軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

バレねば“やり得?”

 土地購入をめぐる疑惑で窮地?に追い込まれつつある小沢氏が、「本来ならばこの種の問題は形式犯だから(収支報告書の)修正で済む。これは国民も検察も理解してくれる」と事態の沈静化に自信を示した、という。
 少なくとも「形式犯」であることは認めたようだが、鳩山総理といい、小沢氏といい、国民の上に立つ指導者が、人の道に反することを「意識して?」やっていて、その筋から「指摘されると」「修正」や「上申書」を出して逃れる、という姑息なやり方は、決して「国民も検察も」理解しないであろう。


 その昔、外務省に出向していた時、モスクワの防衛駐在官宅に3泊お世話になったことがある。厳重な警備下にある有名な「外人アパート」である。小沢氏の発言を聞いて、このとき聞いた小話?を思い出した。


その1:日本大使館の駐車場で、雪かきをしていたソ連人作業員が館員の車のトランクにトラクターをぶっつけて壊したが三人は「やっていない!」と頑固に否定する。
 そこで一人づつ部屋に呼んで「何をしていたか?」と尋ねると、一人はスコップで雪集め、もう一人はトラックの運転台にいたと答え、最後の一人はトラクターで集めた雪をトラックに積んでいたという。
 車のトランクを潰したのは明らかにトラクターだから「君がやったのだろう」と問い詰めると彼はこう開き直った。
「だんな、あのトラクターはいつ作られたものだと思うか?1949年製だ。わしがここで止め様と操作しても古いから止まらない。だからわしが悪いのではない。機械が悪いのだ!」


その2:防衛駐在官夫人から聴いた話。
 各家庭には「女中」と称する監視員が必ず配置される。ここには「ニーナ」という中年女性が配置されていたが、洗濯洗剤や、西欧製の靴下をくすねて持ち帰るので夫人は困っていたという。
 ある日、台所の後片付けをしていたニーナが、珍しく鼻歌交じりだったからどうも気になった夫人がそっと監視していると、夫人が骨董市場で買ってきて大切にしていた大皿を案の定落として割ってしまった。
 夫人が思わず声を出すと、夫人に気づいたニーナはこう言った。
「奥さんも見たでしょう!大きなねずみが足下を走っていったのを!あまりに大きなねずみだったので驚いて皿を落としてしまった」と。
 夫人が、ねずみなんかいなかったこと、最初からニーナを見ていたことを話すと、「見ていたのなら仕方ない」と平然としていて謝りもしなかったという。


「うそつきは泥棒の始まり」と何回もここに書いてきた。バッジをつけていてもいなくても、ウソはウソ、ウソも方便で片付けられる事案とはワケが違う。冷戦中のソ連人のようなうそつきが、平成の日本国に蔓延っていることが情けない。

 ばれなかったら「ラッキー!」、ばれたらばれた時、その時はバレモト!始末書を書けばいいのだろう、などと開き直られたのでは、詐欺師同然、担当官も国民も怒り心頭だろう。日本の文化伝統にそぐわない考え方である。

 
 そろそろ確定申告の時期、真面目に一枚一枚領収書をそろえて提出している庶民は、僅かな「申告漏れ」、手違いでも厳重に追求される。政治家にはお咎めなし、ではあまりにも不公平極まりないではないか。
 真面目な者ほど損をするような世の中では、馬鹿馬鹿しくてやっていられなくなる。何が「政権交代」かといいたくなる。海の向こうのオバマさんも、交代したけどむしろ悪くなったと非難が渦巻き始めた。
 まあ、米国は良いとして、わが国の鳩山政権の体たらくぶりは、来るべきアジアの激動に取り残される恐れが多分にある。政権交代ならぬ「後退」は歴然としている。


 わが国は、ソ連崩壊時に千載一遇であった北方4島一括返還の好機を逃した、と私は思っているが、今また朝鮮半島の重大な変革期に、政治資金や、お母様から「多額のお年玉」を戴きながら知らぬ存ぜぬ等、あまりにも次元の低い、いや、庶民の考えの及ばぬ世界での騒動で、貴重な時間を浪費する国会の姿は、茨城県行方市議会員ならずとも、自分らよりもはるかに次元の低いお粗末な「国会議員」の資質に愛想を尽かしている。
 さて、明日の当事者の喚問が楽しみだが、上がらぬ株価にかわって視聴率はうなぎのぼりになるだろう。

金正日は日本人だった

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