軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

有言実行と“不実行”

WBC優勝の余波が続いている。テレビも新聞も、まさにそれ一色の感がある。それくらい今回の「王ジャパン・チーム」の健闘に、国民は酔いしれたのである。それは何故か?
少なくとも「政治」の世界の“虚言”体質に国民が飽き飽きしていたことが上げられるだろう。それを辛うじて救ってきたのが「小泉効果」であった。「改革なくして前進なし!」というスローガンは、自民党の十八番であった「密室政治」に疑問と不信感を抱いていた国民に、かすかな“希望”を与えるものであったからである。
 しかし、郵政改革で「旧来の巨悪」を退治したのはまずまずの出来だったものの、大胆“不敬”な「皇室改革」では国民の怒りを買ってしまった。紀子様ご懐妊という「天佑」で何とか身をかわす事ができたものの、この5年間、当初公約した「8月15日の靖国参拝」をすっぽかしたこともあって、小泉改革には常に“懐疑の眼”が向けられる有様であった。つまり小泉首相自身も「有言不実行」ではないのか?と国民は疑っていたのである。
昨日の友は今日の敵、盟友だったYKKのしがらみが其の底にあったことが漸く国民にも理解できてきたものの、やはり「8月15日の公約不実行」は事実として残ってしまった。だが、「8月15日」に拘らなければ、中韓両国のみならず、国内の“反日政治家・経済界・言論人”たちからの執拗な批判を無視して、小泉首相が5年間続けてきた「靖国参拝」は、戦後の無益な歴史論争に勝利を収めつつある、と私は見ている。後継総理も絶対にここで折れてはならない。断じて靖国参拝を続けることこそ、中国と韓国に対する日本外交の過去のしがらみを断つ重要な要素であり国民団結の要である。
そんな中、またぞろ橋本元総理を代表とする媚中派の政治家達が中国を訪問し、中曽根・福田両氏も韓国に“不思議な訪問”をしている。彼らはどこの国の「国会議員」なのであろうか? 国民は、誰が日本にとって大切な政治家で、誰が「反日?」であるかを見極めつつある。
経済問題は私の範疇ではないから省略するが、ホリエモン現象が其の代表的なものであったと思う。つまり「実業」と「虚業」の認識が国民、特に若者の間に深まったことである。学園祭の続きに浮かれている若手“虚業家たち”の実態を図らずも国民は目撃してしまったのである。スポーツではそうはいかない。“実力”が無ければ勝つ事は不可能である。
前回のトリノオリンピックでも、「取らぬ狸の何とやら」、マスコミで華々しく持ち上げられた選手達は悉く不振で、中にははじめから「国の代表」としての自覚が感じられない御遊び少年少女風の選手も目立った。そんな中、国民は荒川選手の金メダル獲得と、国歌斉唱、日の丸をまとったウイニングランに痛く感動した。そして彼女の自然な行動が、眠っていた日本人の「愛国心」に火をつけたのである。今回のWBC優勝も、まさにそこに原点があったと思う。
イチローの“韓国30年”発言、それが韓国選手の“愛国心”に火をつけて、崖っぷちに追い込まれた日本チーム。しかし、「天佑神助」もあったが、奇跡の逆転をして世界一の王座に輝いた王ジャパン。「天は自ら助けるものを助ける」のである。こうしてイチローに代表される数々の“発言”は、ついに事実として国民の前に証明された。「有言実行」を地でいったのである。
それに比較して、普天間基地問題に象徴される、過去の政治家達を含む「有言不実行」は、いやがうえにも「強調」されて国民の眼に写る結果になってしまった。
過去の政治責任者達はこう言った。「政治生命をかけて・・・」「火達磨となって・・・」。しかし結果はどうであったか。誰一人「腹を切らなかった」し、「焼身自殺」もしなかった。その後も何一つ問題は解決されなかったばかりか、巨額の「献金?」を受け取っても「記憶になく」、偽メールを元に、国会の討議の場を貶めた議員も、みんな「騙されたのであって、騙した方が悪いのだ」と開き直っている。典型的な「有言不実行」症候群である。冗談ではない。我々は、巨額の金を懐にしても「記憶に無い」ような「認知症議員」や、永田議員のような「お人よし」議員を戴いていたのである.仮に彼が外交を担当した場合、世界中から「騙され貶められ、いい様に操られ、日本国の名誉と伝統を汚され、領土を奪われ、国民の生命財産を危険に陥れる」事は見え見えだが、それでも彼は「騙した外国が悪い」と開き直るつもりだろう!そんな政治家に、我々の生命財産を預けるわけには断じていかない。
改めて「有言実行」を、身をもって示した「王ジャパン・チーム」に敬意を表すると共に、何時までも「有言」ばかりで「不実行」な“国籍不明”の政治家達に、彼らの爪の垢でも煎じて飲む事をお勧めしたい。