軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

尖閣にミサイル、その時日本は?

中国国内、特に人民解放軍の動きがおかしい。
予想通り、他国の領土を取り込んだADIZを公表し、圏内を通過する航空機はすべて「フライトプラン」を提出せよという。

≪中国国防省が公表した中国のADIZ=産経から≫


23日、外務省の伊原純一アジア大洋州局長は、韓志強駐日公使に電話し「わが国固有の領土である尖閣諸島沖縄県石垣市)の領空を含むもので、全く受け入れることはできない」と厳重抗議し、「状況をエスカレートさせるもので、現場空域で不測の事態を招きかねない非常に危険なものだ」と批判した。
小野寺五典防衛相も岩崎統合幕僚長らと今後の対応について協議した後、記者団に「一方的な指定は大変危険な行為だ。警戒監視については従前にも増して、しっかりとした対応が必要だ」と語った(産経)。

自民党高村正彦副総裁も今日のNHK番組で「日本の防空識別圏と重なる。日本は淡々と今まで通りのことをやる。(識別圏設定を)やめるように中国に抗議しなければいけない」と強調するとともに「間違っても一触即発の事態が起きないように(自衛隊と中国軍が)密接な連絡を取り合わなければいけない」と指摘した(産経)という。

何と呑気なことだろう。ADIZは第2次大戦後に連合軍によって領空侵犯されないために設けられた基準ラインだが、その後現在まで国際的に認められ、民間航空機も順守してきた。それが今頃突如勝手に線引きされ、しかも他国領土を取り込むなど、国際常識欠如も甚だしい。
中国に抗議しても始まるまい。台湾と共に国際機関に提訴し、中国の識別ラインを認めさせないことだ。


たまたま届いた「軍事研究」12月号の「市谷レーダーサイト」欄に「姑息な解釈改憲は一利なし」と北郷源太郎氏は書いている(抜粋)。


≪最近、安倍政権に対する失望感が高まっている。「美しい国・日本」を掲げて総裁選を勝ち抜き衆院選にも参院選にも圧勝した安倍総理。…安倍政権を応援してきた者は憲法改正と戦後体制脱却を実現し、日本が全き国民国家に生まれ変われる日を期待したのではないか。…その一方「痛恨の極み」とまで言った靖国神社には参拝せず、尖閣実効支配も進展捗々しくなく、今回の所信表明演説にも拍子抜けせざるを得なかった。選挙で争点に掲げた憲法改正も段々萎んで来ており、先行して96条を改正させハードルを下げようとした目論見も反対の声によって頓挫した。
集団的自衛権についても勘違いしている向きが見られる。…現在の国際法では戦争は原則として違法となっており、1、自衛権の行使としての戦争、2、国連決議による武力行使、の2種類しか認められていない。…憲法9条2項がある限り、どのような名前にせよ戦力に該当する組織は持てないのであり、そのような組織を持っていない、すなわち刀を持っていない日本に外国を助太刀することはできないのである。更に万が一、集団的自衛権行使が容認される解釈改憲がなされたとして、国民の憲法改正熱を喚起するものになるだろうか。寧ろ逆に厭戦気分が蔓延し、自衛隊は戦力=軍隊でないまま、憲法に規定のない存在のまま放置され続ける可能性の方が高いのは火を見るより明らかだ。集団的自衛権行使には制限はあるが国軍である自衛隊と、集団的自衛権は行使できるが国軍ではない自衛隊と、どちらが良いのか。自衛隊員にどちらになりたいのか、国民にどちらを持ちたいのか聞いてみるがよい。前者は晴れて殿上人として自国民のためにのみ戦えるということであり、後者は地下人のまま外国の手先として戦えるということである。後者を選ぶ者など何処の世界にいるだろうか。なすべきことは憲法改正(9条2項の削除だけでよい)であり解釈改憲ではないのだ≫


そこで、シナが性急にADIZを拡張し、尖閣を取り込んだ背景を推察するに、国内の混乱(テロ行為による各地の事件事故発生はもとより、体制に不満を持つ一部の軍のクーデター)抑制措置に限界が近づきつつあるのではないか?

天安門広場で起きた「ウイグル人?」による自爆事故や山西省共産党本部前で起きた爆破事件など、次々にサボタージュとみられる事件が多発している。
中国ウォッチャーに天安門広場事件について聞くと、中国人の誰も「ウイグル人一家心中」事件などとは思っていないという。北京だけで監視カメラは40万か所以上設置されていて、天安門広場には厳重に監視されている。にもかかわらず、この事件については全くその画像が公開されなかった。だからこれは反習近平派の策謀だと誰もが考えているという。

天安門広場の監視カメラ=インターネットから≫


そしてそれを裏付けるように次々と事件事故が多発している。


≪中国山東省青島市で22日起きた油送管爆発事故で、中国石油化工集団(シノペック)の傅成玉会長は23日、短文投稿サイト「微博」を通じ、「青島市民の生命と財産に巨大な損失をもたらした。犠牲者に深い哀悼をささげる」と謝罪した。

≪チンタオで爆発=大紀元日本から≫
≪同=産経から≫


国営の新華社通信電などによると、事故の死者は23日までに44人となった。136人が入院、治療を受けている。

これまでの調べでは、地下に埋設されたシノペックの油送管から漏れた油が、市当局が管理する別の系統の輸送管に混入、爆発の原因になったとみられるという。

爆発は市民多数を巻き込んだ。23日付の中国朝刊各紙は、陥没した地面の上で横転するトラックや、避難する住民の写真を大きく掲載した。(共同)≫


この事故についても、何者かによる“工作”だとみているらしい。習主席は直ちに青島に飛んでいる。
更に中国共産党にとって恐ろしい事は、一部退役軍人らが三峡ダム破壊を計画しているという情報があることで、万一破壊されれば、周辺の6省に甚大な被害が生じ3億人が犠牲になり、その上に軍は膨大な武器弾薬を喪失するという見積もりもある。

三峡ダム=インターネットから≫


ウォッチャーによると「それにしても日本の政治家はのんびりしているね〜。尖閣問題を、フィリピンがやったように早く国際裁判所に提訴しないと、独走する軍部が次は“無人島”である“中国領”の尖閣にミサイルを打ち込むよ。
シナは昔から内憂から人民の目を外に向けさせようとする。今のシナの敵は日本など外国じゃないのだ。共産党支配に反発するシナ人そのものなのだ。
中国は本来軍閥が支配する国がら、各地の軍がそれぞれ勝手に動き始めている。習は軍閥ではないから軍を掌握できていない。
昨年5月頃、強硬派軍人として鳴らした羅援少将の説を信じている部隊がいて、ミサイル部隊が基地を出て移動しているという情報がある。日本が十分な対応策を取らないうちに、尖閣にミサイルと打ち込むだろう。自衛隊はどうする?」


そういえばわが自衛隊は、国内外の災害派遣で出払っている。南西方面の守りは隙だらけ、そこにシナの無人機が侵入したりミサイルが撃ち込まれたらどう反撃するのか?

いや、これは「第2の盧溝橋事件」を狙っているといえなくもない。共産主義者がよく使う手だが、それに我が国がどう反応するかが今後のカギを握ることになろう。
たまたま同盟国の大統領は不人気で落ち込んでいるし、纏まったと喧伝されているイランの核問題に対してイスラエルがどう反応するかも未定である。そこで世界が中近東に目を向けているその隙をついて尖閣に手を出し、「日本が中国領土を攻撃した!」と騒ぐことは考えられる。国内で次々起きている難問から人民の目をそらすには、今がアジアで事を起こす絶好のチャンスじゃないか?
万一そうなった場合、外務、防衛大臣や高村氏はどんな腹案を持っているのだろう?


さらにこの8月以降、在日本中国大使館は、日本国内に住んでいる中国人に≪緊急事態が生じたときは、大使館に電話、FAXメールをするように≫と連絡しており、不法滞在者を含む約100万人、日本に帰化した13万人に対して至急連絡をとっているという。


もちろん関係部署は掌握しているだろうが、日中紛争になった場合に彼らを「国外退去」させるのか、長野市での北京五輪聖火リレーで中国人学生らが“ミニ騒乱”を演習したように「国内騒乱」を引き起こさせるのか不明だが、安倍政権になっても民主党政権時代のように「想定外」の事態に陥ってオロオロしないで済むようにしておくべきだろう。


「軍事研究」誌が指摘したように、最近の政府の動きは、国防強化に熱が入っていないように感じる。憲法改正はとてもとても間に合いそうにないから、現場指揮官は≪超法規≫で事を進めないと尖閣は守れないだろう。しかし自衛隊の最高指揮官であった福田赳夫総理が「超法規対処」の前例を作ってくれている。今や栗栖閣下の時のように「シビリアンコントロール逸脱」などと騒ぐ新聞社もあるまい。自信を持って任務を遂行するべきだ。


こんな状況下にあるシナに「揉み手して」にじり寄った経済界の重鎮たちと同じ気分でいたら、取り返しのつかない事態になりかねない。民間企業がつぶれても構わないが、国がつぶれてはたまったものじゃない!
安倍首相には、国民から圧倒的な支持を受けて総理になった1億2千万を代表する“指導者”であることを改めて自覚してほしいものだ。
間もなく、三島由紀夫が自決した日から43回目の25日を迎える。氏は黄泉の国でこの国の現状をどう見ているだろうか?
なんとなく想定外の大災害が頻発した平成25年の締めくくりは、日中尖閣紛争になるような悪い予感がしてきた…

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