軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

好機を生かせない日本・・・

 都心に出かけるのが億劫だ、と言ったとたん、出かける機会が増えて困惑している。昨日は雑誌社のインタビュー、しかし、若い女性インタビュアーだったから時間を忘れて話し込んだ!・・・。
 その後はチャンネル桜で“防衛漫談”の収録。

 出かける前にNHKの友人から、7時半からの「クローズアップ現代」で、『変貌する自衛隊派遣最前線』と題して、ソマリア沖に派遣されている海自のレポートを放映するから是非見てご意見を、とメールをもらったが、上記のようなスケジュールだったから『再放送の日時を教えて』といって出てきた。しかし、気が利いた“桜”の担当者がDVDに録画してくれていたから、後でゆっくり拝見したい。「ジャパンデビュー」と同主旨じゃないだろうナ?と思っているが・・・


 ところで防衛漫談では、井上キャスターが怒っていたのが「鳩山氏の“故人”献金問題」と、8月6日に広島でおこなわれる予定の田母神氏の講演会に「広島市長が日程変更を申し入れた件」であった。


 鳩山氏向けの“故人献金”が異常に突出していることを示す朝日新聞のグラフには驚いたが、何よりも、80年から彼を支えてきた秘書に責任を押し付け、即日解雇して逃げた彼の姿勢に怒りが湧いた。
「自分(鳩山氏)のためにと思ってやったこと」だが、「自分は知らない」と責任逃れし、「ほや〜とした自分だから」と苦笑したというが、語るに落ちるとはこのことだろう。
 彼は田母神氏とアパの「ワインの会」で同席しながら、田母神氏更迭を知るや「彼とは話が合わなかったので途中で帰った」とウソをついて逃げたことがある。最後まで同席して田母神氏と語り合っていたくせに卑怯だと思ったものである。今回もそれと同じ手口だが、私が問題にしているのは、麻生総理には「総理失格」だの「引退せよ」とか記者団の前で要求するのに、自分のことは棚に挙げて知らん振りという姿勢である。
 何よりも、仮に『政権交代』になって、彼が日本の首相になった場合、世界中の“猛者たち”を相手に日本の国益を据えた外交が出来るとは全く考えられないのである。国内ではたとえ“通用”しても、世界には通用しないだろう。


『友愛』とは「知人に対しては献身的な愛を捧げ、見知らぬ他人に対しても必要な愛を惜しまないこと」をいうが、彼は「80年から彼に献身的に仕えてきた“知人”をばっさり切り捨て、グラスを傾けた見知らぬ田母神氏が窮地に立つや、愛を惜しむどころかその場にいなかったと虚言を弄した」のである。何が友愛か!
 世界中の「海千山千の」指導者達は、そんな性格の彼を先刻お見通しである。国内基準?で国内メディアと「政権交代ごっこ」を楽しんでいても、世界は見ているし決して受け入れられまい。
井の中の蛙』『お山の大将』『裸の王様』丸出しで、世界を相手に戦えると思っておいでか?
 こんなことだから『世襲制』廃止論が出てくるのであり、全うな2世議員はたまったものではなかろうと同情する。


 広島市長もそうである。田母神氏がいう「平和」と、自分達の「平和」がどう違うのか、主催者の日本会議に申し入れて田母神氏との「対談形式」あるいは「パネルディスカッション形式」で、堂々と意見を戦わせたらいいではないか!
それが言論の自由が保障された民主主義というものである。

 6日は祈りの日であり不適切だから、日程変更を、などという姑息な“圧力”をかけるのは卑怯である。ただ「祈ってばかりいても」決して「平和」が齎されないのは、世界情勢が示しているではないか。
「ダチョウの平和でいいのか?」と私も広島市長に伺いたい。市長の支援グループの中にも、この際堂々と田母神氏と意見を戦わせるべきだ、と思っている者もいるのではないか?

 いわゆる「左翼が唱える“平和”」と「愛国者が唱える“平和”」とどこがどう違うのか、市民の前で堂々と討論して欲しいと思う。判断は賢明な広島市民が自主的にするだろう。

 「防衛漫談」では、そんなことを「放談」したのだが、つくづく今の日本には言論の自由も、堂々たる「他流試合」も影を潜めてしまい、裏でこそこそ“談合”したり、“嫌がらせをする”卑怯なやり方が定着してしまったことを痛感する。これじゃ『サムライ日本』の名が廃る!


 30日の産経新聞一面の「遠い響近い声」欄に、千野鏡子記者がいいことを書いている。『日本版ナイ報告書を求めて』という日米関係のあり方論だが、国内では「・・・選挙への関心は政権交代の一点に集中し、肝心な政権交代後の国のビジョン、あり方を巡る論議与野党ともほとんど忘れている。特に外交・安保政策のそれはないに等しい」「選挙は蓋を開けてみるまでわからない。決めるのは有権者だ。しかしどちらが勝っても、安保政策の根幹は変わらないとのメッセージが日本にも必要だ。それでこそ成熟国家である」と千野記者は嘆いているが、メディアが「くだらない質問」しかしないから、議員もそんな愚かな「回答」しかしないのであって、根幹にかかわる回答を議員から「引き出していない」のも事実であるから、メディア(記者)自身の能力向上も必要であることを忘れてはなるまい。新入り記者が増えるごとにどんどん質問も記事も「幼稚化していっていること」も猛反省すべきだろう。


 ともあれ、日米関係を見ると、オバマ民主党政権にも意外な好機?が潜んでいることに気がつく。秋に来日予定のオバマ大統領が、どんな“手土産”持参で来るのか極めて興味あるが、下手すると日本側の方が無責任な政党に代わっていたりしていた場合、またまた好機を逃すことになりはしないか?
 「(日本の民主党は)日米同盟に懐疑的立場を表明してきた。同盟関係に摩擦を引き起こすだろう」とジョセフ・ナイ元国防長官補が下院外交委員会の公聴会で言った言葉通りになりかねない。
 千野記者が「国務省東アジア・太平洋担当次官補の指名承認の公聴会で、カート・キャンベル氏が、アジア・太平洋とりわけ日本への深い造詣と信頼や思慮」を示したことに、「この好機を本当に活かすことのできる日本だろうかと」懸念した意味が私には痛いほどわかるのだが、政権交代を○○の一つ覚えで吼え続け、解散風に怯えている“男性”議員たちにはきっと理解できないだろう。
 私も“女性の”千野記者同様、21世紀半ばに迫る安全保障上の危機を乗り切るための、千載一遇の好機をみすみす逃し、自らどつぼに嵌っていくのではないか?と深く懸念しているのだが、それにしても日本男児は頼りなくなったものだとつくづく情けなく思うこの頃である。

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