軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

ケネディは偉かった!

現駐日大使の実父であるJ・Fケネディは、キューバ危機の時、ソ連フルシチョフに“若造!だ”と舐められて、キューバにIRBMを持ち込まれた。
ソ連ICBMが口ほどに威力がなかったので、信頼性のあるIRBMをキューバに持ち込んで、ワシントンを射程に入れようとしたのである。
この時ケネディは、悩みに悩んだ末、第3次世界大戦も辞せずとして、キューバに向かうソ連の艦船を海上で封鎖する実力行使に出た。
まさかそこまで…と見くびっていたフルシチョフは、彼の本気度を思い知らされ、IRBMのキューバへの搬入をやめて引き返す。
ソ連はこうして米国の力の前に屈服し、やがてフルシチョフは引退に追い込まれた。


今回の南シナ海でも、シナはソ連に学んで着々と計画を進めてきた。アメリカに届くSLBMを南シナ海の要衝である海南島に配備し、米国に届くミサイルを搭載した原潜が、東シナ海(第2列島線)まで進出してワシントンを狙うのだ。

沖縄勤務時代に、軍事学に詳しい杏林大の平松茂雄先生が来て、そのころ貴重だったこの周辺の衛星写真を見せてくれたことがあった。
そのときすでに西沙諸島永興島には滑走路が建設されていて、戦闘機が機動展開訓練をしているらしい様子が映っていた。

≪これは最近のものだが、既に20年前に同様な状態だった。戦略的思考能力に欠ける民族はこのころ気にも留めなかった。今では殲11B(SU27)が進出しているという≫

≪シナの殲11B(SU27):産経から≫


そのころ我が国は、尖閣に侵攻してくる“雇われ漁船団”対処で忙しく、南シナ海のことなど気にもしてはいなかった。自国のシーレーンのど真ん中なのに…
ミスチーフ環礁の“漁船用の避難所”が、ドンドン増強されてとうとう恒久施設になり軍事基地化されても、第1義的にはフィリピンの問題だとして見て見ぬふりをしてきた。


≪どんどん埋め立てられていた南シナ海の環礁。誰もこのころは大きな声を出さなかった…≫

≪しかし南西方面防衛は騒ぐことはない。沖縄には下地島という立派な空港がある。空自が進出すれば済むことだ≫


そして今、傲慢チキなシナの行状に対して「ノーベル平和賞」を受賞したオバマ大統領がやっと重い腰を上げた。差し出したのはイージス艦1隻だったが、産経は「米国、『航行の自由作戦』も中国に効果なし、次の一手は」と次のように書いた。
オバマ米政権は2011年11月、アジア重視戦略を公表して以降、中国の海洋覇権拡大に対抗するため、ASEANへの関与を強めてきた。この結果、中国脅威論が強まっていたASEAN内に、米国への軍事的な依存度を高める作用をもたらし、米中の“覇権争い”の先鋭化により、ASEANが結束に腐心する状況が続いている。

 ASEANを舞台にした外交の場でもオバマ政権は、「対話」と言葉による「圧力」で、中国の覇権主義を修正させることを目指してきた。「航行の自由」などの原則論を繰り返し唱え、衝突回避へ向けた「行動規範」の策定を促してきたわけだ。

 だが、中国は軍事拠点としての人工島建設を進め、米国の試みは奏功しないまま推移している・・・≫

後進国には大型空母やミサイルが怖いのである!
だからシナに脅かされるとすぐに従うのだ。
米海軍は定期的にパトロールするというが、一時的にメンツをつぶされたシナが、次にどんな手を使うか?

この海域は、海南島と同じく、台湾の帰趨が大きな意味を持っている。その台湾の馬・親中総統をシンガポールに呼んで、中台首脳会談?を行った。馬総統の支持率は6%に満たないから、ヤケノヤンパチ状態である。あとは野となれ山となれ…と中台平和条約を結びかねない。
2国が国際的に宣言すれば、いかな米国と言えども台湾に手が出せなくなる??。

にわかに中台関係が怪しくなってきたが、日本の政治家はどう見ているのだろう?


ところでシナ大陸内も決して安定しているわけではない。
最新の「月刊中国」によれば、
≪習打倒の密謀は「新4人組計画」ではなく、「胡計画」だという。令計画の名前をかけた表現だが、清く政界から引退を表明したはずの胡錦濤前主席は、習近平の委託を受けた中央規律検査委員会の副書記が胡錦濤宅を訪問して、「胡錦濤の姓と令計画の名を組み合わせたタイトル」の「胡計画」秘密ファイルを見せたことに始まる。
拘留されていた令計画は拷問に耐えかねて、
≪周永興、薄キライ、徐才厚と組んで、党の指導権を奪取する「新4人組」を結成したことは否定したものの、その企てがあることは間違いない、と自供したという≫
これを聞いた胡錦濤は大量の睡眠薬を飲んで自殺を図ったが、すぐにボディガードに発見されて一命を取り留めた。
この計画を知った習近平は激怒したが、すぐに冷静さを取り戻し、胡錦濤を見舞いに行ったという。
それで胡錦濤習近平に忠誠を誓ったというのだが、逆に腹心だった令計画を切り捨てた。


≪令計画の拘禁場所を報じる「博訊報」≫

その令計画だが、博訊報の11月号に、北京近郊の秘密空港に監禁されていて、“良郷海軍機場”と呼ばれているらしい。基地は陸軍兵士らで厳重に封鎖されていて、この場所は海軍総司令の呉勝利が選んだらしい。
令計画は、陸海空3軍からの破格の待遇?を受けているので、裁判までは絶対に逃げられないといわれている。
裁判は年内になるだろうが、今度は最高人民法院が審議する場所の選定に入っているというから、共産党のやり方は、昔から秘密主義で人民には公開しないという鉄則を貫いているようだ。


さて、米中開戦になったら、シナはこの地下指揮所で作戦指揮をするらしい。


≪液晶画面の前で指揮する将校=まさか「抗日戦争映画」を見ているのじゃなかろうが…モニターはTOSHIBAかな〜。解放軍○○部指揮中心=第2砲兵:インターネットから≫


勿論国産空母も建造中だ。

≪大連の造船所で建造中の国産空母。4月にネット上に流れた写真≫


なかなかどうして、一見すると近代化が進んでいる人民解放軍のようだが、高級幹部の汚職などで乱れきっているところは、その昔の蒋介石軍や毛沢東軍以来の伝統になっているようだから“心配”だ。


其の昔、シナ事変が張学良の裏切りで蒋介石が拉致されて急展開した≪西安事件≫は有名だが、その後起きた「第2次西安事件」のことはあまり知られていない。
≪張学良・楊虎城らによる蒋介石拉致監禁事件に参加した部下の将軍たちはボーイが逃げだした西安賓館の広間の、アメリカタバコの吸殻の山と“ナポレオン”の空き瓶が何百本も転がっている中で、論争と沈黙を繰り返していた。
もしも叛乱が成功すれば、財産が作れるし出世するが、万一失敗すれば処刑死は確実だ。
張学良は蒋介石について南京へ行ったが、本当に、国民党は身代金を届けてくれるのか?将軍らはそれが心配だったのである。
そこに蒋介石の身代金壱千萬元が届く。


紙幣の山に興奮した彼らは蒋介石と同行して南京に飛んだ学良のことなど忘れてしまい「この金さえあれば上海、香港に逃げても一生を豪奢に暮らせる」と怒号と笑声の中で金の分配を終えた。

しかし支那青年将校たちは、自分たちに金の分配がされないことに怒った! そこで特務団長孫銘九ら熱血漢三十六名は将軍達を襲撃することにしたが、今度は兵達は金がない青年将校に従わずに逃亡した…。


一事が万事とは言わないが、なんとなく金を抱えて国外にトンずらする幹部らの姿に重なって見える。

≪みなアメリカへ逃げていく=インターネットから≫

汚職まみれの軍上層部の顔を見ていると、そんな腐臭が漂ってくるのは考えすぎか。
現在の人民解放軍にも共通しているDNAだとすれば、高価な地下指揮所も当時の“西安賓館のロビー”に見えてくるから不思議なものだ…


米軍の高官たちもシナの高官らと会合を繰り返しているようだが、そんな背景を知っているのか気がかりである。
話し合いで解決しようと努力しているオバマさんだが、その間に基地が完成したら、世界の平和のために破壊する気だろうか?

やはりJ・Fケネディはえらかった!

シナ大陸には、米国式のヤード、ポンド、という測定単位と人権重視策は通用しないことを知るべきだろう。勿論わが外務省も、曲尺鯨尺で測ってはいけない。同じ時代に生きる人間でも、進化の度合いが違うことを知るべきだと思う。

防衛大臣よ、その点を同盟国高官にしっかり伝授してやって欲しい。

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