軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

共同通信社長の不可解な訪朝

 前回、月刊誌「テーミス」の記事を引用してイラクに派遣された自衛隊報道について書いたが、今日はその“第2弾”として、「共同通信平壌支局』は金正日延命装置だ」と題する同誌の記事について触れておきたい。というのは、今朝の産経新聞6面下に、小さく「共同通信社長が平壌入り」と報道されていて、何でこの時期に?と不思議に思ったのだが、そういえば「テーミス」の記事と通じている、と感じたからである。
 まず産経の記事(朝鮮通信=時事)だが「朝鮮中央通信によると、石川聡社長を団長とする共同通信社代表団が7日、北朝鮮訪問のため平壌に到着した。空港で朝鮮対外文化連絡協会の洪善玉副委員長、朝鮮中央通信社の金昌光副社長が出迎えた」と短く事実だけを伝えたもので、代表団の人数など詳細は不明である。しかし、何故今?という疑問は払拭できない。日経新聞社長も中国を訪問して「トップ会談」をしていたらしいが、帰国後「社長単独会見」という「特種記事」は勿論、面談したという何の報道もなく、その後突如「富田メモ」なる正体不明な報道がなされたことは周知の事実である。
「核実験宣言」をめぐって、国際的な大問題になっている今、外務省はどんな判断で渡航を許可したのだろう?
まさか、政府の実験中止要請メッセージを極秘裏に運ぶ「メッセンジャー」ではあるまいに。

 そこで「テーミス」の記事だが、「平壌支局開設とはいうものの、日本人記者は一人もいない状態だ。これで『日本で始めての取材拠点』などとよく言えたものだ。共同通信金王朝の“延命”を助けているだけだ」という共同通信社会部記者の嘆き節で記事は始まっている。
共同通信社は9月1日付で、北朝鮮の首都・平壌に支局を開設した。同社は核・ミサイル問題や日本人拉致問題などで重視される北朝鮮国内に取材拠点を置くことで『質の高い報道を目指す』といっているが、どうも怪しい。
 米国メディアに詳しい放送関係者の解説によれば「(北朝鮮に支局を開設した)APTNは米AP通信の関連会社だが、本社は英国ロンドンに置いている。そのため、北朝鮮も支局開設を認めたようだ。だが、実際、APTNは常駐記者は置いていない。中国とロシアの通信社と業務協力を結び、映像を配信してもらうことが目的だ。今回の共同通信の場合もこの『APTN方式』が踏襲された。つまり、共同と結びつきの濃い朝鮮中央通信社と“提携”し、さまざまな記事や映像を配信してもらう。そのため、平壌支局は朝鮮中央通信社内に置かれることになった」という。
 やはりそうか!承知のように、朝日新聞社屋内には中国の「新華社通信東京支局」があり、リベラルで名高い?「ニューヨーク・タイムズ東京支局」も同居している。つまり、朝日とこれら外国の通信社などは、情報が“筒抜け”どころか、情報を“共有”しているのである。

 その昔、日支事変解決に日本政府が躍起になっていたとき、同盟通信社の現地記者の一部?が“暗躍”して、その努力を水泡に帰させたことがあったが、どうもその系統にある共同通信社には、濃いDNAが流れているらしい。
 勿論、外交関係にない北朝鮮に“窓口”を開設したのだから、手出しが出来ない日本政府に代わって、拉致被害者に関する情報を入手し、この国が崩壊の危機に瀕した際に、直ちに防衛庁自衛隊が実施するであろう「邦人救出作戦」のために、拉致被害者情報を提出して協力するのならば、大いに歓迎するのだが、日支事変時の『非協力』の実例や、サマワにおける自衛隊の活動を“阻止”すべく、「イラク人たちに“自衛隊イラクから出て行け”と書いたプラカードと現金を手渡して、デモをさせようとしたが、現地人“族長たち”から、『何故日本人が日本の軍隊の行動に反対するのか?』と蔑まれて、結局デモが出来なかった」という“噂”を聞いたことがあるが、それが事実だとしたら、共同通信社は、やはり「反日通信社」であり、今回「テーミス」が指摘したように「世界中から非難されているならず者国家北朝鮮金正日延命装置」であるという指摘は、あながち間違いではないといえよう。
 北朝鮮がここへ来て「特に旧西側諸国に次々と門戸を開放するのは『手っ取り早く外貨を稼ぎたいから』」という公安関係者の指摘はうなずける。
 シナ事変解決を模索していた当時の日本政府は、同盟通信社記者の“心無い?情報漏えい”で、交渉が頓挫し、折角の和平のチャンスを逃した例に学び、この連休間の安倍新総理のアジア歴訪、首脳会談を、後ろから“狙撃”する“非国民的行動”に走ることがないように、厳重に見張っておく必要があると思う。