軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

閑話休題

9月最後の日曜日、産経トップ記事は「防衛省、サイバー専門部隊にハッカー 採用を検討 対中国にらみ態勢強化」とある。
防衛省が、新設するサイバー専門部隊へのハッカーの採用を検討していることが29日、分かった。自衛隊ネットワークの弱点を減らすとともに、攻撃能力を保有する上で、高い専門的技能を持つハッカーの活用が不可欠だと判断した。経済産業省などが主催する講習会などで人材を発掘するほか、防衛省が独自に採用コンテストを開くことも想定している。サイバー攻撃に民間から人材を集め、「民兵」として投入している中国軍を意識したものだ。

 防衛省は平成25年度に陸海空3自衛隊の統合部隊「サイバー空間防衛隊」を新設する。自衛官や技官ら100人規模で発足し、攻撃能力となるコンピューターウイルスの開発も担う≫というのだが、やや遅きに失した感はあるものの、いいことだ。


私は幹部学校戦略教官時代から、学生たちが学校にPCやプリンターなどを持ち込み、課題作業を次々に仕上げていく様を見て、教官(学校)の方が遅れている、と上申したものだが、聞き入れられたのは課題作業用の用紙をわずかだが≪支給≫した程度だった。
あとはすべて学生たちの個人負担…

学生たちはPC、教官室は動きの遅いワープロ…というのが、近代航空作戦を教育する幹部学校の実態だった。


そのころから、いわゆる「オタク」はどんどん増えていたのであり、三沢のF-1戦闘機の航法計算版なども、若いパイロットが考案して使用していた。上に立つ者たちの方が、口では近代化!を唱えるものの、頭の中は「アナログ」だったのである。

サイバーテロは当時から危惧されていたのであり、多少健康に自信がない頭でっかちの若者?でも、この方面の特殊技能者を集めて、秘密部隊を作れば、米国なんぞ怖くない!などと吠えたのだが、なかなか聞き入れてはもらえなかった。

わが長男などは、その頃すでに≪大戦略2≫というゲームに凝っていたから、それを見ていると大掛かりなシミュレーションなどは、やがて不要になると思っていた・・・。

今後の部隊の充実を期待するが、ゆめゆめ「保全」をお忘れなく!
ご注意あれ。


もう一つ、産経は≪【「友好」の終焉】日中国交正常化40年≫を連載している。
田中角栄が日中国交回復をしたのは、ニクソンキッシンジャーに刺激されたからだが、その結果、台湾はじめ失ったものは実に多かった。もともと中国側には「友好」などという観念はなく、毛沢東の3段階戦略に従った「日本経済利用手段」に過ぎなかったのだが、日本の政治屋達は、自分の物差しで勝手にはかって≪自己満足≫していたにすぎない。言葉に踊っていたのである。
それとも巨大な人口を目当てにした≪商売観念≫だけが先行していたのだろう。
戦後のわが国は「士農工商」という“軍国主義国”ではなく、「商農工士」という“天皇を頂く商人国家”になっていたから…


日中安保対話の場で、彼らが日中は「戦略的互恵関係」を築くべきだというたびに、我々は「それは無理、戦略的“誤解”関係だ」と揶揄したものだ。

自分で勝手に理想を掲げて、己の言葉に酔っているようじゃ、血なまぐさい国際関係の土俵に上がる資格はない。

28日に、大江健三郎、元長崎市長本島等、元月刊「世界」編集長・岡本厚など、反日的左派知識人たち1300人が、「領土問題の悪循環をやめよう」と東京で発表したことが、韓国メディアで大々的に歓迎されているそうだが、彼らも単に利用されているだけ、それがわからない≪ノーベル賞作家≫「文化人」とは恐れ入る。
今回の尖閣問題という「踏み絵」で、どんどん彼らの正体が現れてきた。どこかで一覧名簿が作られているだろうから、次期選挙で大いに参考になりそうである。


ところで今日は日曜日、此の辺で少し閑話休題、手元に届いた、尊敬する大先輩、門脇朝秀氏が主宰する「あけぼの」をご紹介したい。

≪日本政治に対する痛烈な批判≫


≪台湾旅行中の出来事。台湾軍学校生徒との会話だが、門脇氏は99歳である≫


次は、先日靖国会館での私の講演会で出会ったジャーナリストの著書の紹介。

「浦辺登著:弦書房(¥1800+税)」


定遠館」とは、日清戦争で清国北洋艦隊旗艦で、わが帝国海軍が撃沈した7430トンのシナの戦艦の名前である。
その後、私の母方の先祖の神官が引き上げて、その部材を生かして作られた館で、太宰府天満宮にある。


著者の浦辺氏は、なぜ「学問の神様」である道真公を祭る太宰府天満宮に、「こんな戦争に関するものを建てたのか」と不思議に思い、入念に現地をルポして書き上げた、いわば我が国の古代から近代にかけての歴史読物で、わが第2のふるさと・福岡にまつわる先人たちの「本土防衛戦史」ともいうべきものだが、分かりやすい口調で書かれていて読みやすい。


実は太宰府天満宮と母方のご先祖様のかかわりを、著者から電話で教えられ早速購入したものだが、これを読んで、なぜ親父が、生後10か月の私を連れて、長躯樺太から九州へ1週間もかけて移動したのか。親父は定年後なぜ福岡に住んだのか。
そして私がなぜ現役時代に3回もこの地で過ごすことになったのか、など、読んでいて急にご先祖様が懐かしく感じられた。
人間の一生とは、やはり『仏の掌』なのだと痛感する。
来月、機会を見て家内とともにこの地を改めて取材したいと思っている…。
懐かしいシナの戦艦「定遠」「鎮遠」…、今では『遼寧』がそれに当たるのか知らん?
博多の仲間たちは、次はどこに『遼寧館』を立てるのだろう?


さて、我が家のバーゴラで孵化したキジバト君たちの最新情報だが、2羽ともすくすくと育っていて、すでに親バトは一日3回?餌を運ぶだけになった。
声をかけると、きょとんと首をかしげて私を見るが、家内に言わせると、下で植木鉢の手入れをしているとき、上から首だけ出してみているというから、彼らの目には、家内はこの世で初めて出会った≪人類≫とでもいうべきか。

≪ウッドデッキから=2羽いるのがわかるかな〜≫


≪バルコニーから、あいさつ!=これでは2羽いるのがわかるでしょう≫


寒くなるまでには旅立てそうで一安心したが、彼らが一人前になるまでは天はこの冬を暖冬にして、来春3〜4月ごろまでは雪を降らせないよう保護してくれることを祈りたい。


この春以来、彼ら一家には生命の尊さと親子の情愛を十二分に教えられた。昨年からここで7羽育ったことになるが、どこでどうしていることやら。

福島で聞いてきた「人と熊との会話」体験談は、いづれ又。

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