軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

くじらと牛と警察官!

昨日テレビを見ていたら,鯨が岩場に嵌って動けなくなり,何とか救助しようとしたがついに死亡したので,沖に廃棄するのだという.どうして解体して『食べない』のだろう?その方が鯨にとっても「供養」になるのではないか?勿体無い!
終戦後,食糧難の時代に、育ち盛りの我々は鯨のおかげで大いに助けられた記憶があるが,あの頃は「まるは」の捕鯨船が大活躍,日本人の命を救ってくれたものであった.通学時も軍隊の雑嚢に乏しい学用品を入れて通っていたが,漸く手に入ったランドセルが「馬糞紙(その後ボール紙というようになったが)製」だったので,雨が降るとどろどろになり使えなくなったものである。その後鯨の革で出来たランドセルが出たので大いに助かった記憶がある.
鯨は日本人の食文化の代表であった.日本人は感謝しながら食べ,「骨まで」残らず活用したものである.それが『牛を食する西洋人から残酷だ!』といわれて気兼ねして,折角届いた天からの贈り物を海洋投棄するのだというから鯨も可愛そうだ.
これは,日本人の食生活がいかに豊かになったか!という象徴的な話しではある.しかし,鯨で生きてきた宮城県牡鹿半島鮎川町の現状は悲惨である.この鯨が鮎川町に打ち上げられていたら町民はどうしたであろう?と考える.

どこの町だったか忘れたが,今度は「牛」が買主の手を離れて「逃走した」という.パトカーがかけつけて大捕り物になった一部始終が放映されたが,あまりに情けないので見る気がしなかった.
そう言えば、東京では『猿』が出没した!騒ぎで警視庁が出動したことがあった!

鯨が打ち上げられた!牛が逃げた!猿が出た!という時に,どうして「海上保安官」や,「警察官」が駆けつけるのだろう?海上保安庁警察庁の「任務」にそんな項目があるのだろうか?
鯨はせいぜい「漁協」で,牛は「農家」で、猿なんか近所の男達で捕まえれば良いではないか!
なんで税金を使って処置しようとするのだろう?呼ばれた海上保安官や警察官も『おかしい』と思わないのだろうか?「馬鹿にされた!」と思わないのだろうか? 拒否すれば,市民やマスコミから「叩かれる」からだろうか?
最も自衛隊だって,死んだ鶏の処分に「出動」した事があるから,大きなことは言えない.事故でも災害でも,死体運搬は自衛隊や機動隊の「仕事」と化している.しかし,この場合は「費用を安く上げる」のが目的だからだろう?

鯨は別にして,牛や猿は,警官がパトカーでかけつけて,「捕獲網」や,棒を持って迫ってくれば,間違いなく身の危険を感じて強暴になる.彼らは『敵対行動だと認識』して,警官に襲いかかるか暴走するだろう.事実テレビで見た『牛』の場合は,「赤ランプ」を点滅して駆け付けた警官たちを明らかに『敵視して暴走』していた.何の事はない,スペインの闘牛モドキだ!
犬とは違うから無理かもしれないが,買主が,名前を呼んで,口笛??でも吹いて招き寄せれば,しばし自由を満喫した後,牛君は静かになるのではないか? その方が「ウシろめたくない」はずだが,その点は牛君に聞かなければ正確なところはわからない…。

しかし,この一連の報道は何かがおかしい.テレビの捕り物劇を見ながら,家内にそう言うと『男がだらしなくなったからでしょう』といわれた.
確かに現代日本男性はだらしなくなった.自分よりも強そうなものには手を出さず,自分よりも確実に『弱い』少女や少年,老人を襲ったり殺したり虐待するしか能がないように見える.そして捕まると大抵は「しょげ返る」.
警官にはもっと他にやる事があるだろう.私が何回か書いたように,我国の治安情勢は極めて悪化している.
麻薬,暴力,詐欺,誘拐事件が多発している.青少年の性犯罪も信じられないくらい増加している.警察官が,パトカーで駆けつけて、鯨や牛や猿なんかを捕獲しようと行動している暇はないはずであろう.それとも田舎の警察署では,署員達はデモ対処訓練の中で,「牛の捕獲訓練」もしているのであろうか?牛用の捕獲道具が予算化されているのだろうか?
町内会の男達よ,漁協の猟師達よ,牛の買主達よ,自力で捕獲して欲しい.
海上保安官や警官,自衛官を呼ぶ時は,万事窮した時であり,「射殺止むなし」の時であろう.
力を卑下し,軍事行動を忘れた我国独特の現象の様に思えて、何だか悲しく,ため息が出たのだが,私だけの思い過ごしであったろうか?.





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