軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

中国はバブルを恐れている!

 一週間、中国に行っていた。北京で中国社会科学院・軍事科学院と、上海では国際問題研究所との間で「日中安保対話」をしてきた。それぞれ一日半、つめきりの会議で、現役の陸海軍少将らも参加したホットな議論だったが、彼らが大きな関心を寄せていたのは、台湾問題と経済問題であった。
 28日に、晴海に中国海軍の「シェンチェン号」が入港するが、国威発揚とばかり盛大な送迎が行われたことがテレビで宣伝されていた。それに比べて我が国の政治状況は、馬鹿にされたような雰囲気。国際会議でも、温家宝首相などの積極外交振りを中心に紹介するが、日本の総理との会談はあまり重く取り上げられなかった。
 オリンピックを控えた北京市内は、予想通りにモラル向上が図られていて、交通指導員達が横断歩道を統制していたが、なかなか混乱は直らないようだ。便所もまだまだ不衛生!ただ、自転車の駐輪状況は大きく改善されていた!
 オリンピック会場の「鳥の巣」建築も、周辺の選手村も、急ピッチで整備されていたが、完成までまだ時間がある、と案内者は落ち着いたもの。

 会議の所感はそのうちに整理するつもりだが、バブルの進行は予想以上のようで、日本側に「体験談」と「アドヴァイス」を求める声が大きかった。
 台湾問題も、陳水扁と少数の独立派が「悪人」で、台湾人も中国人民だと強調する。しかし、予想通り、「台湾独立」宣言は、ウイグルチベット、モンゴルなどの独立を刺激することが最も怖いということがある発言で「確認」された。来年の台湾の総統選挙は一つの曲がり角である。独立は絶対に認めない!と強硬で軍事力威嚇も口にしていた。
それよりも、休憩時などの会話の中心は、土地価格の上昇問題で、2003年に比べると上海でも土地の価格は3〜4倍になっている様子。すでに一般人民には、マンションも購入不可能な状況らしい。後は人民元の切り上げか?など、経済問題の話題は尽きなかった。
 もちろん、そんな中でも「空母」の建造は決してあきらめないというから面白い。

 帰国して久しぶりにブログを明けたところ、1週間も更新しなかったにもかかわらず、9万件もヒットして驚いたが、コメント欄はまるで中国の「餃子や」の雰囲気で騒がしい!
 旅行間に見かけた日本人は気が弱く?おとなしく、これじゃいずれこの国は「発展途上国」に征服されるのでは?と危惧の念を抱いていたが、いやいやどうして、彼らに負けないくらいの“罵詈雑言”を浴びせる方も国内には散見されて、心強い限り。
 中国人の「経済発展」に伴う“自信”と、全ては自分のものとするずうずうしさに対抗できそうな雰囲気に安心した次第。詳細は明日以降に・・・。