軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

シーシェパードを撃退せよ!

 2月も半ば、古い資料に目を通していると、一日の時間が経つのは早いが、逆に沖縄問題は14年前と少しも変わっていないことに気がつく。
 数年前の総合雑誌に目を通すと、日本の政治は停滞どころか「後退」していて、それも、ジャーナリストらが「こんな人が政権をとったら国は滅びる!」と口を酸っぱくして警告してきた人物たちが登場していることに驚かされる。
 やはりこの国は、民主党のTVコマーシャルどおりに衰退どころか“沈没寸前”だということがよく理解できる。

 さて、今日はアラカルトでいってみたい。


1、後輩たちの貢献に感謝!

≪産経2月9日≫ 

 カネまみれの薄汚い政治屋たちの報道の陰に隠れた感があるが、陸自のハイチPKO部隊第1陣が現地に到着した。地震被害の復興を支援するとはいえ、諸々の想定外の事象に悩まされるに違いない。

 中南米に「日本軍」が進出するのは始めてである。その昔、ペルーの日本大使館がテロリストに占拠された時、日本政府がとった処置は余りにもおそまつだったから、現地で顰蹙を買ったが、日系人のフジモリ大統領が、鮮やかな武力行使でこれを解決したから、日本の名誉はかろうじて保たれた。

 今回、初めて“日本軍”の英姿を現地人は見ることになる。淡々と任務を遂行してほしいと思う。現地では風土病など未体験の事例が続出するだろうが、各人が臨機応変に対処して無事に任務を果たして欲しい。
 君らの最高指揮官が君らの「いのち」を守ってはくれるという保証はないのだから。


2、御用学者は「史実」に学べ!

≪産経2月9日≫

 日中歴史共同研究委員会の報告書について多くの有識者が非難しているが、外交的配慮を優先した?御用学者の「史実認識」はこの程度だろう。
 9日の産経14面に、私が推薦した東中野修道亜細亜大教授が「史実どう考えるのか」と書いているから、日本側の「有識者」は一読するがよい。

 数年前、台湾のホテルで偶然教授ご夫妻にお会いした時、国民党の時代の重要な秘文書を入手したので、帰国して分析する、と嬉しそうに語っておられたことを思い出す。それが「南京事件・国民党極秘文書から読み解く」に集約されている。当時の南京市内の避難所を管理していた「国際委員会」が纏めた「南京安全地帯の記録」には、2ヶ月間の殺人事件は26件であったが、そのほとんどは目撃者がいない出所不明の「風評」だったのである。
 言うまでもないことだが、当時の国際委員会の主力であった英国領事館、米国領事館も、これらの国の特派員達も、やがて大東亜戦争で敵対関係になる列国であって(一部は義勇軍として参戦していた)、何とかして日本のイメージを「ダメージ」にしたいと躍起だったにもかかわらず、日本軍の不法行為はせいぜい「掠奪・強姦」程度にしか捉えられなかった。それが何故戦後「大虐殺」に発展したのか?あの毛沢東でさえも日本軍が南京を包囲しながら皆殺しにしなかったことを「下手な戦術だ」と小ばかにしていたのである。


3、“信じる者”は騙される!

≪産経2月10日≫

 今日も曽野綾子女史が「透明な歳月の光」欄で、≪違う文化と意識の存在を認識せよ≫とお人よし日本人を叱咤していた。名古屋の受験専門塾が、児童二人分の「入試願書」提出を忘れたため、二人は遂に受験できなかったという記事を見て、「日本人はなんと人任せな生活をするようになったものか」と嘆いている。
 塾の代表は「塾のミスで大変申し訳ない」と謝ったそうだが、それで二人の人生が償われるわけではない。

 途上国への旅が多い曽野女史は「旅支度はすべて自分でする」が、人任せにしていては「危険から身を守る」ことが出来ないからだ、と体験を語っている。


 われわれ自衛官も準備を人任せにしていたら、戦場で思わぬ危険に陥るから、徹底的に自己完結する習性をつけさせられる。戦場で孤立無援になっても、蛸壺だけで一週間は耐えられるように・・・
 特に我々戦闘機乗りは、一度離陸してしまえば、自己責任で降りる以外、誰も無事に着陸させてはくれない。教官も、管制官も司令官も防衛大臣も、最高指揮官である「鳩山総理」でさえも、いくら「いのちを守りたい」と絶叫してくれても信用できない。信用できるのは整備員の技量と自分の腕だけである。


 曽野女史が言うように「昔の郭の遊女と客の間に交わされる誓紙みたいな言葉」がハナから信用できるはずはない。(最も、若い人たちには「郭」「遊女と客」「誓紙」といっても馴染まないだろうが・・・)

 中近東で店のおやじが≪「ビリーブ・ミー。トラスト・ミー」と言ったら「それだけでそいつは嘘つきだと反射的に思わないとだめです」と訓練されて、私は30年以上を生きてきたのだ≫と曽野女史は言うが、中近東の店のおやじではなく、今や自国の総理や大企業の社長が「ビリーブ・ミー」と外人に言うのだから始末に終えない。彼らには曽野女史の爪のアカでも飲んで欲しいと思う。


4、シーシェパードを撃退せよ!

≪産経2月10日≫

 総理や大企業社長がこの体たらくだからか、わが国の調査捕鯨団が「海賊」に襲われも“人道的”対応しかしてとっていないので舐められっぱなし、「抗議行動」はエスカレートするばかりである。
 日本船団を追跡している船は「ノルウェー国旗」を掲げているが、「レーザー光線を照射し、異臭がする薬品いりのボールを発射装置を使って放り込んでくる」流線型の高速艇に、日本側が放水や音響装置を使って“警告”しても効果はあるまい。北朝鮮の不審船に海保が取った銃撃行動しか効果はあるまい。

 この米国に本拠地をおく環境保護を標榜する団体「シーシェパード(SS)」の代表・ポール・ワトソンは、元「グリーンピース」の幹部だった。彼が今まで取ってきた行動は、ある意味ソマリア沖の海賊よりも悪質で凶悪でテロリストそのものである。彼らのバックに誰がついているのか?資金源はどこか?については、「反捕鯨に共鳴する欧米の資産家の寄付」だという。ならばわが国は欧米からの牛肉豚肉などの輸入はストップすべきだし、ロック歌手のミック・ジャガー、ハリウッドの人気女優ダリル・ハンナらが支持を表明しているというのならば彼女らのCDやDVDはボイコットすべきである。米国の人気TV司会者のボブ・バーカーも献金しているという。
 彼らが国籍を偽装してまで日本に敵対する以上、われわれもそれに堂々と対処しなければ、“南京大虐殺”的な反日風評が定着する。

 彼らは、衝突事件の「すべての非は日本側にある」と主張するが、これまた冷戦時代のソ連や中国、そして北朝鮮の主張に酷似している。こんな不逞のやからを抱えている米国と同盟関係にあるのは皮肉だが、たぶん、テロとの戦いを支援している大方の米国人はSSの過激な行動に眉をひそめていることだろう。問題は日本の弱腰な姿勢である。


 創設以来、「いくら叩いても絶対に反論しない自衛隊」だから「叩き得、言い得、苛め得」、あること無いこと自衛隊を徹底的にたたく、というメディアからの一方的な非難攻撃にひたすら耐えさせられた経験を持つ自衛隊OBの私とすれば、舐められることは決してことの解決に結びつかないという哲学?を持っている。

 そんな体験を持つ私だから、SSには痛い目にあわせないと問題は解決しないと思っているが、報道によると鳩山総理は「友愛の船」で、自衛艦に医者らを乗せて太平洋などを遊弋させるという。そんな余裕なんぞあるまい。現に同胞が乗った調査捕鯨船団がテロ攻撃を受けているのである。
 是非「友愛の船」は、調査捕鯨団に随行して「医者には万一に備えた対処」を、海自艦長には国民をテロ組織から守る手段として「撃退」の指令を与えて欲しいものだが、3面下のこれに関連する記事に気になるものがある。
 SSの抗議船「スティーブ号」には、≪日本人女性が通訳として乗船しており、(産経の)電話インタビューに「シー・シェパードはけが人が出るような振る舞いは一切していない」などと話した≫というのである。
 この日本人女性通訳は一体何者か?まさか「ピース・ボートの幹部」ではあるまい?
 
「止まらぬ暴力:シーシェパードの実態」を連載中の佐々木正明記者には、ピース・ボート日本支部に取材してこの女性の正体を是非明かして欲しいが、彼女が本当に“日本人”だったとしたら、非国民であり獅子身中の虫、排除しなければなるまい。国民が気がつかないうちに、この国は内部から崩壊しているという証明だろう。

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