軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

平成18年も残りわずか

 26日、27日と、恒例の墓参りに福島、宮城に出かけた。東北自動車道は霧がかかって雨もひどかったが、交通量は少なめだった。そんな中、宇都宮の手前の3車線ある中央の追い越し車線に、大型トラックが停車していて、運転手が三角版を立てて手を振っていた。接近して知った前2台の車は仰天したように減速し、急に車線変更をしてきたから、危うく接触されそうになったが、戦闘機なら急上昇して回避できるが、2次元の世界ではかなり厳しかった。こんな状況から多重事故が発生するのだが、大型トラックに何があったか知らないが、「一歩誤れば大惨事」とはこのことである。案の定中国自動車道では12台もの車が事故を起こしているという。

 墓参りの後、さらに悪天候の中を北上したが、村田ICを過ぎたところで大渋滞になった。表示板には「事故・出よ」とだけある。ICもないのに出られるわけがない。原因はスリップして中央分離帯に衝突した車が追い越し車線で停止し現場検証が始まったところらしいが、現場まで来るとかなり損傷した小型乗用車が逆向きに停車しており、そのそばで本人が現場検証に立ち会っていたから運転手は無事だったのだろう。モノコック構造の有効性は確認出来たが、それにしても他人迷惑なことこの上ない。
 翌日、雨の中、宿を出て石巻の神社に参拝したが、実に不思議なことにお祭りが始まる11時5分前に急に日が照り始め、終わると風が強くなりだした。後で天気図を見たら、何と三陸に急激に発達した低気圧があったようで、ちょうど「台風の目」に入ったような状況だった・・・。パイロットの現役時代だったら、この天気図から陽がさすこと等信じられないことだったが、きっとご利益があるに違いない!と嬉しく感じた。神主によると今年も色々あったが、まだまだ「悪が露出し、淘汰は続く」という。それでも来年はいくらか良くなる?のかもしれない。そうでも思わないとやっていけないような、息が詰まるような年末の騒動が続いている。

 さて、<のぼ>さんが、コメントに書いていたが、ノモンハンの英雄・西原五郎氏は私が初級操縦課程で静浜基地に赴任したときの隊長だった。実に冷静沈着な方で人望が厚かった。ノモンハンで97戦で空中戦をしていたとき、戦隊長が被弾して、草原に不時着、それを追いかけて傍に着陸し、燃え盛る機体から戦隊長を救出して自分の機体の「荷物室」に押し込み、迫るソ連軍戦車の頭上を越えて離陸して帰還した、金鵄勲章受賞者であった。「一番困ったのは97戦にはサイドブレーキがないことでねー、飛び降りると機体がころころと動き出すのさ。戦隊長は大火傷をしていて、97戦は一人乗りだから仕方なく荷物室に押し込んだのだが、「熱い、熱い」と呻いておられた。しかし敵戦車が近くに来て着弾が正確になってきたから仕方なくそのまま離陸した」と、平然と語ってくれたが、若い我々は言葉もなくそれを聞いたものであった。<のぼ>さんによると、お元気なご様子に安心したが、是非よろしくお伝えいただきたいと思う。
 奈良市に住む友人の話だと、幹部候補生学校に、その時の様子を描いた絵画が飾ってあるのを見たという。入手したら写真をこの欄に貼り付けたいと思っている。
 
 同じくコメントにあったHPには、「6カ国協議が不調に終わったわけ」について、ある朝鮮族中国人の談話が詳しく出ているが信憑性はあると思う。
 12月25日の産経新聞の片隅には、中国の「軍中枢機関、中央軍事委員会の張定発・前海軍司令官(63)=大将=が北京の病院で死去したと伝えた」ことを報じていた。「14日の死去にもかかわらず、公表が9日後になった背景には、軍をめぐる権力闘争が絡んでいた可能性が指摘されている」という。元々陸軍主導型の中国軍では、海・空軍の将官は、せいぜい「少将どまり」だったのだが、江沢民前主席が大サービスして引き上げたといわれている。彼の息がかかった「将軍たち」によって威勢の良い「核攻撃論」などが発表され、胡錦濤現主席が不快感を示していたようだが、張海軍大将もその一人だったのだろう。
 HPの中で朝鮮族中国人は「瀋陽軍区の人民解放軍は北京のいうことを聞かなくなっている」が「その背景には上海閥がいる」と語ったという。中国で実権を握るためには、軍を誰が握るかが鍵だといわれてきた。10月の日中安保対話で、図らずも中国軍人から直接「給料が2倍になった」ことを聞き、いよいよ胡錦濤主席も軍人の掌握に乗り出したな、と感じたのだが、果たしてどうなるか。
 それに加えて中国の日本たたきも始まったようだ。南京虐殺を主題にして、大陸内各所の展示を拡張し、米国では「アイリスチャン」の原作で映画を作り、日本人町では「南京の日」を実施するという。きっと内部の不安を「反日」に誘導する準備なのであろう。
 日本国内でもこの手の工作は進行しているのだが、肝心の政府は「もたもた」しているように見える。安倍政権の足を引っ張ろうという作戦のようだが、せめて日本人自身がそんな工作活動に「協力」してもらいたくないものである。
一部メディアや、野党などの動きに国民は十分注目する必要がある。