軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

2008年に備えよ

コメントにもあったが、私の郷里である博多で、飲酒運転した市の職員によって、最愛の3人の子供たちを『虐殺』されたご夫妻の悲劇には言葉も無い。特に母親の懸命な救助活動には胸をえぐられる思いであった。こんな馬鹿職員は極刑にすべきである。
腹に据えかねたから最初に書いておく。

今朝の産経新聞によると、中国は「非文明行動」撲滅を目指しているという。「非文明行動」とは、「大声で騒ぐ」「たんを吐く」「列に並ばず」などの、いわば「マナー欠如」のことらしいが、4000年の歴史を誇るお国柄だから、2008年のオリンピックに間に合う筈はない。多分、マナー欠如人民の「北京市内移動禁止」とか、「排除」が行えわれるのだろうが、それとも先日の記事のように、強制的に「良民」を集合させて、マナーの良いところを世界に見せ付け、オリンピックが終わると復旧する大掛かりなお芝居をやることにでもなるのだろう。北朝鮮のお祭りと同じように、である。

大昔、モスクワを訪問したが、この国の「サービス精神欠如」には辟易したものだ。共産主義国家の辞書には「サービス」という項目がないのであろう。
樺太を訪問したときも、日本人から巻き上げたホテルの従業員の態度は横柄で、器は近代的?でも中身は未開人であった。
その2年後に再び樺太を訪問したが、ツアー会社が、催し物などに対する日本人の反応を懸命に調査していたし、案内人の態度に関する「アンケート調査」をさせられたものであったが、一朝一夕には行くまい、と思ったものである。
共産主義国家に「サービス精神」は根付かない。
ソ連が崩壊して「株式市場」がオープンしたとき、株は必ず儲かるもの、と信じ込んで?騒動が起きたことは記憶に新しい。資本主義が根付くには何十年もかかることをようやくロシアは知ったことだろうがマナーやサービス精神も同様である。
中国も同じで、改革開放路線で貧富の差が巨大化しつつある今日、「マナー向上キャンペーン」をやってみても、さほどの効果は無いと思われるが、今月から3年間継続実施するというから、オリンピックを控えて切羽詰ってきたのであろう。「礼儀の国を目指す」というから、楽しみにして大いに注目しておきたい。
オリンピックも大変だろうが、この2008年には、米国大統領選挙、台湾総統選挙、ロシアでも、インドネシアでも、お隣の韓国でも大統領選挙が予定されている。
大半が交代するのだろうが、その結果はわが国にとって重要である。
幸いなことに、わが国の首相は今年9月に選ばれ、2008年には実力発揮中だろうから、安定しているだろうと思うが、それまでにやっておかなければならないことが山積している。次期候補の安倍氏は、憲法集団的自衛権問題の解決に意欲を示しているから、2008年までに形をつけておいてほしいと思う。
また、博多の事故のように、国内にマナーやしつけの面で、中国化?した状況が多発していることも無視できない。健全な日本精神を取り戻し、安定した政情の下で2008年を迎えなければならない。

江沢民前主席は、2008年に北京オリンピック、2010年に上海万博、そして2012年には台湾を武力解放すると言ったことがある。
中国が、その路線で進んでいるとは思いたくないが、2008年次第では何が起きるか予測できないところがある。オリンピックが開催できなければ国内騒乱だろうし、開催できても、金融(カード使用、通貨問題)、通信(インターネット、国際電話網)、何よりも水道(水質問題)、電力不足などなど中国の実情が世界に知れ渡ることだろうし、胡錦濤主席にとっては頭がいたい問題が目白押しである。その上、「モラル向上キャンペーン」の成果が出なかった場合は、世界の物笑いになりかねない。そうなれば、共産党内部で一波乱起きるだろう。
アジア近隣諸国の筆頭国?であるわが国は、それに備えて十分な態勢をとっておく必要がある。

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昨日、この9月下旬に実業之日本社から発行される予定の「図解・日本の戦争力!」の最終監修を終えた。すばらしいイラスト入りで、図と文章が一体になっていて、きっと若者にも読みやすいだろう。一冊1000円を予定しているとのことで、書店は勿論出来たらコンビニにも並べたいという。
私の名前が先に出ていて恐縮したが、実際はスタジオスパークの大平祥司氏以下3人の力作である。発売されたらぜひご一読願いたい。日本の軍事力の「実力」と、現在のわが国周辺の問題点がよく判るだろうと思う。