今朝の産経トップは日中韓首脳会談だった。日出る国の安倍首相が、“日没するところ”の首相に会いに行くことなど不必要だ、と考えていたが、こうでもしないと外務省担当部署のポイントにならないのだろう。
≪握手する3首脳=産経から≫
産経によれば、安倍首相は「過去ばかり焦点にするのは非生産的だ」と強調したというから立派だ。
しかし、この2国は、自分に都合の良い歴史だけしか見ないという悪い癖があるから、いくら説得しても無駄だろう。
私は、平河総研の「甦れ美しい日本」に、「大東亜戦争の真実を求めて」と題して過去の資料に関する感想を書きなぐっているのだが、たまたま今週用の原稿に、K・カール・カワカミ著「シナ大陸の真相:福井雄三訳(展転社)」の中の、蒋介石と馮玉祥の双方に資金援助しつつ、シナに共産主義革命を起こさせようとしているスターリン(ソ連共産党)の謀略活動の実態を書こうとしていた。
ところが自分の不勉強は棚に上げて、「歴史認識」ばかり強調する中韓両首脳に対して、その無知に「抗議」するのではなく「講義」しておこうと考え、一足先にここに掲載しようと思う。
李克強首相よ、少しは、スターリンに蹂躙されていた自国の無残な歴史を振り返ってみるがよかろう。
前掲のカワカミ論文の第3章、中国紅軍の成長(紅軍とは共産軍のこと)には、「蒋介石、共産党と袂を分かつ」の次に、「共産主義者による破壊」の項目があるが、そこにはこう書かれている。
念のために、李・朴のお二人に助言しておくが、これは現在の中国共産党=習近平政権の“ご先祖様”に当たる。
≪二、共産主義者による破壊
紅軍(その大部分は長年虐げられてきた小作農や下層階級の人々で構成されているのだが)は行く先々で地主、商店主、自作農、富農などに襲いかかっていった。早くも一九三一年五月には、蒋介石総統の右腕で紅軍に対する軍事行動の責任者であった何応欽将軍は、紅軍によってなされた恐ろしい破壊についての報告を行い、奪われた生命や財産について次のような数字を挙げている。
※江西省
殺された人間 18万6千死亡した避難民 210万
焼失した家屋 10万
略奪された財産 6億5千万ドル
作物の損失 3千万ドル
※湖南省
殺された人間 7万2千焼失した家屋 12万
財産の損失 1億3千万ドル
※河南省
殺された人間 35万家を失った避難民 850万
焼失した家屋 9万8千
略奪された財産 6千万ドル
作物の損失 2億4千万ドル
紅軍に対して蒋介石は三〇万人の軍隊を投入し、その経費は毎月二千万ドルかかった。一九三四年末になってもまだ、彼は江西省から共産主義者を追い払うことが出来なかった。一九三五年になると紅軍は湖南省と河南省から徐々に撤退して行き、中国西部の四川省と甘粛省に新しい拠点を築いていった。蒋介石は共産主義に対する戦いを続行したが、殆ど成功しなかった。一九三五年末頃から紅軍は中国西北部の陜西省や山西省、及び内モンゴル南部の寧夏やスイユアンヘ侵入していった。明らかに彼らの最終目的は、外モンゴルのソ連軍と合流することであった。
日本にとってこれは共産主義の脅威となり、それは単に学問的あるいは思想の上での空論ではなく、不吉な現実そのものであった。この極めて危機的な状況の中で日本にとって一つの救いは、馮玉祥(モスクワから資金と武器の援助を受けた反日クリスチャン将軍)が河南省で蒋介石軍と戦うためにすでに内モンゴルを引き払ってしまっており、一九二七年に河南省で決定的な敗北を喫したことであった。このことは、彼が少なくとも当分の間政治的・軍事的な勢力として脱落してしまうという結果をもたらした。
その間にモスクワは中国の各地で様々の騒乱を休みなく誘発し続けた。広東での共産主義者の暴動はそれらの中で最も顕著な事件の一つであった。一九二七年一二月一一日、武装した六千人の共産主義者が広東の市庁舎を占拠し、ソビエト政府を樹立した。恐怖政治が三日間読いた。その後共産主義者は地方の軍隊に鎮圧され、銃殺隊に大量処刑された。ソ連領事は手入れをくらい捜索された。領事自身も含めて一二人のロシア人が逮捕され、副領事と他の七人のロシア入の処刑という結果に終った。暴動の背後でソ連領事館が糸を引いていたことを、押収された文書ははっきり証明した。(以下省略)≫
ウソだというのなら、自分の目で確かめてみるがよい。同時にわが外務省の俊才たちもご一読あれ。ほかに「マオ(誰も書かなかった毛沢東)ユン・チアン著」〜20世紀中国の歴史を白日にさらす〜も読むといい。
≪スパイの暗躍、大飢饉、権力闘争、そして文化大革命……。世界の4分の1の人口を支配した最強の独裁者。その全貌を描きつくす!≫と帯に書かれている。
朴大統領はあまり本を読む暇はなさそうだが、時間を見つけて読むといい。信頼して?おつきあいしている隣国の過去の実態を!
今でも人民を不幸に陥れて、幹部だけがいいこと三昧、昔から残虐な体質(今ではDNAというべきか)が少しも変わっていないのがシナの共産党である。
カワカミ論文によれば、江西省、湖南省、河南省の3省だけで、紅軍に虐殺された人民の数は、60万人(死亡した避難民210万を除く)を優に超えている。幻の“南京大虐殺30万”何ぞとても足元にも及ばないが、彼らは“データーを改ざんして”、被害を30万から徐々に60万に増やす気だろう?
何が「人民共和国」だ。昔から紅軍=共産党政権は自国の人民を虐げて成長してきたのじゃないか。
今日は“幸い?”雨の一日になりそうだから、来週の講義と講演の準備に充てる予定だが、わが国の近代史に目を通しだすと、あっという間に夕食の時間になるから、これはあくまでも「予定」であって[決定]ではない!
ところで友人から、私の新著の目次の字が小さいと忠告されたので、帯の文を含めて、再度大略をPRしておこうと思う。
≪安保法が成立! 尖閣問題や大災害での活躍により国民の自衛隊に対する認識も大きく変わろうとしている。
元自衛隊空将の著者だからこそ語れる自衛隊の成り立ちから法的な地位、国民の反応、メディアの扱いの変化、そして安保法を契機とした未来への展望。
三島由紀夫の檄文なども紹介しながら、自衛隊が正規軍として成り立つ道を探っていく≫…それほどのものではないが…
≪序 国家とは、国防とは何か
第1章 自衛隊は「何から何を」守るのか?
第2章 戦後民主主義と自衛隊
第3章 旧帝国陸海軍は「皇軍」と呼ばれた
第4章 現憲法によって国防意識は低下させられた
第5章 改めて「自衛隊が守るべきもの」とは?
第6章 自衛隊をまっとうな軍隊にするための提言
参考資料=憲法改正試案「大日本帝国憲法憲法改正私擬(里見岸雄)」≫
終わりに「お口直し」に後輩からの漫画を掲げておこう。
安倍首相!ゴールは決まった!「あとは憲法改正だ!」
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