先週は東奔西走、体の休まらない週であった。年末に放映される「ビートたけしの超常現象」で、私がまとめた「実録・自衛隊パイロットが接近遭遇したUFO」が取り上げられることになり、私にインタビュー取材が入った。
浜松での講演会、原稿要請などが続いて多くの貴重な会合をパスしてしまった。
週の締めくくりは、昨日判明した沖縄県知事選挙に対する所見などの問い合わせだったが、現職の仲井真知事が選ばれたことは、沖縄県民が“反日グループ”である特殊部隊のかく乱工作に、飽き飽きした証拠だろう、と答えておいた。
普天間基地返還問題など、米軍基地問題で「大活躍」している(して来た)、私に言わせれば[外人部隊]が起こした騒動に、現地県民は飽き飽きしたのである。たとえばこの問題の発端となった「楚辺通信所返還問題」は、地主合計443名中442名は継続書類にハンコをついていたのであり、残る一名の知花昌一氏だけが反対していたのだから、民主主義のルールには程遠いものだが、これを“外人部隊”が支援し、メディアは彼こそ英雄だと派手に持ち上げた。
普天間基地の反対地主約700名というのも、一坪地主ならぬ“ハンカチ地主”の集合体であり、それに返還されると地代がもらえなくなる地主、並びに登記簿の額の10倍以上で融資していた3銀行が倒産する危機感から、猛烈な反対運動になってしまった。
それを反米闘争に結びつけたのだから外人部隊は「敵ながらあっぱれ?!」であった。
大田知事以降の知事たちは、その狭間で苦しんだのだが、仲井真知事はようやく移設までこぎつけることができた。しかし、なんと政権交代!ルーピー首相にぶち壊されてしまった。
この沖縄基地問題混乱の“戦犯”は、橋本首相と鳩山首相だろう。
しかし、幸か不幸か、尖閣事件や半島で砲撃事件が発生し、きれいごとだけでは生きていけないことを県民が悟ったので、この結果が出たのだろう。いずれにしてもしばし沖縄は安定する。ただ、普天間返還は進展しないだろう。
土地の返還に関する地主と地元、それに“外人部隊”間の利益と思惑が一致している限り、移設は困難、沖縄県独自の「南北戦争」は、南軍の勝ち?で終わることになると思われる。今も昔も、メディアは「大本営発表」を続けているのである!
それにしても、尖閣事件と半島情勢の急変は、だらけきっていた日本人に少しは≪ピリッ≫とした緊張感を呼び覚ましたようである。
こうも次々と「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」いては、「われらの安全と生存」は保持できないという実例が頻発したのだから「今まで政府は何をして来たのか?」という不信感が日本国民に湧き上がっても不思議ではない。
国境を接する韓国でも金大中、盧武鉉時代に北におもねった結果、安全保障観念が失われていた事に韓国民は気が付いた。しかし、遅すぎた様な気がする。
国民の生活と生存を保障すべきわが政府は、自分達の政権内の閣僚の「生活と生存」を確保しようといじましい努力をしていて、世界各国から顰蹙をかっていることにさえ気が付かないようだ。
この政権は2700年近くの歴史上、最も愚かで下品で、責任感に乏しい政権だといっても過言ではあるまい。100年後の教科書には、
「平成21〜2年、この時代は、めまぐるしく首相が交代し、そのたびに政界は大混乱、主義主張よりも個人的グループ間の怨念対決ともいうべき見苦しい政権が無定見な政策を実行した結果、領土は半減し、人口も減少、経済も不況が続いて国力を消耗し、今の“1945年の第2次世界大戦直後のドイツと同様、米国、ロシア、中国、韓国に分割統治される状態”になったのである」とでも書かれるのではないか?
それは、軍事力という、わが国以外が活用している「力」を意図的に無視した結果、右往左往して北朝鮮にまで恫喝されるような軍事弱体国家になったからだといえる。「力」を無視する政府が、「力」しか信じない政府に勝てるはずはない。「徳操」でも充実していれば別だろうが…
今年初め、十二指腸潰瘍が再発して緊急入院した私に、松村劭先輩が電話で「自分はがんで余命いくばくもない。しかし、念願の戦争史をやっと出版までこぎつけた。おそらく完成を見ることはなかろうがこれで一安心」と言ったのだが、私は全く信じなかった。
しかし、これは現実になり、私が退院してしばらくして松村氏はこの世を去ってしまった。
その、いわば[遺書]ともいうべき「世界全戦争史」がこのほど完成し、H&I社から出版されその見本が届いたのだが、紀元前6世紀から現代にいたる2600年間に世界中で起きた戦争を、クロニクル方式で取りまとめたもので、明快な表、戦闘要図入り、2660ページに及ぶ「広辞苑」並みの厚さの大作である。
松村氏は言う。人はだれでも“軍事力を必要としない時代の到来”を望む。万一利害対立が起きても“理性的な話し合いと和の精神を持って適切な妥協によって問題を解決する時代が到来する”と思っている。
しかし、そのような時代が到来するためには“人間は賢明で忍耐強く、無欲で勇敢であり、他人を説得できるように進歩する”ことが求められる。そう信じることは勝手だが、そんなことは“現実の人間のサガとかけ離れているし、人間がそのような高い徳操を持っていると「認識」するなら、それは傲岸不遜な態度である”ことは歴史や現実の犯罪・事件が証明しているとする。
そして戦争の原因と目的は「欲望と怨念は戦争の卵である」「軍隊ほどもうからないものはない。しかし、軍隊がなければもっと儲からない」という古代ギリシャの伝言を挙げ、“だから絶対的平和を望むなら、生存と欲望と怨念を捨てる以外には方法がない。さもなければ[強いこと]が必要なのである”と喝破している。
ご多忙な政治家の皆さんは、とても忙しくて読む暇はないだろうから、せめて未来を担う青少年、学徒の皆さんに目を通してほしいと思う。しかし、これまたお金がない学徒諸君には、¥15000+税という価格は無理かもしれない。
学校や自治体の図書館に備えて、若者たちが目を通す環境を作れば、今のような「危機管理に乏しい」「拝金主義」の大人たちは“絶滅”できるのではなかろうか?と私は思う。
現役時代には、分厚い防衛庁「戦史叢書」や、服部卓四郎著「大東亜戦争全史」は読破したものの、老眼、乱視、根気欠如の今となっては、私自身が生きている間に松村先輩の“遺書”を読破できるか疑問だが、関連部分を拾い読みするだけでも目からうろこが落ちる。
ご関心ある方にはぜひご一読をお勧めしたい。
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