軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

古新聞と古情報の効用

 今朝の産経一面「くにのあとさき」欄に、湯浅博記者が「“不渡り政治”になりかねず」と民主党政権を批判している。その中に、20年前に国会内で会った小沢氏が、「なんの用だ、産経。政治にカネがかかるのは当たり前だ。政治は数と資金力。行革と一緒にされたくねえなあ」といったことが忘れられない、と書いている。

 ≪師匠筋の田中角栄元首相も金丸信元副総理もカネがらみで失脚した。続く小沢幹事長のカネにまつわる話に、われら凡夫はただ頭がくらくらするばかりだ。
 政治資金はどこからかわいてくるらしく、事務所の金庫から4億円をポンと差し出したかと思えば、その翌年にもほぼ同額の4億円をポン。それを秘書がせっせと土地購入代金に当てる。勢いあまって普天間飛行場の移設予定地であるキャンプ・シュワブ沿岸から直線で9キロにある土地まで買ってしまった≫ 


 辺野古地区の土地は≪投機買いの成功≫だと湯浅記者は書いたが、自民党時代にも自衛隊・米軍基地周辺の土地を“確度の高い情報”を流して買占めさせてリベートを取る政治屋がいたし、やがて基地騒音や安全問題で左翼とマスコミが騒ぐと、今度は国を脅かして?補償金をふんだくろうとする輩が目立ったものだが、小沢氏の場合は親譲りの潤沢な資金があるので、自らの投機目的?だったらしい。

 ≪事務所の金庫から湧き出る4億円ポンを「小沢現象」と呼ぶことになるのかは知らない≫と湯浅記者は書いたが、これで思い出したことがある。


 山田洋行事件で起訴された秋山氏の著書「防衛疑獄」に「守屋が誰より守りたかった政治家、小沢一郎」と云う項があり、空自出身の田村参院議員(故人)との関係が克明に書かれている(33ページ)。
 詳細は一読願うとして、ここで思い出したことは同書の173ページに書かれていることに関連するのだが、当時空自の幹部学校長だった田村氏が1989年7月の参院選自民党比例代表として立候補するため、小沢氏に連れられて金丸氏に会いに行ったときの模様である。
 私は当時1佐で幹部学校戦略教官だったのだが、ある政治ジャーナリストから「自衛隊も舐められたものよ。金丸がなんといったと思う?」と電話があった。彼は「元防衛庁長官までした金丸は、小沢が『田村氏は防大卒一期生、空将で、京大の博士です』と紹介したところ、『空将?、それがなんだ。博士?、それがどうした。後ろの金庫に一晩で2億円持ってきて入れろ。それが出来なきゃ、この机に100万人分の党員党友名簿を持って来て置け』といってそれで終わり。空将閣下も舐められたものさ」と云うものであった。


 秋山氏が著書に書いた内容とは若干異なるが、私は又聞きだから本のほうが正しいのかもしれないが、いずれにせよ、『金庫』と『名簿(数)』の論理を裏付けてはいるだろう。
 確かに湯浅記者が書いたように、師匠筋の田中角栄元首相と金丸信元副総理の影響力が強かったことが伺える。三つ子の魂・・・であろう。

 湯浅記者の記事に従えば、次は「カネがらみで失脚」という事になりそうだが、小沢氏は中国では「人民解放軍の司令官」だと発言し、韓国では「外国人参政権付与」「日本国民を侮辱する発言」をしたうえ、「済州島を金で買う!」発言までしていたのだから、彼の“サイシュウ”目標は島の買取かもしれない!

 冗談はさておき、湯浅記者が言うとおり≪肝心の日米安保条約が不渡りになりかねない情勢≫を避けねばならないのだが、幸か不幸か、米中間の軋みが大きく表面化してきた。


 中国国内では軍を掌握した胡錦濤主席と、次期主席といわれる習近平氏との間で激しい権力闘争が始まっているという。5月からの上海万博、そしてこの秋の米国大統領中間選挙・・・、日米間のトゲになっている普天間問題の“解決”は5月、トヨタ問題もそれまでには解決しないと、アジアは急激に不安定になる予感がするが、無責任な“評論家”としてはいよいよ面白くなってきた!



 ところで私は体調回復のため極力外出などを避けて、今まで放置してきた“足の踏み場もない書斎”の整理中だが、古雑誌や古新聞の切抜きに思わず目が行き、なかなか仕事がはかどらない。そんなスクラップの中から、ドキッとするようなものが出てくるからである。

 今日はそのうちの二つを貼り付けるが、最初は「森首相の神の国発言」時の小沢氏の行動を批判した論評(平成12年6月25日:国民新聞)と、普天間問題について取材を受けた際の私の記事(平成12年6月15日:共同通信)である。コピーのコピーだから判読しづらいがご参考までに。さて、今日の書斎整理ではどんな≪宝物≫が出てくるか楽しみである。





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