軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

教えざるの罪

バンコクで行われたワールドサッカー予選で,日本の若者達が『愛国心』を発露した姿に感動し、『教えざるの罪を自覚した』と一昨日書いた.
今朝は,たまたまテレビを見ていたところ,『戦艦大和』特集が取り上げられ,呉で行われている映画撮影風景が報道された.
73000トンの世界最大の戦艦の一部が再現され,凄惨な戦闘シーンが撮影されているそうだが,そのエキストラに,『普通の若者達』が採用されたという.
長髪で背筋が伸びていない今の若者では『当時とイメージが異なるのでは?』と思ったのだが,それは私の杞憂であった.
採用された若者達は,旧軍関係者が『教官』となって『速成教育』されたというが2時間ほどで当時の『精強な水兵達』に成長したという.
教官自身も,当初は一人前になるには『相当時間を要するだろう』と考えたそうだが,その予想を裏切って彼らが急成長し、きびきびした行動を取るようになった事に驚くとともに,『彼らの真剣さがそれを達成したのだ』と語った.
私はそこに『教えざるの罪』を再び痛感した.『今の若者達は…』とその風采,行動振りなどから,私も『大いに落胆していた』のだが,彼らは『しっかり教育されていないだけなのだ』と今回確信した.今、彼らを指導する立場にある『教育者達』が教える真剣さに欠け、的確な指導を怠っているのだ! つまり,教える側の方が如何に自信を喪失している事か、ということを今回の例は示しているのだ.怠け者は『若者達』ではなく,実は『教師達』ではないのか?
事実,自衛隊に入隊してくる若者達のほとんどは,わずか4ヶ月ほどの入隊教育で,自信を持った若者に成長する.次世代を生きる彼らに生きる喜びを与え,目的意識を持った充実した人生を送らせる責任が我々『大人達』にはある.
文部省も,教育界の責任者達も,勿論教育現場にいる教師達も,今回の『教官』のように,真剣に若者達を『一人前』に成長させてもらいたいものである.
『大人達』が自信を失っていては,後を告ぐ青年達が,それを越えて自信溢れる行動が取れるわけが無いではないか!
益々『我々大人達の教えざるの罪』を自覚した次第である.