軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

風格・品格・・・ところ変われば


 朝青龍関がハワイにいた!とメディアは喧しい。彼だってまだ若い青年、息が詰まりそうな場所から、気分転換にハワイに抜け出したって少しもおかしくはないだろう。未だに「横綱の品格」を話題にしている局があるが、自分の品格は棚上げか?


 ≪緑の太陽≫さんのコメントに≪相撲に関しては日本人横綱が不在ですがスポーツ全体では日本人選手は活躍しています。五輪はルール変更の中でも活躍しています。相撲の品格が無いのは報道されないだけで昔からの様な気もします。今回は何故か報道されました。元横綱理事でも人相の悪い者がいます≫とあり、≪以下の写真が面白い≫と紹介されたブログを見て吹き出した。http://plaza.rakuten.co.jp/555yj/diary/201002020000/


 インドやスリランカなどを旅したとき、まさにこの状態だったが、これがそれぞれの国の“流儀”であって、彼らに日本流の「ものさし」を強要出来る筈はなかろう。
 風格がなく人相も悪い日本人も多い。特に連日TVに出てくる政界人には、ある意味“横綱の品格がない朝青龍関”より品がなく人相も極端に悪い者が目立つ。人の振り見てわが振り直すのが先だろう。


 日本人がモンゴルに行ってパオに寝泊りし、馬にまたがって草原を疾走し、馬乳酒を飲んでみれば、朝青龍の気持ちも多少は理解できるだろう。彼らの先祖は、草原を疾走して大陸から欧州まで席巻した。13世紀、わが国も危なかった・・・


≪緑の太陽≫さんの紹介によるブログに大笑いして刺激され、私も「ところ変われば」という実例を紹介しておこうと思う。中国情報に詳しい「大紀元時報」に、春節を迎えた大陸での悲喜こもごもの出来事が次のように紹介されている。


その1:≪早く乗り込んで!窓から乗車する中国の望郷列車(大紀元日本2月6日)≫

 中国では14日から旧正月春節)を迎え「大都市で懸命に生きる出稼ぎ労働者、貧しさに耐えながら異郷で夢を追いかける地方出身の学生たち。それぞれの思いを胸に、帰省する人々の大移動が始まった」が、春節ラッシュのニュースの中で次の「広東省東莞(ドングァン)東駅で撮影された列車の写真」が話題になったという。

 この写真の「窓から乗車する乗客を手助けする駅員の姿」に政府が“安全管理を怠った”として「駅長と副駅長の免職を決定した」からである。

「しかし、90%のネットユーザーはこの決定に反対する。『無事に帰郷できるよう、手助けをしてくれた駅員の優しい心遣いは称賛するに値する』とネット世論は真っ向から反論」したのである。

≪問題となった東莞東駅では、停車時間がたったの4分間であるのに対し、乗客はおよそ1500人。15両編成の列車で単純計算すると、2・4秒に1人が乗車するという早技が必要。巨大な荷物を抱えて帰省する人たちには、到底無理な話だ。同駅のある駅員は、「すべての人に乗車してもらいたい。乗車できずに泣いている人を見ると、自分の家族の姿と重なる」と話す。
 この写真を撮影した東莞日報の記者は、「申し訳ないことをした」と謝罪した。「乗客のほとんどが出稼ぎ労働者だった。もうすぐ発車なのに、乗車できない人は窓から乗り込むしかなかった」と当時の光景を話す。
「春運」(春節期間の特別運行体制)期間中(1月30日〜3月10まで)は、25億人が大移動すると予想されている≫


 わが国のラッシュアワー時の駅を見るがよい。≪乗客の詰め込みアルバイト≫までいるが、政府が≪安全を怠った≫として駅長らを処罰したとは聞いたことがない。
 日本人ならば、「すべての人に乗車してもらいたい。乗車できずに泣いている人を見ると、自分の家族の姿と重なる」と話した駅員の気持ちに同感だろう。
 これを報道した東莞日報の記者が「申し訳ないことをした」と謝罪し「乗客のほとんどが出稼ぎ労働者だった。もうすぐ発車なのに、乗車できない人は窓から乗り込むしかなかった」という話にも同情し、「謝る必要はない」というだろう。つまり、駅員達を応援して政府を非難する中国人民のネットユーザーにわれわれは同感するだろう。でもそれはかの国では許されないのである。


その2:≪風を切って里帰り バイクで1400キロ走破した夫婦(大紀元日本2月7日)≫
 中国では帰郷の手段は列車、飛行機、長距離バスなどだが、≪旧正月の時期は20数億人もの人々が移動するため、切符を購入できない人も出てくる。そんな中、1400キロもの道のりを、バイクに乗って帰省した夫婦がいた≫というのである。

 ≪年老いた親に子供を預け、5年前に重慶市近郊の農村から広州に出稼ぎにやってきた丁夫妻。ずっと働き詰めだったが、今年の春節には故郷へ帰り、久しぶりに家族と会う計画を立てていた。しかし、勤務先の工場や切符の販売所、またダフ屋などを回ってみたが、どこへ行っても切符が手に入らない。帰省の切符は、入手するのが非常に困難だった。

 八方塞がりの中、ふとバイクを買って里帰りする人々の姿が丁夫妻の目に映った。丁夫妻は「これだ」と思い、早速バイクを購入。家族へのお土産を後部座席に縛りつけ、二人乗りで1400キロにおよぶ里帰りの旅が始まった。迷子にならないよう、GPS機能付きの携帯電話も新調した。

 しかし、旅は順風満帆というわけにはいかなかった。乗り物に酔いやすい妻は、身体的につらい日々が続いた。また、妻は酔い止めの薬の副作用で強い眠気に襲われ、丁さんが急ハンドルを切った際、バイクから投げ飛ばされたこともある。幸い、擦り傷程度で、大事には至らなかった。

 道中、二人は疲労困憊していたが、その他にも常に緊張を強いられる要素があった。それは、二人がいつ強盗に遭うかも分からない、ということだった。昨今、強盗が道に穴を掘って待ち伏せし、車が停車した隙を狙って、車中の人の金銭を奪う強盗事件が多発していた。町外れの場所を通る時は、前に不審者がいないか、後ろに疑わしい車がついてきていないかなどを常にチェックしながら旅を続けた。

 旅を始めて三日目、二人は高速道路を走行中に、警察に止められた。バイクを降りた妻は開口一番、「三日も座りっぱなしで、お尻がしびれた」とぼやいた。夫の方は目を血走らせ、防寒着に埃だらけという異様な姿。二人の姿を見た警察は、どうもあやしいと感じてしまったようだ。

 夜は格安ホテルに宿泊し、食事はカップ麺とお弁当だけという旅を三日間続け、ようやく故郷へ辿りついた丁夫妻。体重は、出発時より夫は4キロ、妻は2・5キロ痩せていた。しかし、苦難を乗り越えた末に辿りついた家族との再会に、丁夫妻の喜びは人一倍だった≫

 1400Kmといえばざっと下関〜青森間に匹敵する。昭和36年防大3年生の夏休みに、50ccのバイクで弟と二人で7日間かけて九州一周したことがある。このときの総走行距離は1308Kmだったが、無事に福岡の自宅に帰り着いたときは「股はひりひり」腕は硬直して箸も握れなかった!


 丁夫妻は1400Kmを3日で走破したというからその家族愛と夫婦愛に脱帽だが、さぞや足腰はガタガタだったことだろう。丁夫妻と私の違いはGPSもなかったものの、いつ強盗に襲われるか?という恐怖感は全くなかったことである。
 50年前の日本よりも、今の大陸のほうが危険だとは本当にお気の毒、そもそも夫婦でこんな危険を冒さなくては家族に会えないというお国柄が哀れである。

 世界に誇る経済大国・軍事大国のこの国は、今でも「風格や品格」を唱える以前の状況にあるのだが、現在のわが国も、自分の人相や品格は棚に挙げて「外人力士」に風格を要求している場合ではなかろう。なんとノー天気な≪平和国家≫であることか!

 ところ変われば≪風格も品格も≫斯くの如し、まず隗より始めよ、といいたくなる。

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