軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

トカゲのしっぽ切りで安全は保てない


≪旅客機を墜落させた疑いが持たれているアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)=産経から≫


ドイツの旅客機墜落事故で、ようやく真相が暴かれ始めてきた。
コックピット内の秘密が今回の事故で浮き彫りになったため、この異常な事故の全責任を「精神異常者」であるコパイに押し付けようとしたようだが、人の口に戸は立てられないのは日本もドイツも同じである。
先月末、「操縦士の精神科診断内容、職場に知らせるべきか 医師の守秘義務めぐり議論」という記事が産経に出た。

≪フランス南部でドイツ旅客機を故意に墜落させた疑いがあるアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)が、自殺しようとする傾向が認められ精神科の治療を受けていたことをめぐり、多数の命を預かる操縦士については医師の守秘義務を緩和するべきだとの議論が起きている。航空会社が精神状況を十分に把握せず乗務を止められなかったためだ。

ドイツでは児童虐待など特殊な場合を除き、医師に厳格な守秘義務が課されている。通常は診断内容を職場に伝えられず、患者が自ら報告しなければ職場が知ることはないという。
報道によると、連邦議会の議員の一人は「操縦士には航空会社の指定医を受診させるようにし、指定医は会社への守秘義務から解かれるべきだ」と主張。医師出身の議員は、人命に関わる場合は「職場に知らせるのが医師の責務」だとして、副操縦士の場合は医師が航空会社に知らせるべきだったと述べた。(共同)≫


わが国でも“個人情報保護法”で保護されていて“有利”なのは一部の方々のようで、治安を維持すべき任務を持つ警察などはその行動が阻害されていることは周知のことであり、それをいいことに仕事を“さぼっている”のが地方の役所だともっぱらの評判だが、乗客の命を預かる旅客機の操縦士が“異常”であるということは、狼に赤ずきんちゃんを差し出すようなものだ。
それも高い運賃を払って「行き先」を勝手に「地獄行き」に変更されたのじゃたまったものじゃない。
にもかかわらずドイツでは「医師に厳格な守秘義務が課されていて、通常は診断内容を職場に伝えられず、患者が自ら報告しなければ職場が知ることはない」というから驚きである。


あの几帳面で厳格な人種であるはずのドイツ人よ、お前も責任回避する気か!といいたくなる。何のための治療なのか会社も医者も無関心だというのが恐ろしい。
医師出身の議員が「人命に関わる場合は職場に知らせるのが医師の責務」だとして、“副操縦士”の場合は医師が航空会社に知らせるべきだった」と述べたそうだが、この議員は日本のどこかの野党所属に似ている!
物事の本質をわきまえないにもほどがあろう。

わが国では、機長による“逆噴射事件”が起きて以降、厳格な身体検査が行われていると聞いている。それでも「ヨッコラショ、昨日はどうも!」などとコパイが機長に話しかけて離陸に失敗したモスクワ空港事故もあった。
所詮生身の人間のやることだ。


空自の操縦教育では、教官が学生の健康状況に気を付けるが、それはまず顔色を見ることから始まる。次に呼吸の息の匂いだ。アセトアルデヒドが残っている奴は飛ばせられない!
女性パイロットを採用することになった時、現場で一悶着あった。
男女雇用平等法施行を機に、役所の人気取りで女性を採用し始めたものの、現場は困惑した。
第一に女性は化粧するから顔色がうかがえない。それでなくとも月に一度は健康(精神)状態が不安定になる。
筋力はおおむね男性の10分の一だ。ライフジャケットが胸を圧迫する。女性が好む指輪や耳飾りは、万一コックピット内に落とされては危険物になるから、整備員が苦労する。
おまけに香水の“かぐわしい”匂いが男性教官の勘を狂わせる…などなど、一般人には理解できないだろうが、貴重で高価な機体を損傷するか、死亡事故につながれば納税者に顔向けができないから現場担当者は苦労するのだ。

もっとも今回の航空会社は格安会社だそうだから、安い値段で「地獄」に送ってくれたのかもしれないが…。


今日の産経にはこう出た。
≪【ベルリン=宮下日出男】ドイツ格安航空会社ジャーマンウイングスの旅客機墜落で、親会社ルフトハンザは3月31日、旅客機を故意に墜落させたとされるアンドレアス・ルビッツ副操縦士(27)が2009年、同社の航空学校に、自身の精神疾患について報告していたと発表した。会社側が過去の精神上の問題を把握していたことが判明したことで、同社の管理体制を問う声が高まりそうだ。

発表によると、副操縦士はルフトハンザの航空学校での養成訓練を一時中断後、2009年の訓練再開にあたり、電子メールで医療関連の資料を送付するとともに「鬱病の症状が治癒した」と学校に伝えていた。会社側は独検察当局に関連資料を提出したとしている。

ルフトハンザは副操縦士が航空学校時代に数カ月、訓練を中断していたと発表していたが、理由は明らかにしていなかった。独検察当局が30日、副操縦士が操縦士資格を得る数年前に自殺傾向のため治療を受けていたと発表した際も、「何も話せない」としていた。
ルフトハンザは採用時に心理検査を行い、副操縦士について「百パーセント適格だった」とも説明。31日の発表でも、墜落が起きた3月24日は「完全に有効な適性証明書を有していた」とし、会社として副操縦士の適性に問題はないと認識していたことを強調した。

副操縦士は墜落当日を含めて「勤務不可」と診断された事実を隠して乗務していたことも明らかにされている≫


だから言わんこっちゃない!こんな事例を日本では「安物買いの銭失い」という。会社は格安どころか、格別高価についただろうが、失われた命の中には、値段をつけられないほど高貴な方もいたはずだ。ルフトハンザは徹底的に償いをするべきだろう。


わが国でも、雫石事故は政治の闇に葬られ、自衛隊機教官が有罪になったが、これほど異常な冤罪事件も珍しい。もっともその当時のわが高官たちが、狼狽して嘘新聞記事に翻弄されたからだが、追突した側の会社は賠償額が少なく済んで助かった。
この事故の真因は、今回の事故に似て「蟹工船」並みに操縦者を酷使していたことにある。つまり会社側の労務管理の不備である。それを黙認していたのが当時の監督官庁であった。もっとも社長はその官庁からの天下りだったのだから、誰も正義を唱えられなかったのだろうが。


御巣鷹山の事故では520名が犠牲になったが、この時も国民の関心を自衛隊の救出活動の“不備”にしようと、徹底的にメディアが共同戦線を張った。
中でもひどかったのはNHKのNC9が「米軍の救助要請を断った」というデマ報道で、私が米軍側に確認すると報道部長は「日本のメディアはクレージーだ。A、T新聞、NHKなどが“何か日本政府がミスをしなかったか?”と聞いてきた」と驚いていた。


一部週刊誌以外は報道されなかったが、事故現場を懸命に捜索している自衛隊をしり目に、この会社の整備員たちは山麓地帯で墜落した機体の尾翼周辺に群がって何かを探していたと、ヘリで取材に向かった友人のカメラマンが写真を見せてくれた。
奇妙なことに彼が帰路に撮影した時には、初めはツルのマークが入ったジャンバーを着ていた彼らは、その上から雨がっぱを着てマークが見えないようにしていた。何か後ろめたかったに違いないが、会社は隔壁に問題があったことを最初から知っていたのだ。
もっとも尻もち事故で破損した隔壁は、そのものをすっぽり交換するべきものだったにもかかわらず、高価で予備が少ないから、けちって?修理したものだろう。ところが修理を依頼されたボーイング社の工員たちは、部品交換以外に修理することなどなかったから、修理をしそこなった。
しかし何故か修理ミスが見ぬかれないままOKになり、その後7年間も後部胴体を軋ませながら飛行していたという。

今回のドイツの会社もコパイが抱えている問題を熟知していながら、会社側は目をつぶっていたとしか思われない。人命は地球より重い!などというのはたやすいが、実行が伴わなければまったく無意味だ。
どうも今の世では会社経営には人命よりも「金」が優先するらしい。“資本主義”が徹底しているからか、それともシナのように“拝金主義”にかかっているからか、高学歴な地球人の知恵の浅はかさが透けて見えてくる。

大企業の責任者たちの質の低下は「ナッツ姫航空会社」や、「かぐや姫家具屋」などの例を見るまでもなく、この所異常に繁殖しているように見える。

真に航空安全を確保しようというのであれば、ルフトハンザは「トカゲのしっぽ切り」で終わらせてはなるまい。ドイツ語ではどういうのか知らないが…


さて、私は28日から29日にかけての深夜、山梨県側のとある山頂で、得も言われぬ体験をしてきた。暗視装置つきの望遠鏡で見た天空は、絶句するほどの美しさだったが、何よりもこんなに多数の星が瞬く空間で、3800時間も過ごしたのか!という感動だった。よく星にぶっつからなかったな〜と思えるほど小さな星が夜空に密集していたのには感動した。
思念伝達の初歩段階を体験したのだが、やはり受け皿である吾肉体の浄化が重要なのだと痛感した。
今回の体験は、地球上の文化が集約されているような感じで、世界中のすべての宗教などを超えたものが潜んでいると感じた。
暖かくなったら、天空に接する機会を増やしていきたいものだと考えた。




≪たった今、私たちが某所でワーキングすることを知っていたご家族が、山一つ越えた場所から、同じ日の深夜に撮った写真が届いた。「こんなに明るい星が出たので撮影しました」との添え書き付きで。
指導してくれたサリバンさんに送って解説してもらうつもりだが、某教授に言わせると、幻覚だというだろうな〜。しかし面白くなってきた≫



話はガラッと変わるがお隣の“拝金主義国”は、金巡りが悪くなったらしく、変な銀行を立ち上げて話題になっているが、安倍首相は参加を拒否した。正解である。

イギリスが参加したのは情報活動目的だろうが、アングロサクソンをなめちゃいけないよ!という結末になるだろう。
アメリカが不参加だったのは、オバマ大統領が優柔不断だったからかどうか知らないが、珍しく正しい決断になるだろう。

お金の魅力(魔力?)に取り付かれた方々は、丸裸にならないと自覚しないらしいから、楽しみが一つ増えた!!


そのシナでは陸軍汚職高官の大粛清が始まっているが、次はいよいよ海軍に手が回ったらしい。


中共中央軍隊紀律巡視組が海軍ビルに入り、数名の提督を逮捕したので、海軍幹部に激震が走っている≫というのである。
海軍副司令(前東海艦隊司令)・杜景臣中将、南海艦隊装備部長・汪玉は逮捕された。
消息筋によると、海軍政治委員・劉暁江(胡耀邦前首相の娘婿)が、退役寸前に実名で現在の海軍司令・呉勝利も腐敗していて公金横領、その中には王登平も「軍官」だと習近平に言ったので逮捕されたらしい。

≪呉勝利=インターネットから≫

シナでは、例えば少将に昇任するときには5〜10万元、大校(大佐)は少なくとも20万〜50万人民元くらい必要であり、中国語で「買官」というらしい。
学者たちは、この海軍司令・呉勝利はその名の通り“勝利”だったが、習近平には“負けた!”と非難されているという。

≪海軍副司令(前東海艦隊司令)・杜景臣中将=インターネットから≫


田中(角栄ではない!)中将は2008年に北海艦隊司令になり、2013年に3個艦隊を率いて宮古水道を通過して遠洋で訓練した“歴史的な副指令”であった。



≪田中中将=インターネットから≫


汪玉は海軍工程大学出身の博士で技術少将、解放軍海軍南海艦隊装備部長だったが、ネット上では「お前の頭がどんなに賢くても、小学生レベルの習近平に負けた!無知な太子党が勝った!」と揶揄されている。



≪王登平中将=インターネットから≫

王登平中将は総政治部宣伝部局長。中国海軍初めての全世界航海運行をした人物で、その時に少将に昇進。彼らはみんな逮捕されたというから、人民解放海軍の艦は動くのかな〜〜?

そして次はいよいよ空軍の大掃除か!


届いた本のPR
===================

≪グリーンファーザーの青春譜:ファントムと呼ばれたサムライたち=杉山龍丸著(書肆心水社刊¥2700+税)≫
タイトルは、杉山氏が飢餓に苦しむインドで奇跡的に緑化事業を成し遂げたことからきているが、著者は陸軍航空技術学校乙種学生を卒業し、その後飛行第31戦隊整備隊長として満州から南方に転戦、サイゴン南方総司令部から立川整備師団に転任の途中で終戦となり復員、その後外地から復員する引揚者を収容するため、福岡市で杉山農園を経営する。
戦地で片肺貫通銃創を受けていたため、激しい神経痛を伴う生活をしておられたが、戦場での「整備日誌」を整理したものである。その後氏は一時ベ平連に参加、インドの窮状を訴え、台湾で国民党政府(蒋介石)が蓬莱米のモミを独占することに反対して国外追放処分を受けるなど、その熱血漢ぶりには感嘆する。
本書の内容は戦地で克明に記録していた「整備日誌」に基づくものであり、航空整備部隊の苦労が赤裸々に記録されている第一級の戦争史だと思う。
ややもすると、戦闘機部隊の空中戦などに日が当たる傾向があるが、整備部隊の苦労はあまり世に知られることはない。
軍事、戦争史に関心を持つ若い学徒に一読をお勧めする。福岡出身、郷土の誇りある先輩だと思う。昭和62年9月20日、68歳で他界。



≪21世紀の「脱亜論」――中国・韓国との決別:西村幸祐著(祥伝社新書¥780+税)≫
西村氏の新作である。日清戦争前に戻りゆく東アジア。今、130年前の福沢諭吉の「脱亜論」に耳を傾けるべき、と著者は強調する。

私はとっくにこの2国とは決別している。決別できない方々は、何かを握られているか、あるいは未だに稼ごうとしているのか、少しも知的な判断力が感じられない。彼らはその時が来て初めて悟るレベルなのだろうと思って気にしてはいない。日本人の知的怠惰は極まれり!と思う。

戦闘機パイロットという人生

戦闘機パイロットという人生

自衛隊の「犯罪」-雫石事件の真相!

自衛隊の「犯罪」-雫石事件の真相!

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した