その左の「土曜日に書く」欄も示唆に富んでいる。「CIAが嫌う日本技術の流出」と題した湯浅博氏の文だが、タイトルよりも中身に極めて重要な情報が含まれている。
それは(1)「7月に予定されていた『レーザー核融合』などに関する研究シンポジウムに、大地震の中心地である綿陽から参加予定だった中国の核科学者4名が“都合がつかず”、会議が11月に延期された」という部分。
(2)「CIA(米国)が最も恐れるのは、日本のレーザー技術が合法的に中国に流出していくこと」だと言う箇所である。
例えば(1)は、中国の「ロスアラモス」といわれる綿陽の核施設=プラント821に何らかの事情があるのではないか?つまり、今回の地震で、核施設に被害が生じているのではないか?と推察できる点。
又(2)については、日本から“合法的?”に中国へ情報が流れること、例えば暗礁に乗り上げた我が国のF−X選定でF−22が米国側から拒否されたこと、の裏づけが推定出来るという点である。
つまり、F−22の資料を求めて訪米した時の防衛大臣を米国は“疑って”いて、資料を渡さなかった、という“航空関係者”の情報が、満更ウソではなかったということである。国内では山田洋行事件がらみか?と噂されていたが、万一「同盟国」を信用して機密であるF−22の資料を米国が渡せば「次の日には中国にわたっている!という、日本の情報管理の甘さ」に対する米国の警戒心が先に立っていたことが証明されたように思えたのである。日本国内で活動している情報マンは、中露のみならず世界各国から来て“ひしめき合って”いる。そんな中で、情報管理が不備な相手に、国益を左右する機密をそう簡単に手渡す国はないのである。
ところが湯浅氏の記事には、この研究シンポ用に準備された「レーザー核融合」関連英文資料は、実は「米情報機関CIAから日本側に渡されたいわくつきのもの」だったというから興味深い。CIAのおとり捜査にまんまと引っかかったのじゃないか?
この会合は、日中協力事業として中国で第1回シンポが開催され、「経産省が技術流出を警戒しているのに、文科省管轄の国立核融合科学研究所からは日中協力事業として資金が出ている」というから茶番である。
こんな文科省に指導されている各大学では、減少する学生獲得に懸命だが、不足する学生のみならず“余っている筈?”の教授までも中国人などを多数採用している。
まさか「大分県教育委員会」のように、政治家などの「口利き」やコネや賄賂で彼ら外国人たちが“自由に”入学しているとは思いたくないが、各大学の研究室は背筋が寒くなるほどの情報無関心が支配しているのが実態だという。
湯浅氏は「大学の研究者の学術交流で合法的に流出することを防ぐ手立てがない。日本の技術が転用されて出来た兵器が、その日本に照準を合わせていたらブラックユーモアではすまない。先端科学と安全保障のすり合わせは、一刻一秒を争うレベルにある』と結んだが、夏休み中の福田首相はこの記事を読んでいるだろうか?
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