軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

麻生首相、靖国に真榊奉納

 21日から始まった靖国の春季例大祭に、麻生首相が真榊を奉納した。首相は秋季例大祭でも奉納している。日本人として当然のことなのに、なぜか「進歩的文化人」や「マスコミ関係者」はいつもこれを問題にする。

 21日夜に記者団から質問された首相は「国のために尊い命を投げ出された方々に感謝と敬意を表するものだと思っている」と説明したが、ぶら下がり記者連中は、若いからか、それとも上司から“監督”されているからか、質問自体が軽薄で百年一日の如しである。判を押したように「対中国外交に影響はないか?」とか「私人か公人か」等、全く進化していない。

 麻生首相は「これまでも何回となく『未来志向で歴史を直視して』と言ってきた。今まで通りだ」と答え、今後の靖国参拝は「適切に判断する」と述べた。

 更に朝日新聞記者から「首相は過去に靖国神社を何度も参拝しているが、今回、真榊奉納という形にした理由は」と聞かれ、「朝日新聞に説明する必要は感じない」ときっぱり断った。
 大東亜戦争中の朝日の記者だったら「真榊奉納で誤魔化すことなく、きちんと参拝すべきである!」と抗議したであろうに。


 退官後、北京を訪問した時、案内してくれていた“役人”と良く議論になったものだが、「日本の首相が靖国に参拝したら、貴国はどう対応するか?」と聞くと、「それまでよ」と言ったものである。あまりにも素っ気無いのでその真意を聞くと、「靖国問題は日本の問題、首相が行こうと行くまいと中国には関係ない。しかし、オタクのチョウニチ新聞がいつも『どうだ?』と聞いてくるから、聞かれれば、人民を代表する政府は、歴史問題として過去の侵略を抗議しないわけにはいかない」と答えたものだ。

 ヤオハン問題もそれと同じ感覚で、「日本と中国では生活水準に差があるからといろいろ助言したが、アノ社長は聞かなかった。だからつぶれたが、それを取ってどこが悪い?アノ社長はバカよ」というのである。


 日米同盟にしても、日中関係にしても、自ら外交関係を悪くするような態度を取っているのは自分達のほうではないか?と冷静に考えてみるべきだろう。不作為なのか、自粛なのかは知らないが、米国も中国も『歴史認識』なんぞにかかわっている暇はなくなってきている。
 日本人は「獅子身中の虫」と言う言葉を知っているだろうが、日中外交、対ロ外交、対韓外交等、勿論日米外交もそうだが、日本人の中には言わなくてもいいことを発言したり、奇妙に自粛して相手を慮る?悪い癖がある。私に言わせればそんな「偽善者」を日本人自らの手で排除すべきだろう。


 ところで民主党幹事長の鳩山(兄)氏が、「日本列島は日本人だけの所有物じゃない」とインターネット上で発言して「炎上」しているが、こんな人こそ問題だろう。一体この人の国籍はどこなのだろう?
 田母神氏と、APAの「ワインを語る会」で同席した彼は、田母神氏が“問題”になると「彼とは意見が合わなかったから中座した」と『大嘘ついて』逃げを打ったが、最後まで同席して団欒していたことははっきり証明されている。

 子供の頃、両親から「うそつきは泥棒の始まり」と教えられて育った私には、彼には「泥棒の素質がある」と思わざるを得ない。冗談じゃない、日本列島は「鳩山家」の所有物じゃない。「政権交代」で票が欲しいばかりに、国を売る馬鹿なまねはしないで欲しい。
 言うのならば、それに付け加えて「中国大陸も中国人だけの所有物じゃないし、朝鮮半島も、シベリアも、勿論アメリカ大陸も、そこの国民だけの所有物ではない。人類共有のものである!」ぐらい言ってもらいたいものである。そうすれば、異民族を粛清して併合している中国やロシア、インディアンを駆逐して住み着いた米国人からは感謝されたろうに。勿論そんな勇気もユーモアも彼にはないだろうが。
 先日亡くなった上坂冬子女史のつめの垢でも飲んで欲しいものだが、どうして日本の政治家にこれほど「無国籍」で、「無責任」で「うそつき」が多くなったのか不思議でならない。こんな人物を「放置」している国民も国民である。わが国は「法治国家」だが、“放置国家”であってはなるまい!こんな体たらくだから周辺諸国に馬鹿にされるのである。


 麻生首相には今年の夏に靖国を参拝してもらい、戦後の『ごたごた』に決着をつけて欲しいものである。英霊に感謝し、九月の総選挙の必勝を祈願すればよい。そうすれば間違いなく声なき国民の支持が増して、政界も安定し、波穏やかに鎮まることだろう。実は中国もそれを望んでいるのではないか?ごたごた続きでまとまりがない日本と付き合うのもいい加減にしたいと思っているのではないか?
 来年に迫った上海万博、その頃の中国国内は、下手をすれば経済成長率が伸び悩み、混乱に拍車がかかりそう。
 今やこの国では文革時代の年配者たち?の世代から、政財界、軍人ともに指導者層はどんどん国際経験豊かな若手に世代交代が進んでいる。その若いエネルギーと今の日本は、十分やりあえる力があるのかどうか。
 鳩山氏の発言に見られるように、自己犠牲だけを自国民に強いる発想そのものが既に『老化現象』の始まりである。
 いやはや、この国は一体どこに向かって航海しているのか、乗客の一人として不安でならない。
 田母神事案では『論文』に目を通すことなく首にして失態を演じた麻生首相だったが、情報が適時適切に上がらない防衛省の実態が理解できた今、「日本丸」の賢明な舵取りを期待したい。

最後に新刊書のご紹介。「脱北者・・・命がけの脱出と今を追う」(文・写真 崔淳湖=現文メディア刊:¥1900+税)
生々しい北朝鮮国内の写真は迫力がある。是非ご一読を。

脱北者 命懸けの脱出と今を追う

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靖国神社と日本人 (PHP新書)

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靖国―この国を愛するために

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戦争を知らない人のための靖国問題 (文春新書)

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靖国神社遊就館の世界―近代日本の歴史探訪ガイド

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新ゴーマニズム宣言SPECIAL靖國論

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