軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

習近平、孤立無援か?

大紀元日本」は8月5日に「習近平国家主席『生死と名誉毀損を気にしない』」と題して次のように報じた。 

江沢民派の重鎮、周永康・中央政治局前常務委員への立件、捜査が発表され、「次に退治されるトラは江沢民・元国家主席か」との見方が高まる中、中国国内メディアは、習・国家主席の政権内部での「腐敗と戦うには、個人の生死、名誉毀損をまったく気にしない」との発言を報じた。双方の戦いの熾烈さが垣間見えるとして発言が注目されている。

中国国内メディア「長白山日報」の4日の報道によると、吉林省白山市共産党委員会の1日の内部会議で、習・国家主席のこの発言が通達された。

中国政府の喉とされる国営新華社通信の電子版も、「習主席は汚職取り締まりでなぜ、『個人の生死、個人の名誉毀損』を言及したのか?」と題する記事を掲載したが、すぐに取り下げられた。

習指導部は2012年11月の発足以来、汚職撲滅運動のもとで江沢民派の高官を次々と取り締まった。大紀元時報が入手した内部情報や香港メディアの報道によれば、習・国家主席と、この運動を実施する党中央規律検査委員会のトップ王岐山・書記はそれぞれ数回暗殺に遭ってきた。

江沢民指導部において、汚職取り締まりに奮闘していた当時の朱鎔基・首相の「100の棺桶を用意した。99は汚職幹部のもの、もう一つは私自身のためだ」と死を覚悟した言葉は有名だ。

習・国家主席は6月26日の最高指導部内部会議で、「誰がだれを恐れるのか」と江沢民派と対決する意気込みをみせ、朱・元首相の上記の言葉を引用した、と香港メディアが報道した≫

習近平主席=大紀元日本から≫


この記事が何を意味するのかをウォッチャーに確認すると「記事が直ちに消されたことが真実であることを意味している」といった。


今わが国では、崩壊し始めた朝日新聞従軍慰安婦問題と佐世保の少女猟奇殺人事件でメディアは手一杯の観があるが、大陸で軍事クーデターが迫っていることについては、なぜか無言だ。それは例えば産経の9面左隅のベタ記事を見てもわかる。

≪『北載河会議』開始か、周永興氏処分調整へ
中國国営新華社通信によると、共産党序列5位の劉雲山党中央書記局書記(党政治局常務委員)は6日、河北省の避暑地、北載河で専門家との会合に参加した。中國最高指導部や長老が国政の重要事項を討議する「北載河会議」が始まった可能性がある。重大な規律違反により調査・立憲が決まった周永興氏の刑事責任を含む今後の処分について最終調整が行われるとみられる(共同)≫


「北載河会議」とは共産党最高会議であり、6日の人民日報も1面で「習近平国家主席が河北省の北載河で専門家グループと会談した」と報じ、「習主席以外に、劉延東・国務委員(閣僚級)、李源潮・中央組織部長、令計画・中央弁公室主任らが同席した」と報じている。


これは、いよいよ秋の十八回党大会の人事などを決める北載河に中共の幹部が続々乗り込み「北載河会議」が始まったことを意味しているのであり、今後の中共を占う重要な会議である。


シナ事変当時も、盧溝橋事件に際して現地から報じた通信社などは、中共の動きを少しも伝えなかったが、こと情報に関する認識は、今も昔も変わらない。


それどころか産経の一面トップは≪習主席、日中関係改善に意欲 福田氏と会談、「安倍氏の付き合い方わからぬ」不満も≫という見事な?迄の習政権の“煙幕”に踊らされている気がする。

今更あの親中派の元首相個人が、日中間の現況をわきまえもせずにのこのこと≪一旗挙げよう?≫とばかりにしゃしゃり出るのが正常じゃないのだが、彼は孤立無援の習近平派に利用されている気がしてならない。記事はこうだ。


≪中国の習近平国家主席が7月下旬に訪中した福田康夫元首相との会談で、安倍晋三首相の対中姿勢に不満をみせながらも、日中関係改善に前向きな姿勢を示していたことが6日、分かった。安倍首相は11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議APEC)首脳会議での日中首脳会談の実現に意欲を示しており、今年秋から日中間で調整が本格化する可能性が出てきた。

日中関係筋によると、習氏は福田氏に対し、現在の日中関係を打開しなければならないとの考えを伝えた。同時に「安倍首相は中国とどういう付き合いをしたいのかが見えてこない」と発言。安倍首相が「法の支配」という言葉を使って中国の海洋進出を牽(けん)制(せい)することに触れたほか、「集団的自衛権を行使できるようにして何をしたいのか」「『積極的平和主義』とは何か」とも述べた。

一方の福田氏は、対話に応じるよう呼びかける安倍首相のメッセージを伝えた。その上で「欧州各国は『日中両国は明日にでも戦争する』と思っている。そういうふうに思われることが果たして日中両国にとって得なのか」と日中関係の改善を促し、「戦略的互恵関係」の原点に立ち戻るべきだとも強調した。

中国側が首脳会談実現の条件に挙げる尖閣諸島沖縄県石垣市)の領有権問題の存在を認めることや安倍首相の靖国神社不参拝に関して、福田氏は特に言及しなかったもようだ。福田氏は会談後、「習氏は日中関係改善の方策に苦慮しているようだ」と周囲に漏らしたという≫

≪お元気な後期高齢者…産経から≫


福田元首相は中国が主催する「ボアオ(博鰲)アジアフォーラム」理事長として訪中したらしいが、中共政権の混乱についてどれほど理解していたか疑問である。「習氏との会談内容についてはすでに首相に伝えた」とあるが、安倍首相は慎重に判断してほしい。
そのうちに安倍首相の「8月15日の靖国参拝」をけん制する政官界、およびメディアグループが出てくるだろうが、それこそがシナの回し者だとみてよかろう。習政権の苦境が伝わっているとみられるからである。
仮にそんな“メッセージ”が朝日などから出てきたら、逆に参拝を実行するチャンスだと見た方がよい。習政権は表向きの反応しかできないだろうし、韓国も騒いだところで手出しはできまい。
問題は米国だが、イスラエルウクライナ問題で手は出せまい。あくまでこれは日本国内の問題だからである。


実は、昨夜遅く博訊ネット上に、習近平+劉源一派に対して、追い詰められた郭伯雄一派の範長龍、房蜂輝、常万全、徐粉林らが、軍事クーデターを計画中だという情報が流れた。
彼らはそれぞれ軍区のリーダーであり、郭伯雄には多大の恩義がある。現在も北京軍区、広東軍区、総参謀部、国防部、並びに各軍区各部の半分以上に郭の権力が及んでいる。
腐敗追及が彼ら軍区リーダーに及ぶか、郭伯雄が失脚すれば元も子もないのだから、軍事クーデターを計画することは十分あり得る話であろう。
これに対して習がひいきにする同世代の劉源は62歳の若造だ。彼が出世することは郭伯雄ら軍の長老にとっては鼻持ちなるまい。

習近平主席と軍=産経から≫


ところが軍事クーデター以外にも、政治家たちも黙ってはいないらしい。先日書いたように、この国で汚職を本気で追及をすれば、政治家も軍人もいなくなるから、どこか[妥当な線]で終結しないと、散々利益をほしいままにしてきた共産党幹部らのメリットがなくなる上に命も危なくなる。
現に、ウイグルの反乱は想像以上であり、それに対して解放軍らは昔のチベット虐殺並みの軍事行動をとっていることが、共産党幹部らの危機感を示している。
昨日の産経は次のワシントン支局発を報じた。
≪7月末に中国新疆ウイグル自治区西部で発生した暴動について、米政府系放送「ラジオ自由アジア(RFA)」は5日(米東部時間)、ウイグル族の死者だけで「少なくとも2000人」とする在外組織「世界ウイグル会議(WUC)」のラビア・カーディル議長の発言を伝えた。RFAは中国語放送でも、現地在住漢族の話として、死者が千人に達したと報じた≫

ウルムチ、厳戒態勢=大紀元日本から≫

政治クーデター?の首謀者としては、李鵬江沢民、曽慶紅、賈慶林、呉宮正、賀国強李長春温家宝など、前政治局常務委員らの名前が挙がっているが、彼らも軍と連携していると博訊報は伝えている。
彼らが反習近平でまとまりつつあるのは、習政権が継続している「反腐敗」つまり、「無差別の反腐敗活動」を終結させたいという目的がある。つまり保身である。
以前党の長老が、若造の習近平に対して「あまりやりすぎると危険だ」と忠告した通りになりつつあるのだが、文革生き残り派の習近平には理解できないのかもしれない。


そんなさなかの福田元首相訪中だったのだから彼は“藁にも縋る?”気持ちで、安倍総理に「窮状を訴えた?」のかもしれないが、安倍総理には彼ら独特の手法に騙されることなく、冷静慎重に判断してほしいものだ。いずれ彼の方からにじり寄ってくるはずだ。
「鳴くまで待とうホトトギス」である!

予想されるのは、南西方面での親・習近平派軍人による“暴発事件”であり、それよりも気になるのが大陸騒乱に取り残される在留邦人らであろう。

各企業の責任者は万一に備えてちゃんと手を打っているだろうが、邦人救出自衛隊を向かわせるには≪人手不足≫で不可能なことを知っておいてほしい。
一般人よりも並はずれた気力体力を持っているとはいえ、やれ洪水だ、山火事だ、土石流だと引っ張り出されるのじゃ、堪ったものじゃない。自衛官はスーパーマンじゃないのだ!土建業者がいるじゃないか!

仮に内乱状態になったら、各社ごと自力脱出をお願いしたいものだが、朝日新聞は罪滅ぼしに、そんな騒乱時の対処法について特集でも組んだらどうだ?
吉田氏のようなほら吹きもいなくなったから、記事もかけない…じゃメディアの一員として恥ずかしいだろう…
昔、「暴支膺懲」と散々国民をあおった実績があるじゃないか!

たまには本当の記事を書いて、在中国同胞の“貴重な”命を救うために貢献してほしいものだが。


いずれにせよこの夏の中国情勢は予断を許さなくなってきたようだ。関係各方面機関の情報分析と対処を≪念のために≫お願いしておきたい。


届いた本のPR
===============

「中国:大ウソつき国家の犯罪:宮崎正弘著:文芸社文庫」

絶妙なタイミングで宮崎氏の新刊が届いた。うそつきの体質は4000年の伝統だろうが、世界を知った若者の大部分は「中国人が嫌である」という。だからどんどん国外に流出しているのだろうが、入ってこられる方ははなはだ迷惑極まりない。
我が国にも「日本人でいることがいやである」人種が多いから、これ以上変な人種が増えると、国土が穢れる。
嘘つき新聞社同様、国外に退去してほしいと思っているが、それはそうとこの新聞社のことを≪チョウニチ新聞≫といって中国高官が軽蔑していたことを思い出す。
本の帯に「日本人は中国を誤解し続けてきた!?」とあるが、それは親中派総代の福田氏らのことを言うのだろう。
同時に宮崎氏の「出身地を知らなければ中国人はわからない(WAC)」もお勧めする。この国の実像が明らかになってくる。

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

ある駐米海軍武官の回想

ある駐米海軍武官の回想

自衛隊の「犯罪」-雫石事件の真相!

自衛隊の「犯罪」-雫石事件の真相!

日本を守るには何が必要か

日本を守るには何が必要か