軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

安倍首相の真榊奉納

 昨夜の日テレニュースは、安倍首相が靖国神社に榊を奉納したことを、まるで“悪いことをした”かのように報じていた。「日テレ」は、奉納された榊の奉納者の名前が写っている写真の「内閣総理・・・」と「・・・晋・・」の字を拡大して、その証拠とする解説をするのだが、実に大人気ない。しかも靖国に参拝する議員達がこの春季例大祭に参拝した時の写真である。日本国首相として当然の行為なのに、外交上問題になるとして早速韓国と中国の反応を報道した。日本人の“敵”は、実は中国ではなく、日本のメディアであることが一目瞭然としている。何時までこんな報道番組を、アジア周辺諸国に阿って作る気だろうか?と哀れになる。いっそ「日テレ」じゃなく「中テレ」「韓テレ」と改名した方がよい。
 安倍首相も色々苦労をしているようだが、靖国崇敬の念は変わらない様だから大いに評価できる。相手国よりもこれら「日本国内の」妨害者の方がよほど卑怯者である。
 案の定、韓国は「事大主義的反応」をしたが、中国の方は比較的穏やかで、「靖国神社問題は中日関係の重大かつ敏感な政治問題だ」と「懸念」を表明したに留まった。このことから、“日中友好”を旨とする日本メディアは察しなければいけない。「何とかの一つ覚え」のように、何時までも過去にしがみついていては、時代に置き去りにされるのはもとより、“敬愛する”中国政府からも捨てられるだけである。日本人であるならば、自らの過去をモット反省すべきであろう。中国は既に次の段階に進みつつあるのである。
 ところで、安倍総理の榊奉納について書いている今朝の産経抄には笑わされた。「『憲法が定めた政教分離に違反する』と騒ぐ人たち」が、一体どんな人たちは知らないが、榊奉納よりもモット重大な違反行為には目をつぶっているのだから話にならない。「こういう人たちこそ連合国軍総司令部が押し付けた現憲法を一字一句たりとも修正させず、守り抜くことで平和を維持できると信じる『憲法教』の信者ではあるまいか」と産経抄子は云うから、朝日を中心にした反安倍勢力であることは間違いない。彼らはいまや窮地に立たされている。
 安倍首相は、戦後60年間、誰も手をつけなかった「戦後レジームからの脱却」を掲げて、憲法改正に取り組んでいる。“左翼勢力”は、これが果たされると、掲げる標語がなくなり、お飯の食い上げになりかねないから、それはそれは必死で抵抗しているのである。多分、今は必死になって首相個人はもとより身内のスキャンダル、周辺の閣僚のスキャンダルを根こそぎ洗っていることだろう。早速、その第一弾?として訪米時に安倍夫人が「謎の秘書」を同行させたとして、外務省が頭を抱えた、などと週刊誌が書いている。このネタは誰が週刊誌に告げ口したか知らないが、この手の「工作活動」は、台湾で試されたことがある。
 政敵である国民党が、その支配下にあるメディアを総動員して、台湾の陳水扁総統夫人に公金をめぐるスキャンダルがあったとして、総統夫人を叩いたが、意に反して、国民党のナンバーワン・馬英九氏の方がもっとひどい汚職をしていたことがばれてしまった例である。
 日本でも、続いて閣僚達のスキャンダルが暴かれるだろう。日本のマスコミは、こんな「中国の工作活動」並みの下手な小細工をしている暇があったら、国内に浸透している“外国勢力”の工作活動取締りを急ぐべきである。
 産経抄を読んで笑ったゆえんは、国内で販売されている榊の殆どが「中国産」だというとところである。私は一昨年だったか、榊の殆どが中国から輸入されているものであることを花屋さんで確かめてここに書いたはずだが、「アリとキリギリス」のキリギリス以下に落ちぶれた日本人は、美しい山河を荒れ放題に放置し、国産榊を「中国産」の安価な“似非榊”「ヒサカキ」を神棚に捧げて平気になった。もっとも、何をさておいても「日本の神様には日本の榊をお供えしたい」という「日野さん」のような方々も居られるが、この神聖な行事も、戦後の日本人が祝祭日に国旗を掲げなくなったように、いずれ各家庭から廃れていくのだろう。
 毎日神棚と仏壇の参拝を欠かさない私は、極力真榊をお供えするようにしているが、近いうち、近所の方から苗を購入して、自ら植えたいと思っている。
 何はともあれ、「中国産」の榊を、安倍総理靖国神社に奉納した、ということにでもなれば、英霊は困惑するだろう?が、案外中国も秋季例大祭に総理自身が参拝することを「黙認」するかもしれない。私はそのとき始めて中国側が言う“日中友好”が本物であるか否かがわかると思っている。