軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

闘論、倒論・・・緊急シミュレーション

 今日はチャンネル「桜」で、表記討論の収録に参加してきた。「今そこにある危機」についての討論だったのだが、参加者が、冨澤元陸幕長、松島元陸将、古庄元海幕長、川村元海将補、西川元空将、それに私という構成だったから、我が国を取り巻く現在、近未来の諸問題についての討論となり、自衛隊出動に至る「シミュレーション」には至らなかった。現行法体制下では「防衛出動」が下令されない限り、自衛隊は動けないのだから、ある意味で当然のことではあったが、陸、海、空で、我が国を取り巻く情勢分析に微妙な差異があったのが面白かった。放映は3日(土曜日)の夜9時から12時までである。
 ところで南京事件を正しく伝えるべく日本側から見た「南京事件の真実(仮題)」という映画を、水島氏を中心とするグループが作成するために立ち上がったが、ホテルニューオオタニで開かれた記者会見を伝えたのは国内紙では「産経」だけで、他は一切無視している。代わりに外国紙は揃ってこれを伝えた上に、取材は非常に熱心なのだという。国内メディアは、国会での「閣僚失言追跡」や、納豆・レタスの虚偽報道の対応で忙しいのかもしれない!そのうち、この映画は日本国内の「一部右翼のヤラセだ」と大々的に報道するのだろう。見ものである。
 閣僚失言問題に関する所感は昨日書いたが、コメントを見ても関心が高いことが分かる。私には、この案件は、憲法改正にまい進する安倍首相を何とか引き摺り下ろして、憲法改正を阻止しようという“左翼陣営”の必死な取組の表れのように見える。その観点から見ると、民主党が共闘していることがどうしても理解に苦しむ。最も、指導力なきトロイカ指導体制の下、下部組織では旧左翼陣営が蠢動しているのだから当然の結果といえるが、以前憲法改正について、ある意味自民党よりも理解を示していた政党らしくないのが気にかかる。
 共産党朝日新聞は徹底抗戦の構えだから、至るところに「憲法9条を守ろう」と書かれたポスターが貼られている。朝日に至ってはOBにも会費を請求する熱心さだそうで、労働組合などと提携して組織的に活動しているという。
 コメントにあったように「地上波テレビは見るに耐えない」とする意見は非常に多いが、それと「だから見ない」ということとは別問題で、その垂れ流す悪影響は被害甚大である。CNNやABCなど、外国のテレビは、さすがに日本ほど低級ではないが、良く見ていると「民主党支持」をあからさまに打ち出していることがよく分かる。日本のテレビ、新聞も、低俗番組はおろか、ニュースやワイドショウ番組の中にさりげなく「洗脳」する内容をもぐりこませているのだから始末が悪い。
 そんな中、ずいぶん以前に封切られた「ダラスの暑い日」と言う映画を、たまたま衛星放送で見た。映画だからどこまで真実かはわからないが、シナリオは人種平等路線を打ち出したケネディを快く思っていないグループが、国家機関共々暗殺を決行したことになっている。しかし、決定的だったのがケネディが「ベトナムから撤退する」ことを公言したことだった、と映画は示唆していた。私にはちょうどメディアや野党が「イラク撤退」を政府に要求し、それに徹底的に抵抗しているブッシュ政権が重なって見えた。どちらに転んでも、メディアは責任は取らない。
 アメリカ映画の面白いところは、自国の政権を堂々と非難するし、国家機関が暗殺に加担したことをも平気で示唆する点だが、こんなところが自由と民主主義の国なのだろうか?米と味噌を食って島国で育った大和民族にはなじめないことも多い。
 しかし、いつになったら、次元の低い?失言問題に留まらず、国家の危機に関する問題に対しても堂々と切り込む映画やメディアが登場するのだろう?
 その点では、他のメディアでは“絶対に”聞かれない様な内容をノーカットで3時間放映するチャンネル「桜」は、我が国のメディアの「タブー」に勇敢にも挑戦しているように思うのだが、とても視聴率の点で、地上波の低俗番組に対抗できない“零細企業?”であるのが残念である。