軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

対中ビザ拡大.中国人の日本旅行ブームの兆し?

産経新聞によると,日本政府は25日から中国人団体旅行客のビザ発給地域をこれまでの3直轄市5省の8地域から全土に拡大した.これを受けて日本旅行ブーム到来の兆しも見えている、と言う.勿論『不法滞在者増加につながる』との懸念も強いと言うが,中国の一般国民(と言っても豊かな階層しか来れないと思うが)に、『鬼畜日本』の実態を直に見せつける好機ではある.
上海の学者で,その昔名古屋で行われたピンポン外交の様子がテレビで報道された時に,画面に映った新幹線と綺麗なビルに驚き,『日本は遅れていると教えられていた事が間違いだった』と気がつき,日本語を勉強したと言う例もある.
桂林を訪問した時に,天安門事件で危機感を持って「鬼畜」が住む日本に避難し、日本の大学に留学したガイドが,教えられていた事と全く違う事に戸惑ったと言い,その後大学2校で勉強して帰国,就職できないのでここでガイドをしているが認識を改めた,と語ってくれた。
ところがそのガイドが,『先生,日本では最近道端に金庫が捨ててあるそうですね?』と聞く.我々日本人は,金庫が道端に『捨ててある』という状態は,多分産廃業者が,処分に困った大型金庫の廃棄物を,道端に不法投棄していることを言っているのではないか?と考えた.誰から聞いたのか尋ねると,福建省の友人達が,それを拾いに日本に出かけているのだと言う.
「塵を処分してくれているのは有難い!」という程度の感覚だったが,帰国して暫く経ってその真相が判明した.道端に設置してある自動販売機やATMを,中国人達が破壊して現金を奪っていると言う報道に接したからである.なるほど,自動販売機もATMも現金を蓄えているから「金庫」である事に間違いない.福建省の『友人』は,『自動販売機やATM』を『拾いに』来ていたのである!まさか,日本観光旅行で,『金庫拾い』はしないだろうが,何となく気にかかる.
桂林は川下りで有名だが,途中に大きな鍾乳洞がある.ここで一旦船を降りて鍾乳洞を見学し,再び船に戻るのだが,この日は鍾乳洞の入り口は観光客でごった返していた.待っていると何時になるか分からないからガイドが別ルートで入り口まで行き,我々の入場が許可になったことを告げたが,人だかりで前に進めない.ガイドが上から大声で,柵の外側を登ってくるように!と言うので我々はそれに従った.ところが,前を塞いでいる中国人団体が,ひじを突っ張って通そうとしない.何か喚いているのだが,『順番を守れ?』とでも言っているのだろう.言葉が通じないので困ったが,ガイドが大声で説明している隙に入り口にたどり着いた.
鍾乳洞の中でも,行列している団体客を追い越そうとすると,ひじで突っ張られ妨害される.腕と腕が触っても「ウー」という声と共に睨みつけられて脅かされる.そんな時には日本人の癖でつい「失礼」とか「ご免」とか言ってしまう.ところが老婦人が,前に立ちはだかって「ウー」と睨みつけた時,ついつい「おとなしい私」もたまりかねて,「なんだ!」と睨み返してやったところ,少ししてすっと身を引くのである.それからは,妨害されるたびに「なんだ!」と声を荒げて睨みつけて追いこす事にしたのだが,ガイドが「何かありましたか?」と聞いたのでわけを説明したところ,『先生,中国は弱肉強食,まず威嚇して相手を脅かし,自分の場所を確保しなければダメです.謝っていたらここでは生きて行けません』と言った.その後早速その方式を試してみたが,効果抜群であった.
北京で有名な十三陵を見たときも,混雑していたのでしょっちゅう中国人客と腕が触り,そのたびに『ウー』、『なんだ!(この野郎)』の連続だったが,ガイドの言ったとおり効果抜群で連戦連勝であった.『貴様の顔が恐ろしいからだよ』と先輩が言ったが,多分無関係だったと思っている.市街地のバス停でも,バスが来るまでは整列しているが,バスが着くと大混乱,弱者は放り出される.そんな弱肉強食の世界から,穏やかな日本国に来た,一般中国人たちが,どんな感想を持って帰国するだろうか?と気になる反面,日本人の方の反応も気になる.弱肉強食の世界を体験した事がない日本大使館が中国との交渉で一方的に押されまくっている理由がわかったような気がしたものである.
ドイツでは,中国人観光客の不法滞在者増加という事態を受け,ビザ申請に対して大使館員による面接を義務付けたところ,中国人の反発を買って欧州旅行人気に影もさし始めているというが,状況によってはそのくらいしないと『混乱』を招きかねないと思う。
この体験以降,私は混雑する東京の地下鉄乗降口などで,エチケットを守らない同胞に対して「中国方式」で対応しているのだが,多少こちらが強引な場合でも,我が同胞が『ウー』と唸った事は一度もない.酔っ払いは別にして…
そのたびに日本外交と中国外交の差を改めて思い知らされているのであるが、対中ビザ拡大が,『日中友好』上,吉と出るか凶と出るか?.感情的なしこりが増えないようにその推移を見極める必要があろう.





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