軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

戒厳令?下で行う“運動会”

 北京五輪まであと3週間、しかしどうも国内は混乱しているようである。インターネット上では、四川大地震の後始末もさることながら、貴州での少女暴行事件や、その他もろもろの≪騒ぎ≫が収まってはいないように見受けられる。中でも気になるのは、チンタオのヨット競技上周辺の「アオサ異常発生」と「奇病蔓延」情報である。
 我が国では報じられていないようだが、青島の奇病は今年の旧正月あたりから問題になっていて、その原因は黄海にある島で異常発生したアオサにあるらしいという。それを助長したのが異常気象で、通常は27、28度位なのが35度前後と異常高温が続いたから蔓延したらしい。
 地域の住民の中には買物以外は外出を控えている者も居て、海岸沿いは、昼夜にわたり武装警察の監視が厳しいとも伝えられている。また、周辺の化学薬品工場等は、当局から7月から9月までの間「休業」と通達され、一般には五輪のための環境整備と受け取られているようだが、実は奇病対策だとも言われている。それを裏付けるように、大紀元日本が7月16日に報じたところでは、「今年7月に入ってから、五輪ヨットレース開催地の中国山東省青島市で原因不明の疫病が流行し、15日の時点で、青島の市街区だけで感染者数は16万人に達し、死亡者数は1251人に達した」といい、ヨット会場は当局の手で閉鎖されたとも伝えられている。
 当然公式発表はないだろうから推測の域を出ないのだが、これだけの規制が伝えられている以上、実際の感染数は膨大な数に上っているのではないか?
 北京市内の警戒も厳重で、少数民族の国内移動に異常なほど神経を使っている事が伝えられているが、今ではなかなか北京に入れず、旅客機の切符の購入もままならないという不満が続出しているという。
 これではまるで「戒厳令下で“運動会”をする」ようなものじゃないか?それほどまでしてやらねばならない「運動会」とは一体なんだろう?「国威発揚」もいいが、こんなことではむしろ開催国としては「時期尚早だった」という結論になり兼ねまい。
 仮に運動会が成功しても、数々の不便を強いられてきた人民の不満は極限に達し、終了後に大混乱が起きるような気がする。その上経済問題・インフレ悪化が加われば北京政府にとっては致命的になりそうであるがそれは開催国にお任せするとして、問題は大挙して参加する日本選手団が、奇病を国内に持ち込まないかどうかである。
 厚労省は当然対策を練っているものと考えたいが、過去のHIVや薬剤問題が示しているように、後手後手に廻って後で謝罪することがあってはならない。
「死者数1251人」という大紀元の数字が妙に気にかかる・・・用心するに越したことはあるまい。

 それにしても興味あるのが今朝の産経新聞記事である。13面にある今日の「昭和正論座」は、昭和49年1月7日掲載の会田雄次氏の「石油、計算ずくに徹せよ」というものだが、今更ながら指摘の鋭さに感心する。とりわけ衝撃的なのは、支配者型の商業民族、特に華僑が「典型的な農耕民族である日本」を支配できなかったのは、「徳川幕府鎖国のせい」だと言う一説である。「華僑は入ってきても、大阪商人ならそれに対抗できただろうと言う意見もある。しかし、戦前戦後のちょっとした接触を見ても、その競合はうまくいっていない。深入りするとインドネシアのように原住民から共に排撃される。独自で行こうとするとタイ国の日貨排斥のような目にあう」と会田氏は書いた。
 「視点」欄で(湯)氏が「日本が人口減を補うため中国移民を受け入れれば、その先は知れているということだ」と指摘したがその通りである。自民党の中川元幹事長は1000万人の移民説をぶち上げたそうだが、これを聞いて会田氏は“空いた”口がふさがらないだろう!バカも休み休み言え!と。