毎日賑やかな≪ショー≫が繰り広げられているが、国内では北朝鮮の次官が来日、アジアの今後を占う出来事が進行中である.イランの核開発阻止の為の軍事力行使計画が、ニューヨークタイムズで報道された.ネパールもおかしくなっているし、ミャンマーの動きもおかしい.総選挙が終わってまるで民主党が政権を取ったかのような「奇妙な現象」をマスコミは演出しているが、周辺情勢は決して停滞している訳ではない.「北京オリンピック開催式典中に台湾が独立宣言したら?」というコメントがあったが、台湾国内の民進党と国民党の戦いは、デッドヒートを続けていて、国民党が中国と手を結んだ為予断を許さない状況下にある.「台湾独立宣言」もあながち否定できないであろう.その時日本はどのような状態に陥り、どのような対応を迫られるのか、しっかり研究しておかねばならない.のんびりしている場合じゃない!!